アドビ、「アフターコロナに向けたデジタル戦略に関する調査」の結果を発表
2021/12/6
アドビ株式会社は、企業におけるデジタル戦略と顧客体験に関する取り組みについて、BtoB企業の経営層、営業管理職、マーケティング担当者約1,000人を対象に実施した「アフターコロナに向けたデジタル戦略に関する調査」の結果を発表した。
■主な調査結果
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、業界や企業規模に関わらず、世界全体の経済が低迷した。今回の調査でもその傾向が裏付けられる結果となり調査に回答した36.1%がコロナ禍以前と比較して業績が縮小したとしている。この傾向は、デジタル化に後れを取っている企業に対して顕著に表れている。デジタルマーケティングソリューションを導入していた企業のうち、業績が縮小したとの回答は27.1%にとどまったものの、そうでない企業については約1.5倍の40.3%にまで及ぶ結果となった。デジタルマーケティングソリューションを利用している企業は、「顧客との関係性構築」を重要視し、「顧客のニーズ/アンメットニーズ」に応じ、適切なタイミングに適切な情報発信をしていたことが業績悪化を食い止める要因になったと推測される。
経営層と従業員との間でコロナ禍におけるビジネス課題の意識に大きな差は見られなかったものの、従業員がコロナ禍に行った対策に対して、経営層には理解が浸透していないことが明らかとなった。マーケティング担当者がコロナ禍以前の施策を見直し、オンライン商談やオンラインセミナーの強化を実施してビジネスの維持を図っていた一方で、経営層の42.0%が「特に見直しはしていない」と回答しており、企業内でのマーケティング戦略にデジタルマーケティングがどれほど寄与していたかについて、経営層の理解が限定的であることがうかがえる結果となった。
デジタルマーケティングソリューションを導入している企業では、顧客との接点をデジタル化する傾向が顕著で、半数以上の回答者がオンライン商談の強化(57.5%)やオンラインセミナーの活用(50.3%)に積極的に取り組んでおり、急な社会の変化にも柔軟に対応して、顧客との関係性を維持・育成している様子が明らかとなった。一方で、デジタルマーケティングを採用していない企業では、そのような取り組みが限定的となっており、特に見直しはしていない(37.1%)との回答が最も多く寄せられたことから、デジタル化の進捗状況によって企業の対応力に差が出ていることがうかがえる。
今後、企業が継続して投資を進めるマーケティング活動としては、オンラインセミナー(76.0%)やオンライン商談(74.3%)を筆頭にデジタルでの顧客体験があげられており、一方で、イベントや展示会といった対面での施策については消極的である傾向が明らかとなった。アフターコロナにおいても、顧客との接点が完全に対面に戻ることはなく、引き続きデジタルシフトの潮流が拡大していくと予測される。
長期的な顧客との関係性構築を目的として、デジタルマーケティングソリューションを活用する企業も増えている。すでに導入済みの企業では、その理由として「顧客のニーズに合わせた情報配信をしたかった」(51.4%)、「顧客情報の取得を強化したかった」(45.7%)など、顧客のステータスや関心を把握することで顧客関係の深化につなげようとする意図がうかがえる。
「アフターコロナに向けたデジタル戦略に関する調査」概要
アドビがEdelman Japan調査部門に委託して行った調査で、以下の方法で実施している。
調査方法:インターネット調査
実施対象:1,040人(デジタルマーケティングツール認知者、およびB to B企業に勤めるマーケティング/CRM部門の担当者、経営層/業務改革担当者/営業管理職)
調査期間:2021年9月3日~2021年9月10日