パンケーキスワップ(PancakeSwap)とは?具体的な使い方や始め方の手順と価格変動のリスクを解説
2022/12/26
パンケーキスワップは分散型取引所(DEX)の一種です。スマートコントラクト技術を活用して、ユーザー同士で取引ができます。ファーミングなどの機能を有し、トークンを預け入れることで報酬を受け取ることも可能です。今回はパンケーキスワップの特徴や始め方、将来性を解説します。
Contents
- パンケーキスワップ(PancakeSwap)とは
- パンケーキスワップの特徴
- 分散型取引所(DEX)の一種
- ウォレット接続だけで使える
- 仮想通貨CAKEを採用している
- ガス代(取引手数料)が安い
- セキュリティ性が比較的高い
- 覚えておく必要のある用語
- パンケーキスワップ利用時のリスクや注意点
- インパーマネントロス(変動損失)の懸念がある
- 上場していないマイナーな通貨も流通している
- サービスに対して金融庁の認可が下りていない
- パンケーキスワップの始め方や使い方
- 国内取引所の口座を開設する
- 国内取引所で仮想通貨を購入する
- 海外取引所の口座を開設する
- 海外取引所へ仮想通貨を送金する
- BNB(バイナンスコイン)を購入する
- ウォレットのMetaMaskを作成する
- MetaMaskにBNBを送金する
- パンケーキスワップにMetaMaskを接続する
- BNBを任意のトークンにスワップする
- LPトークンを預けてCAKEを獲得する
- パンケーキスワップの将来性
- CEXの信用不安からDEXの利用が増える
- パンケーキスワップの強さは今後もしばらく続いていく見込み
- パンケーキスワップ(PancakeSwap)に関するQ&A
- Q.スマホでも使える?
- Q.手数料負けの意味は?
- Q.未成年でも利用できる?
- まとめ
ブロックチェーン技術のひとつであるスマートコントラクト(自動契約プログラム)によって、管理者を介さなくても取引ができます。
また、パンケーキスワップ内のファームにトークンを預け入れることで、仮想通貨のCAKE(ケーキ)を報酬として受け取れ、資産を運用することも可能です。
本記事では、パンケーキスワップの特徴や始め方、将来性について解説していきます。
パンケーキスワップ(PancakeSwap)とは
取引の方法は、AMM型(自動マーケットメーカー)を採用しています。
これにより契約までの時間を短縮でき、スムーズな取引を可能にしています。また、取引にかかるコストも下げられ、ユーザーにとってメリットが大きい特徴もあります。
また、仮想通貨の保管は取引所の管理下ではなく、メタマスクをはじめとしたウォレット接続のみで取引するため、ユーザーに資産の管理が委ねられています。
したがって、取引所へのハッキングによる資金流出などのリスクを軽減でき、セキュリティ性が比較的高いといえます。
パンケーキスワップの特徴
仮想通貨の取引においてリスクを軽減したり、ミスを防いだりするために重要なポイントです。1つずつ確認しておきましょう。
分散型取引所(DEX)の一種
分散型取引所はブロックチェーン上に構築されており、スマートコントラクト技術を駆使して、契約や取引記録の管理を自動で行います。
したがって、仮想通貨の取引をするときは仲介者が介入することはなく、ユーザー間でピアツーピア(P2P)の取引が可能です。
ウォレット接続だけで使える
しかし、パンケーキスワップなどの分散型取引所は口座開設する必要がなく、ウォレットを接続するだけですぐに利用可能です。
氏名や住所、本人確認書類など個人情報の提示が必要ないため、プライバシーが守られ安全に取引ができます。
保有する仮想通貨は、あくまでユーザーのウォレットで管理され、取引所の管理ではありません。よって、秘密鍵やシードフレーズは厳重な保管が必要です。
仮想通貨CAKEを採用している
CAKEは取引所で購入できますが、パンケーキスワップ内にあるファームに特定の仮想通貨を預けることで、CAKEを獲得することも可能です。
パンケーキスワップでは、CAKEを一定の期間保持するステーキング機能があるため、保有していながら利益も得られます。
また、CAKEはビットコインのように発行枚数の上限が決められていません。
発行されすぎると通貨の価値が下がってしまうため、定期的にCAKEを焼却(バーン)して流動性を調整し、価値を一定に保つようにしています。
ガス代(取引手数料)が安い
一方でイーサリアム系のブロックチェーンは、スケーラビリティ問題(容量などの障害)により、データ遅延やガス代の高騰が問題視されています。
また、分散型取引所の仕組み上、中央管理者などの仲介手数料が取られずコストをかけず取引ができます。
セキュリティ性が比較的高い
したがって、世界に分散されたサーバーが一度にハッキングされることは考えにくく、セキュリティ性が比較的高いと言えます。
仮想通貨のウォレットはユーザーが管理しており、不測の事態が発生した場合でも取引所と切り離せる点も安全性が高いと言えるでしょう。
また、ブロックチェーンのセキュリティー企業である「CertiK」によって監査・保護されているため、セキュリティが強固であることが伺えます。
覚えておく必要のある用語
用 語 | 意 味 | 特 徴 |
Swap(スワップ) | ・保有する仮想通貨を別の仮想通貨に交換(スワップ)すること | ・スワップ時にガス代がかかる・スワップした仮想通貨が価格上昇すれば利益を得られる |
LPトークン | ・流動性提供者(Liquidity Provider)・プールに仮想通貨を預けることで、流動性に貢献した証明として受け取るトークンのこと | ・2種類の仮想通貨を預け入れると、LPトークンが受け取れる・LPトークンを配布することで、流動性を高く保つことができ、ユーザーを確保できる |
ステーキング | ・保有している仮想通貨を一定の期間保持すること・プールでステーキングすることでCAKEなどのトークンを獲得できる | 2種類のステーキング・フレキシブルステーキング:いつでも引き出せる(利回り低い)・ロックステーキング:一定期間引き出せない(利回り高い) |
ファーミング | ・ファームに同じ価値の2種類のトークンを預けて流動性を供給し、その報酬として利息を得られる仕組みのこと | ・ファーミング時にガス代がかかる・2種類のトークンを1:1の割合で預け入れる・マイナーな通貨は利回りが高い |
流動性マイニング | ・流動性を提供して受け取ったLPトークンをさらに預けて、CAKEトークンを受け取ること | ・ファームでCAKEが貯まったら収穫する・収穫のたびにガス代がかかる |
基本的には、保有している仮想通貨を任意の仮想通貨にスワップさせ、ファーミングで預け入れるといった運用方法が一般的な使い方です。
ただし、すべての取引時にガス代(取引手数料)がかかるため、BNB(バイナンスコイン)を準備しておく必要があります。
パンケーキスワップ利用時のリスクや注意点
・インパーマネントロス(変動損失)の懸念がある
・上場していないマイナーな通貨も流通している
・サービスに対して金融庁の認可が下りていない
パンケーキスワップはウォレット接続だけで使えて、手数料も安いといったメリットがある一方で、リスクや注意点もあります。
ただし事前に知っておけば、過度に恐れる必要もないので、この機会に覚えておきましょう。
インパーマネントロス(変動損失)の懸念がある
ファーミングは1:1の割合で通貨を預ける必要があり、一方の通貨が価格変動すると1:1を保持しようとします。
それにより、2種類の通貨間で自動的に枚数が調節されることで損失が発生し、単にトークンを保有していた方が資産が増えていたという状況になります。
インパーマネントロスを防ぐためには、ステーブルコイン(法定通貨と連動した通貨)とペアにすることが重要です。比較的価格の安定したステーブルコインを用いることで、価格変動を抑えやすくなります。
上場していないマイナーな通貨も流通している
マイナーな通貨は取引量が少なく価値が低いため、大量に購入して保有することも可能です。
しかし、仮想通貨のプロジェクトによってはサービスが終了する可能性もあり、その見極めが重要になってきます。
過去に価値が数万倍になった事例もありますが、逆に暴落するリスクも避けられないため、慎重に取引するようにしましょう。
サービスに対して金融庁の認可が下りていない
一方、国内の取引所は「暗号資産交換業者」に登録されており、金融庁の認可が下りています。
認可を受けている取引所であれば、トラブルが発生しても問い合わせ窓口があり安心です。
しかし、パンケーキスワップなどの分散型取引所は管理者が存在しないため、トラブル対応はユーザー自身で解決しなければなりません。
仮想通貨の送金ミスにも注意が必要です。アドレスの入力ミスで仮想通貨を送金した場合、その資金はまず返ってこないと考えた方がいいでしょう。
パンケーキスワップの利用について問題が起きた場合は、Discordというツールを使うことでユーザー同士で質問することが可能です。
パンケーキスワップの始め方や使い方
1. 国内取引所の口座を開設する
2. 国内取引所で仮想通貨を購入する
3. 海外取引所の口座を開設する
4. 海外取引所へ仮想通貨を送金する
5. BNB(バイナンスコイン)を購入する
6. ウォレットのMetaMaskを作成する
7. パンケーキスワップにMetaMaskを接続する
8. BNBを任意のトークンにスワップする
9. LPトークンを預けてCAKEを獲得する
順番に解説していきます。
国内取引所の口座を開設する
メールアドレス登録
基本情報の入力
本人確認書類の提出
二段階認証の設定
口座開設が完了すれば、最短即日で利用ができます。
国内取引所で仮想通貨を購入する
購入先は「販売所」と「取引所」があります。販売所はスプレッドという実質的な手数料が高く設定されている場合が多いため、コストを抑えるならば「取引所」で購入するのがおすすめです。
今回は、送金スピードが早いXRP(リップル)を取引所で購入します。
成行注文
指値注文
すぐに購入したい場合は、相場価格で取引できる成行注文を選択します。
指値注文は、取引が成立するまで時間を要することがあるため、注意が必要です。
海外取引所の口座を開設する
Bybit
KuCoin
Gate.io
※2022年12月現在、Binanceは日本の新規ユーザーを停止しています。
メールアドレス登録
携帯電話番号の設定
二段階認証の設定
本人確認書類の提出(任意)
日本の取引所とは異なり、個人情報を入力しなくても口座開設ができます。
セキュリティを強固にするため、必ず二段階認証の設定をしておきましょう。
海外取引所へ仮想通貨を送金する
まず、海外取引所の「入金」から、XRPアドレスとタグを確認しコピーしておきます。
送金アドレスを間違えて入力してしまうと、送金を実行しても受け取りができません。
まずは少額で送金して、受け取りが確認できてから予定額を送金しましょう。
BNB(バイナンスコイン)を購入する
先ほど送金したXRPを売却し、USDTを獲得します。
成行注文
指値注文
すぐにBNBを購入したければ、相場価格で購入できる成行注文を選択しましょう。
ウォレットのMetaMaskを作成する
MetaMaskは、Webブラウザ「Chrome」の拡張機能からインストールして作成が可能です。
ロックパスワード
シークレットリカバリーフレーズ
個人情報や本人確認の必要はありません。
MetaMaskは世界で3,000万人以上が利用するメジャーなウォレットです。日本語にも対応しており、初心者でも直感的に使用できます。
MetaMaskにBNBを送金する
まず、MetaMask内にBSCに対応したネットワークを追加しましょう。
一覧に表示されない場合は、以下の情報を入力すれば作成可能です。
ネットワーク名 | BSC mainnet |
RPC URL | https://bsc-dataseed.binance.org/ |
チェーンID | 56 |
通貨記号 | BNB |
ブロックエクスプローラーのURL | https://bscscan.com/ |
パンケーキスワップにMetaMaskを接続する
パンケーキスワップはMetaMaskを接続するだけで、仮想通貨の取引やファーミング機能を利用できます。
BNBを任意のトークンにスワップする
流動性にトークンを預けるためには、2種類の通貨を1:1の割合で保有する必要があります。
したがって、MetaMaskに保有しているBNBを任意のトークンにスワップしましょう。
BNBを100%スワップしてしまうと、BNBが不足してしまうため注意が必要です。
今回は、BNBをBUSDにスワップします。
なお、取引の際にはガス代が必要になるため、BNBを多めに保有しておくことをおすすめします。
LPトークンを預けてCAKEを獲得する
まず、MetaMaskにLPトークンが保有されているかを確認します。
MetaMaskからBscScanを起動
LPトークンのコントラクトアドレスをコピー
MetaMaskの「トークンをインポート」を選択
コントラクトアドレスを入力してLPトークンを確認
収穫のたびにガス代がかかるため、ある程度CAKEが貯まった時点で収穫しましょう。
パンケーキスワップの将来性
CEXの信用不安からDEXの利用が増える
パンケーキスワップの強さは今後もしばらく続いていく見込み
ここではパンケーキスワップの将来性について解説します。
金融関係では比較的新しいサービスですが、すでに利用者が多くいることが分かる内容です。
将来性について気になる方は、チェックしておきましょう。
CEXの信用不安からDEXの利用が増える
2022年11月に大手の海外取引所であるFTXの経営破綻が報じられました。取引所が破綻すると、取引所で保有していた資産を回収できない可能性があります。
資産を分別管理しているCEXが多くなってきたのは事実ですが、銀行のように預金が保護されていないのが現状です。
そういったCEXの信用不安からパンケーキスワップなどのDEXへの注目が高まっています。
DEXは中央管理者が存在しないため、取引所の倒産リスクはありません。ユーザー自身がウォレットを厳重に管理すれば資産を失うこともないでしょう。
パンケーキスワップの強さは今後もしばらく続いていく見込み
2022年12月現在、パンケーキスワップの預かり資産は、1位の29.2億ドルです。次に多いヴィーナスプロトコルは、7.4億ドルと2位以下に大差をつけていることがわかります。
DEX全体をみるとユニスワップなどのイーサリアムチェーンの需要が高いのも事実としてありながらも、パンケーキスワップは他のDEXよりも手数料が安く、乗り換えによる需要も高まっているため、今後も需要は伸びていくと予想されます。
また、パンケーキスワップではロードマップが公開されています。
パンケーキスワップ(PancakeSwap)に関するQ&A
Q.スマホでも使える?
Q.手数料負けの意味は?
Q.未成年でも利用できる?
Q.スマホでも使える?
MetaMaskアプリ内にある「ブラウザ」から、パンケーキスワップのサイトにアクセスして使用します。
Q.手数料負けの意味は?
パンケーキスワップのBNBチェーンは手数料が安い特徴があるため、手数料負けをする可能性は低いと言えるでしょう。しかし、取引のたびにガス代がかかるため、取引回数が多くなると手数料負けすることもあります。
「ある程度利益が出た」「損失が出たから損切りしたい」といったタイミングで取引するのをおすすめします。
Q.未成年でも利用できる?
ただし、仮想通貨の取引をするためには取引所で口座開設する必要があり、国内取引所の多くは18歳以上の方しか利用できません。
海外取引所の中には年齢制限がないところもありますが、海外で仮想通貨を購入するにしても、結局のところ国内取引所で仮想通貨を購入して送金する必要があります。
親の名義で口座開設をして親の管理下であれば利用することも可能です。
しかし、仮想通貨の投資リスクや詐欺については、十分に理解しておく必要があるでしょう。
まとめ
パンケーキスワップは、ファーミングやステーキングといった仮想通貨を預け入れる仕組みが充実しており、大きな利益を得る可能性もあります。
DEXの中でも取引量が上位に位置付けられており、今後の成長も期待できることから、今のうちに利用してみる価値は十分にあるといえるでしょう。