電通、第3回「カーボンニュートラルに関する生活者調査」を実施
2021/10/21
株式会社電通は、電通グループ横断でサステナビリティに関するプロジェクトを推進する「サステナビリティ推進オフィス」および「電通Team SDGs」のもと、全国10~70代の男女計1,400人を対象とし、2021年9月3〜5日に第3回「カーボンニュートラルに関する生活者調査」を実施し、結果を発表した。
■各ファインディングスの詳細
「カーボンニュートラル」の認知について
• 「カーボンニュートラル」の「内容まで知っている」または「内容までは知らないが、言葉だけは知っている」生活者の合計は44.5%であったが、「内容まで含めて知っている」のは13.8%で、引き続き内容理解の浸透は課題といえる。
Q. 「カーボンニュートラル」という言葉をどの程度ご存じですか。
「カーボンニュートラル」の実現に向けた取り組みの必要性に関する意識
• 「カーボンニュートラル」の実現に向けた取り組みの必要性は、79.6%の生活者が感じており、第2回調査から上昇傾向がみられる。
Q. 「カーボンニュートラル」の実現に向けて、取り組んでいくことは必要だと思いますか。
① 「カーボンニュートラル」の実現に向けた取り組み認知
• 全体では第2回調査と比較して、全ての取り組みで認知率の維持・上昇がみられ、年代別では特に40代での上昇が顕著である。全体で50%以上の認知率だったのは、「自動車の脱炭素化・蓄電池技術の実現」「再エネの主力電源化」「資源循環型社会の実現」「農林水産業における脱炭素化とCO2吸収・固定の推進」「次世代熱エネルギーの活用」「デジタル化・デジタル業界のグリーン化」。
② 「カーボンニュートラル」の実現に向けた各取り組みへの賛同意識
• 全体では第2回調査と比較して、全ての取り組みにおいて「賛同」の回答率(賛同率)に維持・上昇がみられ、年代別では特に10代での上昇が顕著である。全体で70%以上の賛同率だったのは「資源循環型社会の実現」「農林水産業における脱炭素化とCO2吸収・固定の推進」「再エネの主力電源化」「自動車の脱炭素化・蓄電池技術の実現」「CO2分離回収の実現・マテリアル産業の推進」「インフラ面でのカーボンニュートラル実現」。
③ 主要14項目の現状での世の中の浸透度 ~カーボンニュートラルポテンシャルマップ~
• 14の重点分野の世の中での浸透度を「実施状況(行動・関心度)」「今後自分は関与を高めたい・増やしたい」の2スコアの組合せによって、『定着』『トレンド』『兆し』『潜在』『表面化』『マンネリ』の6つのグループに分ける「カーボンニュートラルポテンシャルマップ」を作成。
• 第2回調査から、2つの分野が世の中に広まる予兆が感じ取れる『兆し』から、実行動への誘因でさらに話題を大きくできる『トレンド」に移行し、また、2つの分野が関心も関与意向も低い『潜在』から、何かしらの行動に繋がる『表面化』に移行した。
Q. 日本は、カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けて下記のような取り組みを行っていこうとしていますが、あなたはどの程度ご存じですか。
① 自社あるいは自社の業界でのカーボンニュートラルに向けた取り組みに対する意識
• カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを行うことで、自身が勤務する企業やその属する業界にとってメリットはあると約6割の生活者が感じているものの、今後積極的に取り組むと考える生活者は約5割に留まる。
② 業種別・会社規模別のカーボンニュートラルに向けた取り組みに対する意識
• 業種別では製造業、会社規模別では従業員数が「1,000人以上」の大企業に勤務する生活者は、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みに向けた意識が特に高い。
Q.あなたは、自社あるいは自社の業界でのカーボンニュートラル、脱炭素社会実現に向けた取り組みについて、どのように思いますか。それぞれについて、あてはまるものをお知らせください。
① カーボンニュートラルに取り組む企業に対する評価
• 「カーボンニュートラル」の実現に向けて取り組む企業に対する評価としては、消費者・利用者視点の評価である「応援したい」「信頼できる」「商品・サービスを購入したい・利用したい」「長期にわたって利用したい」が高い。それ以外の視点である「就職先として子供に勧めたい」「協業したい」「就職したい・転職したい」も第2回調査から上昇。
② 生活者の各取り組みへの認知の情報源・きっかけ
• 企業がカーボンニュートラルへ取り組んでいることを知った・思った情報源やきっかけとしては、「テレビCM」「テレビの報道・ニュース」が特に高く、次いで、「ニュースサイト」「テレビ番組」「新聞記事」が続く。
Q. あなたは、カーボンニュートラル、脱炭素社会実現に向けた取り組みを行っている企業に対して、どのように思いますか。それぞれについて、あてはまるものをお知らせください。
カーボンニュートラルの取り組みの結果、許容できるコストの範囲
• 追加負担となるコストに関して「+1~5%」の上乗せであれば各項目平均で40%を超える生活者が許容し、特に生活インフラを支える「水道代」「電気代」「通信費」「ガス代」で許容する生活者の割合が多い。
• 大幅な負担増加となる「+6%以上」でも許容する生活者の割合が多いのは、趣味・嗜好に近い「飲食費」「旅行やレジャーの費用」「ファッション・衣料の購入」。
Q. 2050年のカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けて、国・自治体や企業・団体等が様々な取り組みを行っていく上で、関連する衣食住や移動などにおける追加の費用負担は、現在の各支出に対して、月どのくらいの割合までであれば、上乗せされることが許容できますか。それぞれについて、あてはまるものをお知らせください。
カーボンニュートラルの実現に向けて取り組む企業の「利用意向」を上げていくために訴求すべき内容
• カーボンニュートラルの実現に向けて取り組む企業の利用意向を高めるための相関関係を分析したところ、信頼感を醸成することで、その他の情緒的な価値向上にも繋がっていくことが分かった。信頼感の醸成には、「地域社会への貢献」「足元の実直さ」「世の中をよりよくするための技術開発」「持続可能性に配慮した活動」など、サステナビリティ推進に繋がる姿勢・手法が重要。
カーボンニュートラルの実現に向けて取り組む企業の「利用意向」を上げていくために訴求すべき内容(相関分析)
※今回は、「信頼できる」は情緒的価値として位置づけて分析
・ 目的:日本におけるカーボンニュートラルに関する「認知・理解」や「興味・関心」などについての現状を把握した上で、今後の浸透策を検討していくため。
・ 対象エリア:日本全国
・ 対象者条件:10~70代の男女
・ サンプル数:性年代各100名ずつ、計1,400名
・ 調査手法:インターネット調査
・ 調査期間:2021年9月3日~9月5日
・ 調査機関:電通マクロミルインサイト