デジタライゼーションを推進するポイントとは?具体例もあわせて紹介
Contents
- デジタライゼーションについて知っておこう
- デジタライゼーションとは?
- デジタイゼーションとの違い
- デジタルトランスフォーメーションとの違い
- デジタイゼーションの具体例とは?
- RPA導入による業務効率化
- デジタル端末の導入
- IoTを導入して業務を自動化する
- ロボットを導入して効率的な業務を推進する
- デジタライゼーションを推進する方法とは?
- 顧客分析をおこない事業の課題を明確にする
- 最適な顧客体験を検討する
- 具体的な事業を企画し、実証する
- 各種課題を解決しプロジェクトを実行に移す
- デジタルトランスフォーメーションの具体例を紹介
- 空調システムの自動制御
- 自動運転技術の発展
- 渉外支援システムの導入
- デジタライゼーションをスムーズに進めるポイント
- デジタイゼーションとデジタライゼーションを同時進行する
- 既存サービスを柔軟に活用する
- 内製化できる部分は自社で取り組む
- まとめ
デジタル化は技術を導入するだけではなく、そこから生み出される付加価値を享受して初めて成功したといえます。そこで本記事では、デジタル化に際してよく使用される、デジタライゼーション・デジタイゼーション・デジタルトランスフォーメーションという間違えやすい3つの用語について解説するとともに、それらの具体例やポイントを説明します。
デジタライゼーションについて知っておこう
まずは、デジタライゼーションとは何か、そして業務のデジタル化とはどう違うのかを知っておきましょう。また、デジタライゼーションの先にある、デジタルトランスフォーメーションについてもあわせて説明します。
デジタライゼーションとは?
・DVDやCDのレンタル→月額サブスクリプションサービス
・自動車や建物の所有→カーシェアやシェアオフィスなど
デジタル技術は、利用者が全く異なる体験をするよう、ビジネスモデルごと変えてしまうような変化をもたらすことがあります。デジタライゼーションによる大きな変革は、市場での津陽競争力や差別化を推進させ、新しい価値を生み出すといわれています。
デジタイゼーションとの違い
・経費精算や勤怠管理を紙で管理する→クラウドシステムの利用
・Excelやpdf書類手入力・コピペ→RPA(Robotics Process Automation)
作業内容をデジタル化することで、限られた人員や資源を有効に使えるようになります。業務効率化の手助けとなりますが、デジタライゼーションと違ってビジネスモデル自体にはあまり影響しないため、作業自体は引き続き管理する必要性が出てきます。
デジタルトランスフォーメーションとの違い
IT技術が世の中のあらゆる場面に浸透してきている現代では、これまでのビジネス・モデルが見直され、新たなものに置き換わりつつあります。もちろんデジタイゼーションのように、現場の効率化・改善も大切ですが、会社方針や経営層として取り組むべき課題としてデジタルトランスフォーメーションが重要視されています。
デジタイゼーションの具体例とは?
以下では、ビジネスプロセスの変化である「デジタイゼーション」について、具体的にどのような事例があるのかを説明します。
RPA導入による業務効率化
膨大な作業量から解放された社員は、営業活動などよりクリエイティブな仕事に専念でき生産性が高まるため、多くの企業で積極的に採用されています。
デジタル端末の導入
デジタル端末の導入が推進されれば、働く場所にとらわれず柔軟な仕事の進め方ができるようになるでしょう。
IoTを導入して業務を自動化する
たとえば、製造業における機器の異常検知システムでは、生産ラインに設置されたセンサーでは、今まで人の感覚頼りであった作業をデータ化することで業務を効率化させています。ほかにも、農業や酪農といった場面においては、IoTを活用して気温などの条件にあわせた生育状況管理をしているところもあるようです。
ロボットを導入して効率的な業務を推進する
また介護業界では、高齢化による慢性的な人員不足や業務負担の増加が問題となっています。介護用ロボットを導入する施設では、入居者とのコミュニケーションをおこなうタイプや、介護士が着用して肉体的負担を軽減させるタイプなどさまざまな取り組みがなされているようです。
デジタライゼーションを推進する方法とは?
以下では、デジタライゼーションを推進するためには、一体どのようなステップがあるのか具体的な方法を解説します。
顧客分析をおこない事業の課題を明確にする
顧客分析の方法としては、行動や購買データを分析する定量分析、デプスインタビューなどの定性分析があります。デジタライゼーションを推進するためには、さまざまな観点から顧客分析をおこなわなければなりませんが、特に、以下の課題を明確にすることが重要だといわれています。
・顧客体験の課題
・事業そのものの課題
これらの課題は、業務効率化だけで解決するものではなく、より根本的な原因特定・改善が求められる部分です。簡単に方向性を見出せる課題ではありませんが、デジタライゼーションに向けて少しずつ検討していくことが大切になります。
最適な顧客体験を検討する
ターゲットとなる人物像を明確にするためにペルソナ設計をおこなうことは、最適な顧客体験を考えるうえで重要な手法とされています。また、カスタマージャーニーマップを作成し、顧客にどのような体験をしてもらうのが最適かを検討することも、デジタライゼーションを推進するためにおすすめの方法です。
具体的な事業を企画し、実証する
実際に企画を立案したら、テストマーケティングや概念実証(PoC)をすることで、より目的とする成果を得やすくなるでしょう。
各種課題を解決しプロジェクトを実行に移す
・インターフェースやチャネル(既存システムの改修・新規構築)
・情報システム(基幹システムの改修・外部サービスやクラウド・新規プラットフォーム導入)
・オペレーション(業務フロー変更・サービスのアップデート)
これらのステップを経て課題を解消させることで、デジタライゼーションが推進していくと考えらえます。
デジタルトランスフォーメーションの具体例を紹介
以下では、実際にデジタルトランスフォーメーションをおこない、会社の仕組みや働き方などのビジネスモデルを根本から変えた具体例を3つ紹介します。
空調システムの自動制御
店内に2~8台設置された温度センサーが室温を計測し、定められた設定温度を維持するよう空調を自動制御しているのが特徴。そこから得られたデータは蓄積されるとともに、各店舗の状況を本社がモニタリングも同時におこなっています。
このような空調システムの導入により、各店舗のスタッフが手動で温度操作をする必要がなくなり、利用開始時と比較して、6年後の使用電力が43%削減されたという実績を残しています。
自動運転技術の発展
技術的課題や法整備はまだ完全ではありませんが、完全自動運転が可能となると、自動車だけではなくバスや電車などの交通公共機関の姿も変わってくるでしょう。
渉外支援システムの導入
ある企業では、タブレット端末を使用することで、顧客準備においては資料作成、訪問先での資料プレゼン、顧客情報や営業状況の共有など、今までマニュアル作成・管理していたものをシステム化しています。事務作業をシステム化することで、渉外活動に専念でき、営業データを共有することで営業力を強化させることに成功しています。
このような仕組みを導入すれば、事務作業が苦手な社員や若手社員でも、高い営業成績が出せるようになるでしょう。
デジタライゼーションをスムーズに進めるポイント
ここからは、デジタライゼーションをスムーズに進めるポイントを詳しく説明します。
デジタイゼーションとデジタライゼーションを同時進行する
デジタイゼーションを進めながら、デジタライゼーションを起こすための組織や考え方を同時に検討すれば、業務を効率化させながらイノベーションを起こすきっかけをつくりやすくなるでしょう。業務効率化を促進する外部ソフトウェアなどを活用する一方で、コアとなる技術においては内製化しデジタライゼーションを実現する体制を取る、といった手法もよいかもしれません。
既存サービスを柔軟に活用する
企業独自に課題を解決しようとするのではなく、既存の外部サービスを柔軟に活用していくことも、デジタライゼーション推進のスピードを上げるひとつの方法です。近年、ZoomやMicrosoft Teamsなどのコミュニケーションツールを活用する企業も増えています。複雑なカスタマイズをおこなう必要がなく、システムに慣れるための時間もほとんどかからないシンプルさは、作業現場でこれからも歓迎されるでしょう。
内製化できる部分は自社で取り組む
コアとなるソフトウェア開発は自社内に抱えつつ、大まかな流れは既存のシステムに頼る、バランス感のある手法を実践することも大切になります。
まとめ
ここで説明した内容を参考にして、デジタル化を意識しながら、既存顧客の分析や事業課題の解決に向き合えるようにしておきましょう。