難病情報を照会できるAIアプリケーションを開発、インターネット上で公開

京都大学大学院医学研究科、RADDAR-J for Society株式会社と日本アイ・ビー・エム株式会社は、AIを活用した難病情報照会アプリケーションとして、患者および家族をはじめ一般市民向けの「Rare Disease-Finder(以下 RD-Finder)」と、医師や研究者向けの「Rare Disease-Finder Pro(以下 RD-Finder Pro)」を共同で開発し、本日インターネット上に公開したと発表した( https://rare-disease-finder.com/ )。

一般市民向けのRD-Finderは、患者や家族が簡便に正確な難病情報を無料で照会することができるという。また、RD-Finder Proは、製薬やライフサイエンス企業、医療機関等と個別に契約し、特定の難病の罹患者の早期発見を支援するとのことだ。
三者は今後、IBM watsonx™など最新のエンタープライズ向け基盤モデルの技術を活用して、RD-Finderの内部データベースの一つである遺伝性疾患統合データベースに基づく難病に特化した大規模言語モデルの研究開発を行う計画とのことだ。

京都大学大学院医学研究科附属ゲノム医学センターは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の難治性疾患実用化研究事業において、日本を代表する公的難病データベースとなる「難病プラットフォーム」の構築を2016年より開始し、多くの難病研究班との連携のもと、統一規格で品質と信頼性の高い難病関連情報の経時的な収集を推進してきた。また、日本IBMと共同でAI技術を用いた症状入力による疾患情報照会システムを開発してきた。そしてこの度、患者および家族を含む一般市民と、医師や研究者へ向けた難病情報照会AIアプリケーションをそれぞれ構築し、京都大学発ベンチャーであるRJ4Sよりインターネット上への公開を開始したとのことだ。

患者や家族は、RD-Finderに症状を平易な日本語で入力することで、罹患している可能性のある難病の候補を抽出し、その疾患に関わる情報を閲覧することができるという。この情報をもとに当該疾患を専門とする医師を見つけコンタクトすることが可能となり、早期の診断や治療開始につながることが期待できるという。
RD-Finder Proは、個別の難病研究班や医療機関が持つ情報やノウハウを付加し、特定の疾患に関して検索条件や精度、入力情報などの機能を拡張させることが可能で、特定の疾患に対するチューニングを行い、医療機関に蓄積された診療情報などから患者候補を抽出することで、患者の早期発見を支援することができるという。
出典元:プレスリリース
出典元:プレスリリース

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