CTCと日本IBM、ハイブリッドクラウドサービス事業で戦略的パートナーシップを強化

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)と、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、CTCのクラウド分野におけるサービスラインアップの拡充や事業拡大を目的に、戦略的パートナーシップを強化する予定だと発表した。

近年、各企業では、企業活動のデジタル化による競争力強化を目的に、自社で所有するITインフラを、共有利用型のパブリッククラウドや専有利用型のホステッドプライベートクラウドなどと組み合わせて実現する、ハイブリッドクラウド環境への移行や、コンテナ基盤を活用してアプリケーションのクラウド化を進める動きが活発化しているという。必要となる機能やサービスは多様化しており、エンタープライズ品質で組み合わせ、コンプライアンスに準拠したセキュアな運用を含めた高品質なサービスの提供が求められている。一方、技術革新のスピードや求められる対応範囲の広さ及び深さの点から、一企業が単独で全てを実現することが難しくなってきており、企業間の連携によるサービス拡充が必要とのことだ。

CTCでは、ITインフラへの多種多様化する顧客のニーズや課題に対して、ハイブリッドクラウド環境を継続的に最適化して提供するサービス群を「OneCUVIC」というブランド名称で展開しており、各サービスの強化を進めている。

特に注力する取り組みとして以下の4点を進めており、今回予定しているパートナーシップ拡大もその一つだという。
1.CTCオリジナルのホステッドクラウドサービスCUVIC(キュービック)シリーズの機能拡充と提供範囲の拡大
2.パブリッククラウドの顧客提供価値の強化とユーザー企業の利便性向上
3.従来型データセンターからハイパースケール型データセンターへの刷新
4.複雑化・高度化するハイブリッドクラウド・マルチクラウドの統合状態監視(オペレーション、セキュリティ、省エネルギーの可視化)

今回のパートナーシップにおいて、CTCと日本IBMは両社のサービスを組み合わせ、CTCのクラウド及びマネージドサービス「OneCUVIC」を拡充し、強化することを検討する。具体的には、①ITインフラ利用型サービス、②アプリケーションのモダナイズ化を支える基盤サービス、③マルチクラウドインテグレーション及びマネージドサービス、④マルチクラウド環境下におけるマネージドセキュリティサービスの4つの分野でサービスを拡充することでITインフラのクラウド適用とアプリケーションのクラウド化を加速させ、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)への貢献を目指す。

両社が組み合わせを検討するサービス・プロダクトは、CTCオリジナルの高品質なホステッドプライベートクラウドであるCUVICシリーズをはじめ、CTCデータセンターサービス、CTCマルチクラウドマネージドサービス、CTC C-Nativeサービス、IBM Cloud、IBM Power、 IBM Cloud Satellite、Red Hat OpenShift、IBM Cloud Pak for Watson AIOpsに代表される各種ミドルウェア等だ。

今回の取り組みにより、現在3つのデータセンターから提供しているCTCのCUVICシリーズは、第4・第5(東日本・西日本)のデータセンターを加えて、IBM Cloudと繋がる。全世界60拠点以上に展開するデータセンターネットワーク上のIBM Cloudを利用して両社のビジネスを拡大するとのことだ。

<One CUVICの注力ポイント>
①ITインフラ利用型サービス
基盤デプロイスピード、構成種類、分散クラウド時代を見据えた設置場所などの多様性・柔軟性の向上
基幹システムが求める性能要件に応える、HWによる仮想化制御、大容量メモリー構成への対応による性能の向上

②アプリケーションのモダナイズ化を支える基盤サービス
コンテナライズされたアプリケーションの開発及び実行基盤機能の実装
XaaS:様々なファンクションサービスの拡張(例:在宅ワーク向けVDI、AI、自動化など)

③マルチクラウドインテグレーション&マネージドサービス
CUVICや各種パブリッククラウド(AWS、Azure、GCPなど)のインテグレーションサービス(設計・構築・実装)の拡充
マルチクラウド環境下における、ワンストップ運用サービスの拡充

④マルチクラウド環境下におけるマネージドセキュリティサービス
マルチクラウド環境下のITインフラへの脅威を検知、対策を行うセキュリティ監視、インシデント対応サービスの拡充
顧客のアプリケーションやサービスへの脅威を予兆・防御するアプリケーションマネージドサービスの拡充

今回の戦略的パートナーシップの拡大により、企業の情報システム部門が保有するミッションクリティカルなシステムのインフラに適したホステッドプライベートクラウドであるCUVICや、AWS、Azure、GCPなどのパブリッククラウドのインテグレーションやマネージドサービスに強みを持つCTCと、オープン・ハイブリッドクラウド・テクノロジーを基本に構成されたセキュアなビジネス向けのパブリッククラウドであるIBM Cloud、性能・品質面で高い実績があるIBM Power、マルチクラウド・コンテナ・プラットフォームのリーダーであるRed Hat OpenShiftなどに強みを持つ日本IBMは、今後、高品質でセキュアなサービスで、顧客企業のDXを支援していくことを目指す。またCTCでは、今回の取り組みのほか、今後積極的にサービスを展開することにより、「OneCUVIC」クラウドサービス事業を今後4年間で約650億円規模へ拡大することを目指すとのことだ。

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