三井住友海上、シンガポールのオンライン自動車取引プラットフォーマー「CARRO社」へ出資

MS&ADインシュアランス グループの三井住友海上火災保険株式会社は、東南アジア最大のオンライン自動車取引プラットフォームを提供する、シンガポールの Trusty Cars Pte Ltd(以下、CARRO 社)へ出資したと発表した。

この出資はソフトバンク・ビジョン・ファンド2が主導するシリーズC資金調達ラウンドへの参画によるものであり、CARRO社は本資金調達により自動車マーケットプレイス事業者としてユニコーン企業となるという。CARRO社はオンライン上の中古車販売事業を中心として、修理・ロードサービス等のアフターサービス事業やローン・保険等の金融事業を展開しており、自動車関連ビジネスにおいて独自のエコシステムを構築しているスタートアップ企業だ。2020年1月のMS&AD Venturesの出資を皮切りに、その後、同社とCARRO社は同年12月にASEANにおける業務提携に合意し、自動車保険販売等の取組を進めてきた。今回の出資を通じて提携をより強固なものとし、デジタル技術を活用した保険販売のほか、新たな自動車保険商品の開発や、自動車関連ビジネスの創出に向けた共同取組を推進するとのことだ。

■背景・目的

ASEANにおいては、人口増加や経済成長を背景に中古車市場が拡大しており、この傾向は今後も継続すると予測されている。一方、中古車ディーラーや個人間取引を中心とした現地の取引では、車両の品質担保等、マーケットの透明性に課題があるという。そのようなマーケット環境においてCARRO社は、従来型の中古車ディーラーと異なり、オンライン販売を主体とし、車両査定にAI等のテクノロジーを活用した先進的なビジネスモデルを構築している。これにより取引に透明性をもたらすとともに、優れた顧客体験と効率的なオペレーションを実現し、自動車関連の新興プラットフォーマーとして急成長を遂げているという。同社はCARRO社に出資し、提携を強化することで、プラットフォーマーを介した保険ビジネスの成長実現と、新たな自動車の流通・販売における保険の在り方を実践的に検証することを目指す。先行取組として2021年5月には、インドネシアにおいて、CARRO社およびスウェーデンのテレマティクス関連サービスプロバイダーのGreaterThan社と提携したドライバー向けアプリをリリースした。

■今後の展開

同社は、CARRO社との協業を通じて、オンラインにおける自動車関連ビジネスに関する先進的なノウハウを蓄積し、国内外で活用することで、商品・サービスの開発、保険金支払いの高度化、新たなビジネスモデルの創造につなげるとのことだ。

Article Tags

Special Features

連載特集
See More