2022年に大企業とスタートアップが協業した事例をまとめた「オープンイノベーション業界別協業事例集 2022」がリリース

イシン株式会社は、2022年に大企業とスタートアップが協業した事例をまとめた「オープンイノベーション業界別協業事例集 2022」をリリースしたと発表した。

オープンイノベーションとは、社内外のリソースを活用して新たなソリューションや事業を生み出すことだ。大企業のリソースやブランド力にスタートアップの新しい技術とスピードを掛け合わせることでディスラプションを起こすという。大企業とスタートアップの協業には様々なスタイルがあるが、一般的にはPoCやパイロットプロジェクトを経て事業化を進める。スタートアップとの協業は大企業側にとっても利点が多く、新たな技術・知識の獲得/開発期間の短縮、潜在的な顧客ニーズへのアプローチ、中長期的な出資による収益化、社外へのアピールによる新規顧客獲得や社会的信頼性の獲得など、予測不能な時代に生き残るための戦略として不可欠なものになっているという。実際に、McKinseyのパートナーによると、2013年から2019年の間にコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)への投資は32%増加し、Fortune100企業の4分の3がアクティブなベンチャー投資部門を保有しており、パンデミックによって協業活動はわずかに抑制されたものの、現在も大きな需要が健在だという。また、過去1年間のデジタル化の進展によりイノベーションの必要性はさらに高まり、これらのパートナーシップを有効に活用することに注目が集まっているとも語っているとのことだ。

国内に目を向けると、近年では経済産業省が、スタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針の策定、研究開発型スタートアップ支援事業と事業会社とのオープンイノベーション促進のためのモデル契約書の作成、事業会社と研究開発型ベンチャー企業の連携のための手引きの策定といった取り組みを進め、事業会社とスタートアップとの協業を後押ししているとのことだ。一方で、2022年2月の産業構造審議会によると、国内のスタートアップエコシステムが抱える課題として、基礎研究から事業化への道には製品開発フェーズに至る上での関門(魔の川)と事業化フェーズに進むための関門(死の谷)を乗り越える必要があり、事業化を目指す技術シーズが高度であればあるほどこれらの関門を乗り越えるハードルが高くなると言われている。

また、2022年10月の内閣官房の新しい資本主義実現本部/新しい資本主義実現会議の分科会では、既存の事業会社によるオープンイノベーションを推進するにはスタートアップへの投資が重要である一方、国内事業会社によるスタートアップ企業に対する投資額は、米国、中国、欧州と比べて低い水準に留まっていることが言及されているという。さらに、スタートアップのエグジット戦略としてのM&Aは依然として欧米に遅れを取っており、オープンイノベーション推進の喫緊の課題であることが明言されているとのことだ。また、2022年8月には政府の成長戦略の1つであるスタートアップ支援の司令塔となる「スタートアップ担当大臣」が新たに任命された。
出典元:プレスリリース
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