「東京DXネクストステージキックオフイベント」が開催され「東京デジタル2030ビジョン」が発表
2023/9/15
一般財団法人GovTech東京は2023年9月11日、「東京DXネクストステージキックオフイベント」を東京都デジタルサービス局と合同で開催したと発表した。
「人口減少による働き手、公務の担い手の減少が想定されている一方、社会の成熟とともに行政に対する都民のニーズが複雑化・多様化している中、これまでと同じやり方では、都民が求めるサービスの水準を維持することが難しく、サービスの変革に果敢にチャレンジしていかなければなりません。都民のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させ、東京の魅力を高め持続的に成長させていく。このような社会を実現していくため、デジタルの持つ「スピードアップ」、「スケールアップ」、「クオリティアップ」といった力を生かし、都が牽引役となり、新たな発想のもと、オール東京での変革に挑んでまいります。
サービスの変革によって、人が輝く、一人ひとりが輝く社会をオール東京で目指します。これを実現するためにデジタルを最大限活用します。「プッシュ型」、「垣根を越える」、「顧客最適化」という3つの変革を軸に取り組みます。
「プッシュ型」
利用者が行政サービスをWebサイトなどで探すことなく、行政が先回りして利用者の皆様にサービス情報をお知らせするプッシュ型に変えていきます。
「垣根を越える」
それぞれの自治体や窓口ごとに申請手続が必要だったものを、行政の垣根を越えてデータを連携して、いくつもの窓口を回る必要がないシームレスなサービスの提供につなげます。
「顧客最適化」
行政視点で標準化されたサービスをデジタルで変革し、利用者それぞれのニーズや変化を的確に捉え、サービスを提供する各機関が連携することで、一人ひとりのニーズに応じた最適なサービスを組み合わせて提供します。
変革を成し遂げるため、都が推進役となり、技術の専門家集団GovTech東京とともに、新たな協働体制の下で、取組を進めてまいります。国や区市町村の皆様の力、スタートアップや企業の皆様の力、そして東京で生活し活動する都民や事業者の皆様の力、全ての力を掛け合わせて、誰もがデジタルの力で豊かになる未来の東京を作っていきましょう」
「東京都は、ペーパーレス、FAXレス、ハンコレス、キャッシュレス、タッチレスの「5つのレス」の徹底や、東京デジタルファースト条例の制定など、デジタル化を大きく推進してきました。今後、都民の生活がデジタルで便利になったと実感できる、あるべき未来の姿を目指すためには、「DXのD(デジタル化)をいかにX(トランスフォーメーション)していけるか」が肝になると考えています。GovTech東京設立にあたって、都内62の全ての区市町村から賛同を得ることができました。各自治体の皆様の期待にしっかりと応えつつ、東京都が行政サービス変革のロールモデルとなり、オール東京の先進的な取り組みが全国の自治体にも波及していくような形を目指してまいります。
GovTech東京は、「共同化」と「協働」をテーマにデジタル化の取組を進めてまいります。具体的には、AI議事録などのツールや端末等の調達、校務支援システムや図書館管理システムの開発など各区市町村と「共同化」に向けた意見交換や議論を重ね、デジタルに必要不可欠な全体最適に向けた実現可能性を探ってまいります。さらに、GovTech東京では、公務員制度の枠にとらわれず人材を採用できるという民間としての強みを生かし、公的分野に関心を持つデジタル人材を柔軟に採用、各区市町村に派遣するという、人材の「共同活用」や「人材紹介」を通して区市町村のDXを後押しする体制も整えていきます。
GovTech東京が、国や各自治体、アカデミア、民間企業など官民問わず色々な人が同じ船に集まり、行政のデジタル化を推進する受け皿になりたいと考えており、「行政のDX推進」という共通の目的を達成するために、 GovTech東京のビジョン「情報技術で行政の今を変える、首都の未来を変える」のもと、お互いが協力し合い、対等な立場で取り組んでいくことを重要視して取り組んでまいります。
区市町村や国、民間企業の方々と話し合いながら進めていくためにも、様々な所属の方々とオープンに、立場・役職にとらわれずフラットに議論できる「オープン&フラット」の文化をつくり、実践していきたいと考えています」