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大日本印刷と三菱UFJ銀行、分散型IDに関する技術・事業化の検証を目的とする基本合意書を締結

大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、株式会社三菱UFJ銀行と、ブロックチェーンなどの分散型技術を利用して、自身で個人のアイデンティティを管理する「分散型ID」に関する技術、および事業化の検証を目的とする基本合意書を締結したと発表した。
DNPと三菱UFJ銀行は、個人の属性・学歴・資格・職歴などのアイデンティティを自ら管理し証明できる社会や、企業がデジタル技術を活用し高度な人的資本経営を可能とする社会の実現を展望し、本基本合意書に基づき、自己主権型のデジタル証明書(Verifiable Credentials:VC)の発行や分散型識別子(Decentralized Identifiers:DID)に係る技術検証、これらを活用するビジネスの事業化検証を進める。
出典元:プレスリリース

■基本合意書締結の背景

近年、人材を企業価値の源泉として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる人的資本経営への関心が高まっている。個人の価値観が多様化し人材の流動化も進展するなか、高度な人的資本経営および自律的なキャリア形成実現などの観点から、個人のスキルやパーソナリティの可視化や共通言語化が必要になっている。また、社会のデジタル化が進む一方、個人情報の漏洩などのプライバシーリスクが顕在化しているほか、巧妙なフィッシング詐欺やAI技術を使ったなりすましなどの問題もあり、安心・安全なデータ流通に課題が生じている。こうした課題に対して、日本政府は、インターネット上の新たな信頼の枠組みである「Trusted Web」の具体化に取り組んでいる。

DNPと三菱UFJ銀行は、これらの社会課題を踏まえ、分散型IDに関する技術、および事業化検証を目的とした基本合意書を締結。両社は、将来的なWeb3.0の世界観を見据え、保有する技術やネットワークを活用し、信頼性のあるデータ流通の実現、同領域での新規事業開発に向けて協力するとのことだ。両社は、分散型IDに係る技術のセキュリティ課題やユーザビリティの検証を実施し、新たな認証・セキュリティネットワーク基盤の社会実装を目指す。具体的には、個人が自身の属性・学歴・資格・職歴などのデータを管理・保有し、第三者にその真正性を証明できる社会を実現するため、今後、以下の領域で技術、および事業化の検証に取り組む。

・学校業務のデジタルトランスフォーメーション
学校の教務窓口での身分証明書の提示や書面による諸手続きを介さずに、オンラインで各種証明書の入手を可能にする。在学証明、学習履歴、卒業証明書などのデジタル証明書を発行することで、学生が自身に関連する情報をスマートフォン上で自ら管理し、デジタルIDとして活用することができるよう、実証実験を行う。

・高度な人的資本経営および自律的なキャリア形成実現などを支援する基盤構築
個人の属性・学歴・資格・職歴・スキルなどを、デジタル証明書として発行・検証できるネットワークを構築し、就職や転職の場面での活用を目指す。これにより、現状はキャリアごとに分断されている個人のアイデンティティが統合され、自律的なキャリア形成とその自己証明が可能になる。また、社員のキャリアの可視化を通じ、企業の高度な人的資本経営の実現に向けた検証を行う。

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