ARとVRの違いとは?活用事例や新たな技術をわかりやすく解説
2022/2/4
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この記事では、ARとVRについてと活用事例、そして2つの違いについてを詳しく解説します。また、これらの技術の総称であるXRについても紹介していきましょう。
ARとVRの特徴と違い
ARは「現実世界を仮想世界で拡張させたもの」
追加した情報はスマートフォンのアプリや、装着したゴーグルなどの電子端末、電子機器を通して確認することができます。例えば、水族館の中でスマホアプリに写した魚に、魚の名前や解説を表示させるようなことです。
また、スマートフォンを通してGPS情報から場所を認識し、アプリで周辺を写すと「ここに〇〇カフェがあります」といったようなスポット情報を表示できます。車で走っている道路について、この先が渋滞しているかどうかをリアルタイムに示すことも可能です。
VRは「仮想世界を現実のように感じさせるもの」
VRゴーグルでは360度全ての視界が遮られ、代わりに仮想世界の映像が表示されます。近年ではリモコン操作を追加することによって、仮想世界の中で自分が動き回ることもできるようになり、よりリアルに近い体験が可能になっています。
音楽ライブやゲームなどのエンターテインメント分野のほかにも、医療分野では遠隔地から手術を支援したり、観光分野では現地に行かずとも名所を見ることができたりするなどと、活用の場が広がっています。
ARとVRを融合させた試みもある
「Coolhobo胡罗舶」は、ARとVRとを組み合わせ、新鮮なショッピング体験を提供しているネットショップです。ユーザーはスマホアプリからVRで表現された店内を動き回り、ひとつひとつの商品情報はARによって示されます。
例えば、VRショップで手に取ったワインについて、ユーザーは産地や生産年数、どんな食事に合うかなどをARからの情報で詳細に知ることができるかもしれません。
ARとVRの活用事例を紹介
ARとVRはその性質の違いから、対応製品も異なります。ARはGPSとカメラを搭載しているスマートフォンやタブレット端末との相性が良く、アプリで多くのサービスが提供されています。また、ゴーグル型の機器のように、装着することでハンズフリーで操作できる端末もあります。
VRでは仮想世界に深く入り込むためのVRゴーグルのような、装着して体験する機器に対応製品が多くあります。VRを実現させるためのシステムはパソコンで起動させ、付属のコントローラーを使うことで、仮想世界の中で手やからだを動かすこともできるようになります。
(1)ARの活用事例
家具販売の小売店では、スマホアプリで部屋の中を映し出し、そこへARで仮想の自社製品の家具を表示させることで、購入後のイメージ作りに役立てています。大型家具も、ARでなら自分の部屋に置いた様子を手軽に確認可能。購入後に想像したイメージと違ってしまうといったようなことを、防ぐこともできるでしょう。
(2)VRの活用事例
また、海外の大手小売チェーンではVRゴーグルを活用して顧客対応や新しい商品、サービス知識を身につけるためのトレーニングを行っています。VRでなら危険の伴う事態を再現することも可能なこと、仮想現実での体験はより記憶に残りやすいことがメリットとなっています。
ARとVRを含む「XR」技術とは?
XRでは既存のARとVRのほかにも、MRやSRといった技術も登場してきています。さらにそれらを掛け合わせた提案もありますし、これからもXR分野はさらに発展していくでしょう。
XRとは、ARやVRなどの現実世界と仮想世界とを融合させる技術をまとめて呼ぶ用語です。「X」は未知数を表していて、現実をどこまで拡張でき、新しい体験を提供できるのかに期待が高まっています。
先に説明したARとVRとを融合したサービスなどでは、一概にARまたはVRといった区分では説明することは難しいでしょう。この先も技術開発により、新しい体験を実現する製品やサービスが登場すると予想されます。そのために、XRという汎用性の高い表現が必要なのです。
新しいXR(1)MR(複合現実)
複数のユーザーが同時に体験することが可能なため、ビジネスやエンターテインメントなどの多くの分野での開発競争が始まっているようです。
新しいXR(2)SR(代替現実)
SRでは世界の全てを3DCGで作る必要がないため、VRと比較すると制作費がかからないメリットがあります。実験段階の分野のようですが、将来は人間の認知や心理システムに関わる実験にも使われると期待されています。
ARやVRの違いを知ったうえでXR技術の発展に期待しよう
XRに関連する製品やサービス開発は、世界中の多くの企業で取り組みが続いています。仮想現実によって、現実世界がどのように拡張されるのか。私たちが驚くような新体験ができる日も、近いのかもしれません。