次世代移動支援技術開発コンソーシアム、先進技術開発の進捗を発表
2023/1/26
アルプスアルパイン株式会社、オムロン株式会社、清水建設株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)の4社が、共生社会の実現を目指し、正会員として活動する一般社団法人次世代移動支援技術開発コンソーシアムは、視覚障がい者が自立して街を移動し、日常の活動をスムーズに行うためのナビゲーションロボット「AIスーツケース」の開発を進め、社会実装に向けた取り組みをより加速させるため、2022年11月30日までと予定していた活動期間を、2023年11月30日までの1年間、延長し、実用度を高めた新しいモデルを開発し、東京都中央区の日本橋で実証実験を実施したこと、先進技術開発の進捗を発表した。
・先進技術への各社の取り組み
コンソーシアムでは実用度を向上した「実用モデル」の開発と、先進技術の開発を同時に推進し、先進技術としては、以下の技術開発に各社が取り組んだ。
日本IBMはRTK-GNSS測位 (衛星を用いた高精度な測位)を用いた屋外走行を実現するとともに、屋内と屋外にまたがるルートを連続して走行する技術を開発した。
・周囲の歩行者の行動予測技術の向上
街中を歩く上で、対向者とぶつかることなく、より安全に歩行するためには周囲の歩行者の動きを予測して状況を使用者に伝え、AIスーツケースの動作を制御する必要がある。オムロンは周囲の歩行者の視線や体の動きによって、歩行者がそのまま直進してくるのか、または進行方向を変えて回避してくれるのかを、事前に予測する技術を開発した。
・スーツケースのハンドルによる進行方向提示の改善
実用モデルのAIスーツケースはハンドル上に設置している振動子によって進行方向を伝えている。アルプスアルパインが開発した新型ハンドルではディスク型の方向提示装置によって、曲がる方向をより正確かつ直感的に提示することが可能になった。
・地図無し走行に向けた研究促進
現在のAIスーツケースは、事前に壁・障害物形状データ、基本ルート地図、そして店舗・施設のデータを作成する必要がある。日本IBMは早稲田大学と共同で、こうした地図データが無い環境でも、通路の交差点を検出しながらナビゲートする技術の研究開発を行った。