NTTデータ、誰でもAPIを登録・検索できる金融APIマーケットプレイス「API gallery」を開設へ

株式会社NTTデータは2021年10月から、誰でも無料でAPIを登録/検索できる金融APIマーケットプレイス「API gallery」をウェブ上に開設すると発表した。公開に先立ち、8月31日からAPI galleryに登録する「API提供者(プロバイダー)」の募集を始める。

API galleryは、フィンテック企業や自治体など「API利用者」と金融機関など「API提供者」をつなぐオープンなプラットフォーム。API利用者は特定の企業や団体のAPIに縛られず、幅広いAPIを無償で検索できる。API提供者はAPIを無償で公開でき、API利用促進を通じて自らのサービス普及につなげることができる。

NTTデータは新しい金融IT戦略である「Open Service Architecture(OSA)」のコンセプトに基づき、API galleryで組込型金融(Embedded Finance)や金融機関と行政機関のシステム接続など業界の垣根を越えたデジタル化を推進する。日本最大の金融APIエコシステムへ成長させるため、本年度中に金融機関/企業を合わせて200団体以上の参加を目指す。また、2022年1月をめどにSlack等を活用したAPI利用者同士のコミュニティー機能も追加する予定だという。

■背景

組込型金融(Embedded Finance)等の今後の発展を踏まえ、オープンAPIの一層の活用が日本の金融業界のテーマとなっているという。オープンAPIで先行する欧州などに続き、日本でも2017年に銀行法が改正され、金融機関にAPI連携に関する努力義務が課された。しかし、金融業界におけるオープンAPIの利用拡大に向けてはまだ多くの課題がある状況が続いているとのことだ。原因の1つは、API提供者とAPI利用者のマッチングの難しさにあるという。API提供者とAPI利用者はそれぞれ膨大な数がおり、双方の狙いに合致する相手を探すために時間がかかっている。

NTTデータはこのような現状を解決すべく、APIを誰でも無料で検索でき、双方のマッチングにつながる金融APIマーケットプレイスを2020年から構想してきた。2021年10月に公開の準備が整ったことから、今回API galleryに登録するAPI提供者(プロバイダー)の募集を始めるとのことだ。

■API galleryについて

API gallaryは、特定の企業/団体のAPIに縛られずにパブリックな立場でAPIの利用を促進する金融APIマーケットプレイス。2021年10月からウェブ上で公開する。アカウント登録をすれば、企業に限らず個人でも閲覧できる。利用料は無料。APIの検索、仕様やユースケースの確認、APIテストの申し込み、APIの掲載などがすべて無料で利用可能だ。
出典元:プレスリリース
「API gallery」の具体的な特長は以下の通り。

1.特定の企業/団体に縛られず幅広いAPIを中立的に掲載
銀行、FinTech企業、行政など、幅広いAPI提供者が作成したAPIを中立的に掲載する。銀行については、同社のAPIサービスを利用していない銀行のAPIも掲載する。利用者は特定のAPI提供者に縛られずに、用途に応じて最適なAPIを選べる。NTTデータは、同社や特定の企業/団体のAPIだけを掲載するのではなく、パブリックな立場でAPIの利用を促進するという。
出典元:プレスリリース
2.ソリューション単位の検索でビジネス活用が容易に想定可能
APIだけでなく、APIを包含したソリューションも掲載。利用者は必要に応じてAPIとソリューションどちらからでも検索できる。APIはマイクロサービス化されており、単体だとユースケースが分かりにくい場合があるという。APIを含んだソリューション単位での検索を可能にすることにより、API利用者は実際のビジネスシーンにおける活用方法を想像することが可能となる。

3.コミュニケーション機能でビジネス創発を促進
2022年1月にめどにSlack等と接続し、API利用者同士のコミュニティー機能も追加する予定だという。API提供者とAPI利用者が直接コミュニケーションし、既存のAPIに関する問い合わせや新しいAPI等に関するアイデア交換などが可能になる。APIをきっかけに、ビジネスの創発につながる場とすることを目指す。必要に応じて、同社のコンサルタントが登録者/利用者間のマッチングやその先の事業創発を支援する予定だ。また事業やユースケースはイベントや同社サイト等で積極的に発信し、金融APIエコシステムとして活性化させるとのことだ。

NTTデータはこれらの特長を持つAPI galleryにより、組込型金融(Embedded Finance)や金融機関と行政機関のシステム接続など、業界の垣根を越えたデジタル化を推進する。例えば、行政のマイナポータルと金融機関の勘定系システムがAPIでつながれば、年末調整等の行政手続きをワンストップ化することも可能になるとのことだ。

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