ウェザーニューズ、5kmメッシュの世界天気予報APIの販売を開始

株式会社ウェザーニューズは、気象データと最新技術で企業のDXを推進する気象データ提供・分析サービス「WxTech(ウェザーテック)」をグローバルに拡大し、海外ビジネスを展開する企業向けに5kmメッシュの世界天気予報API(一部地域を除く)の販売を開始したと発表した。

海外に拠点を拡大する日系企業は年々増加し、ビジネスの場で世界の気象データのニーズが高まっているという。そこで、同社は世界の1時間ごとの短期予報と2週間先までの中期予報のデータをAPIで提供する。本サービスでは、世界の気象機関や独自の数値予測モデルとAI技術を組み合わせた精度の高い天気予報を、5kmメッシュの高解像度で提供する。データはクラウドを経由してAPIなどで提供されるため、企業は緯度経度を指定するだけでデータを取得でき、既存のシステムとの連携も容易だ。企業は、現場周辺の詳細な気象データを取り入れることで、自社システムでの海外天気予報の表示、高度な業務最適化やマーケティング、従業員の安全管理など、あらゆるビジネスシーンで活用できる。すでに、大手外食チェーンにおける東南アジアの新店舗での商品の仕込み量や発注量の最適化、宅配サービスにおける配達量の需要予測など、複数社での利用が見込まれているという。今後は企業のニーズに合わせて、海外向けのデータラインナップを充実させるとのことだ。

北京の天気予報の20kmと5kmメッシュの比較
(20kmで見ると晴れでも、5kmでは雨の予報となる場合もある)
出典元:プレスリリース

■WxTechをグローバルに展開

外務省が2020年に実施した調査によると、海外進出した日系企業の拠点数は推定で8万を超え、製造業や卸売業・小売業を中心に増加している。エリア別の拠点数はアジアが7割、北米1割、欧州1割で、アジアを中心に海外に進出しているという。しかし、アジアの天気予報は精度や解像度が不十分な場合が多く、現地における気象データ活用はまだこれからの状況とのことだ。

世界天気予報APIは、グローバルに展開する日系企業やこれから進出予定の企業、海外企業から商品調達している企業からの、「信用できる細かい現地の気象データをAPIで欲しい」という声をきっかけに開発したとのことだ。

<世界天気予報APIの特長>
1. 5kmメッシュの高解像度データ
2. 世界各国の気象データとAI技術を活用した高精度な予測データ
3. APIでリアルタイムのデータ取得やシステム連携が可能

「世界天気予報API」は、5kmメッシュの高解像度かつ高精度な短期・中期予報のデータをAPIなどで提供する。短期予報では、72時間先までの1時間ごとの天気コード、気温、湿度、降水量、気圧、風向、風速、全天日射量の8要素を取得できる。中期予報では、2週間先までの1日ごとの天気コード、最高気温、最低気温、平均湿度、降水確率、日降水量、日最大風速時の風向、日最大風速、日積算全天日射量を提供する。14日先の中期予報についても、5kmメッシュの細かいデータを提供する。

メッシュを細かくすることで、より詳細な天気の表現が可能になるため、データの精度も高まるという。全球モデルは10〜20kmメッシュが一般的だが、20kmメッシュの天気予報では晴れのエリアでも、5kmメッシュで見ると晴れ・曇り・雨が混在し、場所によっては雨の予報になることもあるという。

また、本サービスでは、世界各国の予測モデルや同社独自の予測モデルを合わせた70以上の数値予測モデルをAI技術で補正して組み合わせることで、より精度の高い予報を提供する。

ニューヨークの天気予報イメージ 20kmと5kmの比較
(20kmと5kmメッシュで比較すると、予報が異なる場合がある)
出典元:プレスリリース
予測データはクラウドに保存され、APIなどでデータを提供するため、企業は既存システムとの連携が容易だ。企業は緯度経度を指定することで、対応する5kmメッシュの世界天気予報のデータを取得することができる。データを企業のシステムやビジネスデータと組み合わせることで、リアルタイムでのビジネス活用や、新たなソリューションを生み出すことも可能になる。
出典元:プレスリリース
「世界天気予報API」は、すでに外食チェーン店における商品の仕込み量や発注量の最適化、宅配サービスにおける配達の需要予測など、複数社での利用が見込まれているという。この他にも例えば、アプリや製品での天気表示(社内システム・メール・サイネージなど)や、高温時のアラート通知による従業員の安全確保、天気連動型のポイント2倍クーポン配信による雨の日の集客や商品の販売促進、飲食店の来店客予測、日射量による太陽光発電量予測、天気と連動する家電製品の開発などに活用できる。これまでに導入された日本の気象データの使い道は様々で、ビジネスの数だけあると言っても過言ではないという。グローバル市場においては新たな活用方法が開拓されることも期待しているとのことだ。

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