ソニーの予測分析ツール「Prediction One」、AI導入のハードルとなるデータ前処理を容易にする「データ準備機能」を提供開始

本機能は、予測分析を実行する前の段階で用い、AIモデルを作成するために必要なデータの前処理をノーコードで行うことができる。データ加工に不慣れなユーザーでも簡単に予測分析の準備を整えることができ、時間と手間がかかるデータ前処理作業の効率化が可能だ。

昨今、様々な企業においてDX（デジタルトランスフォーメーション）への取り組みが広がっている。そのDX推進にあたって重要な要素のひとつとされるのが、データの活用だ。多くの企業で、データ収集基盤を構築することや、日々の活動をビッグデータとして蓄積する取り組みが行われており、データから現状を把握し、将来を予測、データに基づいた適切な意思決定を行うためにはAIの活用が有効だ。

しかし、蓄積されたデータをAI向けの学習用データとして活用するには、事前に結合や集計、欠損対応、変換などが必要になるケースが多く、データの加工、成形といった前処理を行う必要がある。データ分析において、データサイエンティストはその前処理のプロセスに大半の時間を費やしていると言われており、予測分析を行う前の段階で多大な工数が生じている。

また、データ加工作業では、通常プログラミングやExcel、専用ツールなどが使われるが、専門家ではない担当者には負担がかかり、データ前処理がAI導入を進めるにあたってのハードルとなっている。

このような背景から、「Prediction One」では、データ前処理の段階でデータの変換、統合、集計を容易に行う「データ準備機能」の提供に至ったとのことだ。本機能の利用により、ユーザーは予測分析の入り口となるデータ準備のプロセスをスムーズに進めることができ、ビジネスの現場においてさらにAIの活用を推進することができるようになる。

なお、本機能は、新たに提供する「スタンダードプラスプラン」（デスクトップ版）に含まれる。「スタンダードプラスプラン」は、従来提供する予測分析機能とテクニカルサポートが利用できる「スタンダードプラン」に本機能が加わったプランだ。

【加工例】3つのデータベースから収集したデータを結合。欠損値を任意の値に変換する加工を実施。

主な機能

・ユースケース別ガイド：ユースケースごとに決まったフォーマットに従ってデータ準備を進めていくモード。来店数を予測して仕入れ量を管理したいケースや、サブスクリプションサービスを解約する可能性が高い顧客を検知したいケース、需要を予測したいケースなど、様々なユースケースが搭載され、選択したテンプレートに沿って操作することで、初心者でも簡単にデータ準備ができる。

・カスタムモード：データ加工処理を自由に組み合わせられるモード。 自社のデータに合わせて結合、集計、欠損対応、変換などAI向けのデータ準備で必要となる処理を実行できる。一連の加工処理を保存して自動実行できるので、データ準備作業の自動化が可能だ。

提供開始日：2022年5月11日
提供料金：年間 258,000円
プラン比較：