
AWS、最小限のコーディングでカスタマイズ可能なWebアプリケーションを作成できる「AWS Amplify Studio」を発表
2021/12/8
Amazon.com, Inc.の関連会社であるAmazon Web Services, Inc.は、AWS re:Inventにおいて、AWS Amplify Studioを発表した。
クラウド上で動作するWebアプリケーションの多くは、ユーザーに馴染みのあるUI、Webアプリケーションの動作を定義するビジネスロジック、そして様々な重要な機能を提供するバックエンドのクラウドサービス(ユーザー認証、データベース、オブジェクトストレージなど)の3つの部分で構成されている。現在、開発者は、最新のWebアプリケーションを構築するために、通常2つの方法のどちらかを選択しているという。1つ目の方法は、自分でアプリケーションコードを書くことだ。Webアプリケーションの設計と動作を精密に調整できるが、バックエンドサービスのプロビジョニング、ビジネスロジックの記述、UI構築でのUXデザイナーとの協力など、構築に数か月の時間と膨大な労力がかかることもある。2つ目は、ローコードツールを使用してアプリケーションを素早く構築する方法だ。このようなツールでは、開発者がカスタムアプリケーションコードを書くことができず、JavaScriptやTypeScriptなどの一般的なプログラミング言語よりも制限の厳しい独自のフレームワークやプログラミング言語を使用しなければならないため、カスタマイズ性や拡張性が低くなる。これらに代わって開発者が求めているのは、自身でプログラムを書く柔軟さと、ローコードツールの迅速さを組み合わせて、顧客に革新的なサービスを素早く提供するソリューションとのことだ。
AWS Amplify Studioを使用することで、開発者は最小限のコーディングでWebアプリケーションを迅速に構築できるだけでなく、使い慣れたプログラミング言語を使用してアプリケーションの設計と動作をフルにカスタマイズすることもできる。AWS Amplify Studioのマウス操作だけで使用できるシンプルなビジュアルインターフェースでバックエンドを作成すると、AWS AmplifyによりAWSサービス(Amazon Cognito(認証)、Amazon DynamoDB(データベース)、Amazon S3(ストレージ)など)が自動的にプロビジョニングされる。サービスのプロビジョニングが完了したら、AWS Amplify Studioを使用してWebアプリケーションUIを作成する。AWS Amplify Studioを使用すれば、一切コーディングすることなく、あらかじめ構築されたUIコンポーネントのライブラリーを使用してUIを構築したり、AWSサービスのデータや機能をUIに組み込んだり、Figma(UIのデザインとプロトタイプに使用するツール)を使用してUXデザイナーと連携することができる。UIが完成すると、AWS Amplify Studioにより自動的にJavaScriptコードやTypeScriptコードに変換されるので、アプリケーションの設計または動作をフルにカスタマイズして、最高のエンドユーザー体験を提供するための調整が行える。AWS Amplify Studioを使ってUIを作成すれば、何千行ものコードを書く必要がなくなるだけでなく、使い慣れたプログラミング言語を使用してアプリケーションの設計と動作をフルにカスタマイズすることもできるとのことだ。
AWS Amplify Studioは、米国東部(オハイオ)、米国東部(バージニア)、米国西部(カリフォルニア)、米国西部(オレゴン)、アジアパシフィック(ムンバイ)、アジアパシフィック(ソウル)、アジアパシフィック(シンガポール)、アジアパシフィック(シドニー)、アジアパシフィック(東京)、カナダ(中部)、欧州(フランクフルト)、欧州(アイルランド)、欧州(ロンドン)、欧州(パリ)、欧州(ストックホルム)、中東(バーレーン)、南米(サンパウロ)において、プレビューで利用できる。他の地域でも近日中に開始予定とのことだ。