ブロックチェーン技術の出現により、デジタルなものにも価値を付与し、また所有者の明確化を実現することができるようになった。それに伴い、デジタルなクリエイティブは「NFT」としてマーケットプレイスなどで取引がされるようになり、2021年頃より世界中で様々なプレイヤーが出現している。世界最大規模のNFTマーケットプレイスとされる「OpenSea」の月間取引高は4.3億ドル(2023年3月時点)を記録し、今後はさらなる市場の発展が期待されているという。一方で、元々デジタルデータ自体は簡単にコピーできることから、海賊版や無許可のNFTも多数出回るなど、業界は多くの課題を抱えているという。特に、日本は国際的に人気となるアートやコンテンツの宝庫であり、これから大きな市場となることが見込まれるNFT業界において、安全性や真贋の担保に関わる対策が急務であると考えられるとのことだ。
この課題を解決すべく、SBINFTとJPNFTは、安心安全なNFTマーケットを構築し、利用者に正規のNFTを提供することを使命に、両社の強みをいかしてパートナーシップを結ぶことにしたという。JPNFTが運営する、コンテンツIPのNFTに関する公式情報公示プラットフォーム「jpnft」に登録・公示されたコンテンツをSBINFTが運営する「SBINFT Market」で取引する場合には、jpnftでの正規ライセンス情報照会やjpnft認証マークの表示を通じて、正規NFTであることを確認できるようにするとのことだ。
JPNFTが運営する「jpnft」は、日本のコンテンツIPのNFTに関する公式の情報を公示することで、権利者により発行された、または、権利者の有効な許諾の下で発行された正規版NFTと、近年広く流通している無断発行された著作権等を侵害する無許諾NFT等を区別し、安心安全なNFTマーケットの構築に資することを目的としたプラットフォームだ。jpnftは、経済産業省・令和3年度補正予算「コンテンツ海外展開促進・基盤強化事業費補助金(J-LOD)」支援対象事業として採択され、同支援の下で開発された。SBINFTが運営する「SBINFT Market」は、世界に開かれたマーケットプレイスを目指し、国内外で需要の高い二つのパブリックチェーン(Ethereum及びPolygon)を採用している。特定の管理者が存在せず誰でも自由に参加できるパブリックチェーン上でも、詐欺やハッキングなどのリスクからユーザーを守り、健全なNFT取引を楽しめるよう、前身であるnanakusaから承認制NFTマーケットプレイスとして、厳正な審査を通過した事業者やアーティストによるNFTを提供してきた。
今回、NFTの安心安全と業界の正しい発展に取り組む両社の理念が合致し、「SBINFT Market」では、「jpnft」が公式の情報として掲載したNFTを取り扱う公認のNFTマーケットプレイスとして、コンテンツの充実および正規品流通の活性化に取り組むとのことだ。