◾︎調査概要
現在、急速に普及しつつある生成AIの影響は学生にも及んでおり、学校における生成AIの活用について議論が活発にされている。文部科学省は夏休みを迎える直前、小中高等学校向けに暫定的なガイドラインを公表し、生成AIを取り巻く懸念やリスクなどを踏まえ、現時点では「限定的な活用から始めることが適切である」と伝えている。Applivでは夏休みの宿題における生成AIの利用実態調査を実施した。宿題に生成AIはどの程度使用されたのか、また、どのような課題で活用され実際に役に立ったのか、アンケートの結果を公開した。
事前調査で夏休みの宿題・課題があると回答した学生533人に対し、生成AIを活用したか聞いたところ、34.1%が「活用した」と回答した。
夏休みの宿題に生成AIを活用することについて、学校や親からどのような意見があったのかを聞いてみると、「制限された」が32.6%、「制限されなかった」が67.4%だった。
夏休みの宿題や課題のために生成AIを活用した学生182人に対し、実際にどのようなツールを活用したのか調べた結果、最多は「ChatGPT(134人)」で、利用者の7割以上が利用していることが分かった。2位以降は「Bard(33人)」「Bing Chat(31人)」と続いた。
生成AIを利用したと回答した学生のうち、宿題が「捗った」と感じた人は85.7%、「捗らなかった」と感じた人は14.3%だった。
それぞれに理由を聞いてみると、生成AIのおかげで宿題が捗ったと感じている人では、「情報収集を効率的に進められた(94人)」、次いで「複雑な問題を簡単に解決できた(65人)」、「文章の質が向上した(58人)」となった。
捗らなかったと感じた学生の回答を見てみると、「生成AIの回答や提案が不正確だった」「自分の学習理解が浅くなった」「情報の信頼性に疑問を感じた」が上位に選ばれていた。また、一部の学生は「操作が難しかった」「得られる情報が宿題に合わなかった」等、うまく活用できなかったことを理由に挙げている。
生成AIを活用した宿題TOP3は、1位「論文やレポートの執筆(103人)」、2位「数学の問題を解くこと(65人)」、3位「読書感想文の作成(48人)」だった。
最後に、生成AIの使い方を学んだ方法について聞いたところ、最も回答が多かったのは「インターネットの記事やブログ(65人)」、次いで「学校で質問した(52人)」、「YouTubeや動画サイトでの解説(49人)」という結果だった。
調査概要
調査対象:全国の10~20代の男女533人
調査機関:株式会社ジャストシステム
調査方法:インターネット調査
調査期間:2023年8月24日~2023年8月30日
有効回答数:533人
性別
男性:256人
女性:277人
年齢
15歳~19歳:388人
20歳~29歳:145人
出典元:Appliv(アプリヴ)
https://app-liv.jp/articles/145179/