台風や線状降水帯による集中豪雨など、近年多発するする水災害において、災害発生時に被害状況をいち早く把握することは喫緊の課題となっている。スペクティでは、河川の氾濫直後に、ほぼリアルタイムに浸水範囲と浸水深を推定し、2D及び3Dのマップ上に再現する技術の開発を進めており、被害状況をわかりやすく可視化することで、災害対応の迅速化に役立てていくことを目指しているという。
7月12日に発生した島根県出雲市を流れる稗原川で発生した氾濫は、出雲市内の各地で浸水・冠水による被害をもたらした。スペクティでは、現在開発を進めているAIによるリアルタイム浸水推定技術を用いて、SNSに投稿された画像をもとに、浸水の推定範囲及び深さ解析し、2D及び3Dの地図上にシミュレーションしたとのことだ。
スペクティでは、AIを用いて、SNSに投稿された画像や河川カメラ・道路カメラの映像から浸水した場所や深さを自動的に割り出し、降水量、地形データ等と組み合わせて統合的に解析することで、氾濫発生から10分以内に浸水範囲と各地の浸水深を地図上に表示する技術の開発を進めている。また、被害が進行した場合の予測値や予想最大被害範囲など、浸水による被害を多角的に可視化することを目指しているという。
現在、本技術を通じて得られる各地点における詳細な緯度経度情報や浸水深(推定値)などのデータの提供を行っている。学術研究や企業の実証実験等で使うことができるとのことだ。