デジタライゼーションとは?具体例やデジタイゼーションとの違いも解説
2022/2/9
従来のビジネスや働き方が大きく変わっている現在において、デジタル技術を用いてビジネス・モデルを変革するデジタライゼーションの重要性が高まっています。デジタル化に関わる用語の意味だけではなく、企業での実例や推進のポイントを知っておきましょう。
Contents
- デジタライゼーションとは?
- デジタライゼーションの概要
- デジタイゼーションとの違い
- デジタルトランスフォーメーション(DX)との違い
- デジタライゼーションの具体例
- RPA導入による業務効率化
- デジタル端末の導入による業務効率化
- IoTやロボット導入による業務のオンライン化
- 電子契約導入による業務のオンライン化
- デジタライゼーションの企業事例
- 三井住友フィナンシャルグループの取り組み
- みずほフィナンシャルグループの取り組み
- 資生堂の取り組み
- デジタライゼーションを推進する方法とは?
- 顧客分析をおこない事業の課題を明確にする
- 最適な顧客体験を検討する
- 具体的な事業を企画し、実証する
- 各種課題を解決しプロジェクトを実行に移す
- デジタライゼーションをスムーズに進めるポイント
- デジタイゼーションとデジタライゼーションを同時進行する
- 既存サービスを柔軟に活用する
- 内製化できる部分は自社で取り組む
- デジタライゼーションを推進して業務の効率化をおこなおう
デジタル化は技術を導入するだけではなく、そこから生み出される付加価値を享受して初めて成功したといえます。そこで本記事では、デジタル化に際してよく使用される、デジタライゼーション・デジタイゼーション・デジタルトランスフォーメーションという間違えやすい3つの用語について解説するとともに、それらの具体例やポイントを説明します。
デジタライゼーションとは?
まずは、デジタライゼーションとは何か、そして業務のデジタル化とはどう違うのかを知っておきましょう。また、デジタライゼーションの先にある、デジタルトランスフォーメーションについてもあわせて説明します。
デジタライゼーションの概要
・DVDやCDのレンタル→月額サブスクリプションサービス
・自動車や建物の所有→カーシェアやシェアオフィスなど
デジタル技術は、利用者が全く異なる体験をするよう、ビジネスモデルごと変えてしまうような変化をもたらすことがあります。デジタライゼーションによる大きな変革は、市場での津陽競争力や差別化を推進させ、新しい価値を生み出すといわれています。
デジタイゼーションとの違い
・経費精算や勤怠管理を紙で管理する→クラウドシステムの利用
・Excelやpdf書類手入力・コピペ→RPA(Robotics Process Automation)
作業内容をデジタル化することで、限られた人員や資源を有効に使えるようになります。業務効率化の手助けとなりますが、デジタライゼーションと違ってビジネスモデル自体にはあまり影響しないため、作業自体は引き続き管理する必要性が出てきます。
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デジタルトランスフォーメーション(DX)との違い
IT技術が世の中のあらゆる場面に浸透してきている現代では、これまでのビジネス・モデルが見直され、新たなものに置き換わりつつあります。もちろんデジタイゼーションのように、現場の効率化・改善も大切ですが、会社方針や経営層として取り組むべき課題としてデジタルトランスフォーメーションが重要視されています。
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デジタライゼーションの具体例
以下では、ビジネスプロセスの変化である「デジタライゼーション」について、具体的にどのような事例があるのかを説明します。
RPA導入による業務効率化
膨大な作業量から解放された社員は、営業活動などよりクリエイティブな仕事に専念でき生産性が高まるため、多くの企業で積極的に採用されています。
デジタル端末の導入による業務効率化
デジタル端末の導入が推進されれば、働く場所にとらわれず柔軟な仕事の進め方ができるようになるでしょう。
IoTやロボット導入による業務のオンライン化
たとえば、製造業における機器の異常検知システムでは、生産ラインに設置されたセンサーでは、今まで人の感覚頼りであった作業をデータ化することで業務を効率化させています。ほかにも、農業や酪農といった場面においては、IoTを活用して気温などの条件にあわせた生育状況管理をしているところもあるようです。
また介護業界では、高齢化による慢性的な人員不足や業務負担の増加が問題となっています。介護用ロボットを導入する施設では、入居者とのコミュニケーションをおこなうタイプや、介護士が着用して肉体的負担を軽減させるタイプなどさまざまな取り組みがなされているようです。
電子契約導入による業務のオンライン化
デジタライゼーションの企業事例
三井住友フィナンシャルグループの取り組み
一つ目は「お客さまの利便性向上」として、非接触IC決済サービスを搭載したデビットカードを発行しています。また、カードの属性やカードの利用データをもとに、ユーザーが加盟店の近くを通ると、アプリにお得な情報がプッシュ通知で届く「ココイコ!」という集客サービスも提供しています。
二つ目は「新規ビジネスの創造」を目的に、生体認証のプラットフォームを提供する新会社を設立。また設備稼働を可視化するサービスの開発も行なっています。
三点目が「生産性と効率性の向上」で、RPAの導入による業務効率化を行なっています。またイントラネットやファイルサーバーに社外からアクセスできる、リモートワークに最適化したシステムづくりにも着手しています。
そして、最後に「経営インフラの高度化」として、計画が未達の課題があるとアラート表示する経営ダッシュボードの高度化や、課題箇所を商品や地域の絞り込むことで可視化することも行なっています。
みずほフィナンシャルグループの取り組み
スマホ決済サービスの「J–Coin Pay」の導入のほか、デジタル地域振興券の発行、ブロックチェーン技術を活用した「個人向けデジタル社債」の発行、AIを活用した健康保険組合向けコンサルサービス「Healstep」などが一例です。
また同時にサイバーセキュリティの強化にも積極的に取り組んでいます。
資生堂の取り組み
デジタライゼーションを推進する方法とは?
以下では、デジタライゼーションを推進するためには、一体どのようなステップがあるのか具体的な方法を解説します。
顧客分析をおこない事業の課題を明確にする
顧客分析の方法としては、行動や購買データを分析する定量分析、デプスインタビューなどの定性分析があります。デジタライゼーションを推進するためには、さまざまな観点から顧客分析をおこなわなければなりませんが、特に、以下の課題を明確にすることが重要だといわれています。
・顧客体験の課題
・事業そのものの課題
これらの課題は、業務効率化だけで解決するものではなく、より根本的な原因特定・改善が求められる部分です。簡単に方向性を見出せる課題ではありませんが、デジタライゼーションに向けて少しずつ検討していくことが大切になります。
最適な顧客体験を検討する
ターゲットとなる人物像を明確にするためにペルソナ設計をおこなうことは、最適な顧客体験を考えるうえで重要な手法とされています。また、カスタマージャーニーマップを作成し、顧客にどのような体験をしてもらうのが最適かを検討することも、デジタライゼーションを推進するためにおすすめの方法です。
具体的な事業を企画し、実証する
実際に企画を立案したら、テストマーケティングや概念実証(PoC)をすることで、より目的とする成果を得やすくなるでしょう。
各種課題を解決しプロジェクトを実行に移す
・インターフェースやチャネル(既存システムの改修・新規構築)
・情報システム(基幹システムの改修・外部サービスやクラウド・新規プラットフォーム導入)
・オペレーション(業務フロー変更・サービスのアップデート)
これらのステップを経て課題を解消させることで、デジタライゼーションが推進していくと考えらえます。
デジタライゼーションをスムーズに進めるポイント
ここからは、デジタライゼーションをスムーズに進めるポイントを詳しく説明します。
デジタイゼーションとデジタライゼーションを同時進行する
デジタイゼーションを進めながら、デジタライゼーションを起こすための組織や考え方を同時に検討すれば、業務を効率化させながらイノベーションを起こすきっかけをつくりやすくなるでしょう。業務効率化を促進する外部ソフトウェアなどを活用する一方で、コアとなる技術においては内製化しデジタライゼーションを実現する体制を取る、といった手法もよいかもしれません。
既存サービスを柔軟に活用する
企業独自に課題を解決しようとするのではなく、既存の外部サービスを柔軟に活用していくことも、デジタライゼーション推進のスピードを上げるひとつの方法です。近年、ZoomやMicrosoft Teamsなどのコミュニケーションツールを活用する企業も増えています。複雑なカスタマイズをおこなう必要がなく、システムに慣れるための時間もほとんどかからないシンプルさは、作業現場でこれからも歓迎されるでしょう。
内製化できる部分は自社で取り組む
コアとなるソフトウェア開発は自社内に抱えつつ、大まかな流れは既存のシステムに頼る、バランス感のある手法を実践することも大切になります。
デジタライゼーションを推進して業務の効率化をおこなおう
ここで説明した内容を参考にして、デジタル化を意識しながら、既存顧客の分析や事業課題の解決に向き合えるようにしておきましょう。