5Gが働き方改革に与える影響とは？導入時の注意点についても解説

2020/11/9

カルチャー

5Gの普及とともに、働き方改革がさらに推進すると言われています。しかし、5Gを仕事に導入するためには、いくつかの課題があることも知っておかなければなりません。ここでは、5Gの特徴や働き方改革に与える影響や課題について説明します。

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2019年から施行されている働き方改革関連法案。この法律によって、雇用者や従業員など幅広い人たちの働き方が変わっています。それぞれのライフスタイルや仕事の進め方などに応じて柔軟な働き方ができるような施策をとるところもあるなど、今後さらに働き方改革が進んでいくと考えられています。

多様性のある働き方が推進される中で、どの業界においてもインターネットやIoT機器の活用は欠かせません。4Gが日本全国で快適に利用できるようになったことから、すでにインターネットを活用した働き方を積極的に取り入れている企業も多いです。2020年4月からはついに5Gの普及が始まったため、さらに私たちの働き方が変化するのではないかと言われています。

今回は、5Gがどのような特徴を持っているのか、5Gが働き方改革にどのような影響を与えるのか、5Gを仕事に取り入れる際の課題について詳しく説明します。

5Gが持つ3つの特徴

5Gには、以下の3つの特徴があります。

・高速かつ大容量の通信
・低遅延で信頼性の高い通信
・低遅延で信頼性の高い通信

5Gが働き方改革に及ぼす影響を理解するためには、まずは5Gがどのような特徴を持った通信技術なのか、従来の通信方法である4Gとどのような点に違いがあるのかを知っておくことが大切です。ここからは、5Gの特徴について詳しく説明します。

高速かつ大容量の通信

4Gでは3.6GHz以下の周波数帯を利用していたため、ユーザー数の増加とともに電波が飽和状態になったり、通信速度に限界があるといったデメリットがありました。しかし、5Gでは、3.7Ghz帯や4.5Ghz帯、さらにはミリ波と呼ばれる28GHzを利用するため、4Gよりも圧倒的な速度でデータ通信ができるのです。
ビームフォーミングという電波の受信先に向けて信号強度を上げる技術を活用しているのも5Gの特徴。ほかの電波との干渉を避けながらより遠くに5G電波を飛ばせるようにしているので、基地局から離れたエリアでも超高速通信を可能にすると言われています。

低遅延で信頼性の高い通信

4Gの遅延速度が50ミリ秒未満で、3Gの遅延速度の約半分とされています。しかし、5Gでは、約1ミリ秒もの超低遅延を実現できるのです。そのため、ロボットの遠隔操作や自動運転など、リアルタイム性が求められる場面で信頼性の高い通信が行えるため、5Gによって飛躍的に社会生活が便利になると期待されています。

多数同時接続が可能

5Gの基地局が接続できるデバイス数は、1平方キロメートルあたり約100万台と言われています。これは、4Gの約30～40倍であり、圧倒的に多くのIoT機器が5Gに接続できることを意味します。この特徴によって、コンサートホールやスタジアムといった1カ所に大人数が集まるような場所でそれぞれが同時にインターネットに接続しても、通信障害が起こりにくいと言われています。

また、5Gに対応したIoT機器が増えることで、冷蔵庫や洗濯機、電子レンジやエアコンといった身の回りのモノがインターネットに接続できれば、スマートフォン1つですべての機器を管理できるようになるでしょう。地域社会においても、自動車や信号機、標識や施設設備など、あらゆるモノが5Gに同時に接続されれば、さらに多くの人々が便利で快適に暮らせるようになると期待されています。

5Gが働き方改革に与える5つの影響とは？

5Gが働き方改革に与える影響

・スマートファクトリーが実現する

・テレワークの普及が加速する

・多様な働き方に対応できる

・WEB会議をより快適に行える

・自動運転の普及で移動コストが抑えられる

5Gが普及することで働き方改革に与える影響は、上記の5つが代表的です。すでに働き方改革関連法案は施行されていますが、5Gを導入することによって、さらに働き方改革が進むと予想できます。具体的にどのような部分に変化が起こるのか、あらかじめイメージしておくことで今後の働き方改革に柔軟に対応できるようになるでしょう。

ここからは、5Gが働き方改革に与える影響について詳しく説明します。

スマートファクトリーが実現する

1つ目は、スマートファクトリーが実現すること。

人材不足や熟練技術者の不足が深刻化している製造業では、工場のスマートファクトリー化が推進されています。5Gの普及でスマートファクトリー化が進むことによって、遠隔地からでも工場のシステムや機械の操作をリアルタイムで行えるようになったり、配線を考えずに済む自由な工場のレイアウトを実現することで、さらに効率的な製造が可能になると言われています。

工場や倉庫内での自動搬送車も安全かつスムーズに作動させられるため、Wi-Fiで制御するよりも通信障害や遅延が起こりにくく、設備トラブルによる製造遅延のリスクを抑えて生産を続けられるでしょう。

テレワークの普及が加速する

2つ目は、テレワークの普及が加速することです。

新型コロナウイルスの影響などもあり、テレワークを導入する企業は増えています。5Gによる超高速な通信がどこでも利用できるようになれば、わざわざ職場に出勤して仕事を進める必要がなくなるでしょう。それによって移動にかかる費用や時間といったコストを削減できるため、より効率的な働き方が可能になり、企業の生産性を高めることにつながります。

多様な働き方に対応できる

3つ目は、多様な働き方に対応できること。

5Gの普及によってテレワークやリモートワークといった働き方が誰でもできるようになれば、子育て世代の人や介護をしている人など、自宅から離れられず仕事ができなかった人でも、会社に出勤せずに仕事を進められます。また、働く場所や時間帯も従業員のライフスタイルに応じて柔軟に選べるようになるため、仕事のストレスを最小限に抑えながら、生産性を高められるでしょう。

WEB会議をより快適に行える

4つ目は、WEB会議をより快適に行えること。

4GでもWEB会議を行って仕事を進めることは可能です。しかし、データ通信に遅延が生じてスムーズにコミュニケーションがとれなかったり、画質が悪くて文字やデザインを確認しづらいなど、通信品質の悪さがネックになることが多いです。

5Gでは4Kや8Kといったデータ量の多い通信を超高速で行えるため、今までとは比べ物にならないくらい質の高いWEB会議を実現できると言われています。それによって対面することなくビジネスを進められるため、移動費や移動時間を抑えながら生産性の高い仕事を行えるようになるでしょう。

自動運転の普及で移動コストが抑えられる

5つ目は、自動運転の普及で移動コストが抑えられること。

近年世界中で開発や普及が進んでいる自動運転。5Gが接続できる自動運転車が普及すれば、移動中に作業をしたりWEB会議ができるようにもなります。従来はドライバーが運転しながら仕事を進めることはできませんでした。しかし、自動運転技術が向上して移動コストが抑えられれば、より生産性の高い仕事ができるようになるでしょう。

5Gを仕事に取り入れる際の課題とは？

5Gを仕事に取り入れる際の課題

・5Gを導入するためのコストがかかる

・セキュリティリスクが高くなる

・人によってはうまく活用できないことも

5Gを仕事に取り入れる際の課題には、上記の3つがあります。働き方改革の推進に役立つとされる5Gですが、その特徴を仕事に活かすためにはこれらの課題を解消させなければなりません。ここからは、5Gを仕事に取り入れる際の課題について詳しく説明します。

5Gを導入するためのコストがかかる

1つ目は、5Gを導入するためのコストがかかること。

2020年3月から各大手通信キャリアが5Gのサービス提供を始めました。しかし、5Gを利用するためには5Gに対応した端末を用意しなければなりません。5G端末を手に入れるためにはある程度の費用がかかるため、仕事に導入しようとするとそれなりの予算が必要です。

また、業種や企業ごとの仕事の進め方によっては、スマートフォン以外にもさまざまなデバイスを用意しなければならないケースもあります。そのため、中には「コストがかかりすぎて5Gを導入できない」と判断する企業も出てくるでしょう。

セキュリティリスクが高くなる

2つ目は、セキュリティリスクが高くなること。

5Gが導入されると、身の回りのあらゆるモノがインターネットに接続されるようになると言われています。インターネットに接続されるモノが増えるほど、ハッキングや情報漏えいのリスクが高くなります。仕事に導入する機器ごとに強固なセキュリティを設定したり、ローカル5Gを導入して限定的なエリアのみ5G通信が行えるようにするなど、事業所ごとに対策を講じることが大切です。

人によってはうまく活用できないことも

3つ目は、人によっては5Gをうまく活用できないこと。

5Gを職場に取り入れて働き方改革を行うということは、5Gの特徴を活かした通信機器を扱える人材が必要になります。人によっては新たに導入された機器にうまく対応できず、かえって仕事の生産性が低くなることもあるでしょう。そのため事業者は、5Gを導入してどのように仕事を進めたいのか、従業員が5G機器をうまく活用できるかをあらかじめ考えておくことが大切です。

5Gが働き方改革に与える影響を知っておこう

ここでは、5Gがどのような特徴を持った通信技術なのか、5Gが働き方改革に与える影響や5Gを導入する際に知っておくべき課題について説明しました。多くの人が5Gを導入することで便利な働き方ができると考えているようですが、5Gを導入する際の課題も知っておかなければ、思ったように5Gのよさを感じられなくなるので注意が必要です。

ここで説明した内容を参考にして、5Gが今後どのように働き方改革に影響を与えるのかを考えながら仕事に取り組みましょう。