石川高専、コマツ、クオリカ、DX人材育成の協力関係構築に関する協定を締結

クオリカ株式会社は、コマツおよび石川工業高等専門学校(以下、石川高専)と、石川県における高度産業DX人材の育成を目的に、2023年3月15日に「デジタルトランスフォーメーション人材育成に関する包括連携協定」を締結したと発表した。

■協定の概要

本協定は、石川高専が進めているDX人材の育成を、石川県が創業の地であるコマツと、IT企業のクオリカが支援する産学連携の取り組みに関する包括協定だ。本協定を通じて三者は中長期的な関係を結び、それぞれの知識、技術、資源を生かし、主に石川県の企業への貢献につながる、より実践的なデジタル技術をもつ人材の育成を推進する。具体的には、石川高専の実習用工作機械に、機械の状態監視および加工作業改善を行うためのIoTシステムの「Kom-mics(コムミクス)」を導入し、従来の実習で学んできた「理論」と「作業」に「数字」を加えることで、データドリブンな学習(データを収集・分析し、さまざまな課題に対する判断や意思決定を行うことの学習)を行うためのカリキュラムなどを開発する。これによりデジタル技術を身につけた人材の育成を推進する。また、将来的にはこのカリキュラムをブラッシュアップし、教育事例として石川高専より全国の高専へ紹介し広げていきたいと考えているとのことだ。

■協定締結の背景・狙い

実践的技術者の養成を目的とした高等教育機関である工業高等専門学校は現在、企業から専門性を持ち、かつデジタル技術を活用できる人材の輩出を期待されているという。一方で、コマツは、石川・北陸地区における産業技術人材の育成と産業活性化に資する活動を推進している。また、クオリカでは企業のDX化推進には、ソリューションの提供だけではなく、デジタル技術を活用できるエンジニアの育成が必要であると考えていたという。そこで、三者間での協定を締結し、DX人材の育成および産業活性化などを共同で推進するとのことだ。

■取り組み概要

クオリカは、今回の取り組みの一環としてコマツが開発しクオリカが販売する工場の生産性改善システム「Kom-mics」を石川高専に導入した。石川高専は現在推進しているDX人材育成において、DXの基礎教育(情報基礎教育や数理データサイエンス教育)に加え、実習用の工作機械に接続されたKom-micsにより取得できる機械の稼働データを活用し、単なる機械の使い方だけでなく、データに基づくより実践的な生産現場のデジタル化を学ぶためのカリキュラムを開発する。また、コマツからはKom-micsの自社での活用事例やノウハウの提供、クオリカからはKom-micsの活用方法や管理支援などを通じて、石川高専でのカリキュラム化を支援する。

Article Tags

Special Features

連載特集
See More