中国最前線

あえて国内市場に目を向けない!? 中国企業の成功例から学ぶ海外戦略【中国デジタル企業最前線】

国をあげたデジタル化の推進により、デジタル社会の実装が急速に進展した中国。大胆なデジタルシフトを推し進めることで国内はもちろん国外でもシェアを伸ばし、世界的な躍進を果たす企業がある一方で、はじめから国外市場をターゲットに定めることで、成功している企業が現れています。今回は、あえて国内市場には目を向けない戦略で成功を収めた中国企業の事例から、日本企業の海外戦略として学べる点を探ります。

ざっくりまとめ

- 中国のファストファッション「SHEIN」は激戦区の中国国内市場をターゲットにせず、欧州、アメリカ、中東を中心にしつつ、日本にも進出。徹底したローカライズでシェアを伸ばしている。

- 中国の伝音科技が手がけるスマートフォンブランド「TECNO」は、アフリカ市場で圧倒的なシェアを握っている。そこには SHEINと同じ、現地のニーズを反映させたローカライズ戦略がある。

- 海外展開に必要なのは、自国のトレンドに固執せず、その国の文化や風習を理解する姿勢。

中国企業がはじめから国外市場をターゲットに定める理由

今や世界的な大企業となったBATやTMD(※1)。いずれも国内市場で成長し、海外展開へと拡大してきました。近年、中国企業のなかには当初から国外市場にねらいを定め成長を図る企業が現れています。こうした背景には、国内市場は大手企業が独占しており、新規参入が難しいと判断して、国外市場に成功の場を求めていることが挙げられます。

例えば、中国のEC市場は世界トップクラスの規模を誇るマーケットです。2021年に経済産業省が発表した報告書によると、2020年のEC市場規模は中国が2兆2,970億ドルで1位、2位のアメリカは7,945億ドル、日本は1,413億ドル、と中国が突出していることが分かります。その中国のEC市場でシェアを獲得しているのがアリババグループの「天猫」、テンセントグループの「京東商城」や「拼多多」といった世界でも有数の企業たちです。こうした大企業がすでにマーケットに根付いており、新規参入する企業は技術力や資金力、人材力など、さまざまな要素でより激しい競争をする必要があります。成熟したマーケットで大手企業と競争することを避けた企業が、国外に活路を見出しているのです。

また、中国政府がインターネットによる統制管理のトラブルを防ぐために定めた、インターネット領域に特化した法律および許可制ライセンスなどの政策による影響もあります。ECに特化した法律「中華人民共和国電子商務法」などではECプラットフォームの経営者や、出店する企業の経営者などにいくつもの義務が課せられています。また、Webサイトを開設する際にはICP(Internet Content Provider)という中国独自の制度に登録が必要になります。ほかにも外資規制政策により、事業を開始する場合は各種登録およびICPライセンスを取得しなければなりません。外国企業が事業に参加する条件が厳しいだけではなく、海外資本からの資金調達も難しいため、従来のVIE(Variable Interest Entities)モデル(持分変動事業体)も益々規制が厳しくなっています。このように、事業をスタートするためのハードルが高いことも、国外市場で事業展開する企業が出てきている要因の一つとなっています。

※1 BAT:B=バイドゥ、A=アリババ、T=テンセント
TMD:T=トウティアオ(バイトダンス)、M=メイトゥアン、D=ディディ

世界を席巻、中国発のファストファッション「SHEIN」の脱・中国戦略

実際に、海外進出を主軸に躍進を続けている中国企業を紹介します。アプリ分析プラットフォーム「Apptopia」の調べによると、2022年世界で最もダウンロードされたECアプリは中国江蘇省南京市に拠点を置くファストファッションのEC「SHEIN(シーイン)」で、2億2,900万回ダウンロードを記録しています。(2021年:1億9000万回ダウンロード)2008年に中国で設立されたSHEINは、欧州、アメリカ、オーストラリア、中東を主な市場とし、150以上の国と地域で展開しています。近年は日本でもZ世代を中心に高い人気を博しています。開示情報によると2021年度の売上高は157億USD(2021年平均レートにより約1.7兆円)で、2022年度は上半期だけで売上高が160億USD(2022年平均レートにより約2.1兆円)に達し、ファーストリテイリングの2022年8月期決算で売上収益が約2.3兆円だったことと比較しても事業規模の大きさが分かります。また、2022年11月に東京・原宿でオープンした常設のショールーミング型店舗「SHEIN TOKYO(シーイン トーキョー)」は、オープン時に4,000人が並ぶなど大きな話題を集めました。
SHEINの戦略で特徴的なのは、2014年のサービス開始以来、中国には目を向けず、国外市場のみにフォーカスし続けていることです。中国市場はアリババを始め、 「ZARA」や「H&M」といった海外ファストファッションブランド、日本のユニクロ、ワールド、オンワードなども進出しているファッション激戦区です。そんなレッドオーシャンをあえて外して他の地域に進出し、徹底したローカライズでシェアを拡大しています。その結果、2020年度のSHEINの北米と欧州エリアの売上は全体売上の75%を占めます。残り25%の内訳は南米10%、東南アジア+ロシア+日本8%、中東7%、中国0%となっています。
出典元:中泰証券研究所の会員向けのSHEIN証券レポート
SHEINの運営会社は 早ければ2024年中に米国で上場するといわれています。ブルームバーグの報道では評価額が1,000億USD(約13兆円)と伝えられていますが、いわゆる「ヘクトコーン企業(評価額1,000億USD超の未上場企業)」は、中国ではTikTok運営元のバイトダンスとアリババ系フィンテック企業アントグループの2社のみです。また、この1,000億USDという評価額は、H&MとZARAの時価総額を合計した約820億USD(約10兆7000億円)を超える規模です。

その国の文化や習慣に合わせた徹底的なローカライズ

SHEINの成功において、最も重要な鍵といえるのは中国発の企業という考え方を取り払い、現地の企業として、その国や地域のやり方で展開する「徹底的なローカライゼーション」でしょう。モバイルアプリ調査会社「App Annie(現data.ai)」と「Sensor Tower」の発表によると、2021年5月17日時点で、SHEINは世界54カ国・地域のiOSアプリで1位、13カ国・地域のAndroidアプリで1位となり、米国ではiOS・Androidの両方でAmazonを抜いて圧倒的1位になりました。

各地域の属性が異なる消費者のニーズに合わせて、現地の文化や流行、スタイルに合った製品を提供しています。例えば、アメリカはセクシーテイストなファッション、サウジアラビアでは現地民俗と宗教を意識した脚を見せないコンサバティブなロングドレス、日本では女子大生風キャンパススタイルといった具合に、国ごとにローカライズの特徴があります。
アプリ画面(左から、米国、サウジアラビア、日本、フランス)

アプリ画面(左から、米国、サウジアラビア、日本、フランス)

出典元:SHIENアプリより
もう一つの成功の鍵は「ビッグデータと供給連鎖管理」にあります。ビッグデータを活用することで各地の流行や購買動向、マーケティングを分析するとともに、供給連鎖管理で製造から販売までの工程を効率化することで、短期間での商品開発を実現しています。中泰証券研究所の会員向けレポートによると、SHEINが2021年の10月にリリースした新商品は21万SKU(※2)でした。つまり、毎日約7,000SKUにおよぶ新商品をリリースしたことになります。これは日本のアパレル企業では見たことがない数字ではないでしょうか。2021年度の新商品リリースは、全部で約66万SKUにも上りました。これらの新商品すべてに完璧な商品写真とモデル写真があり、細かい画像処理も施されています。
出典元:中泰証券研究所の会員向け、SHEIN証券レポート
日本のアパレル企業、とりわけファストファッションがSHEINから学べる点はローカライズのうまさです。展開する市場が異なれば、デザイン、色、素材などの好みも異なります。「自国ではこれが流行っているから」という日本基準のデザインの商品をそのまま海外でも販売するのではなく、その国や地域の傾向を加味して自社のブランドのオリジナル商品を展開することが大切です。

中国は国土が広いので同じ季節でも地域によって気候が大きく異なります。例えば、10月であれば、南部の広東省、福建省、海南島などは気温が30度を超える日もあり、まだ夏物の商品が販売されていて秋物の商品の販売やマーケティング施策がスタートする時期です。しかし、北部の黒龍江省、吉林省、遼寧省などは気温が10度を下回ることもあり、ダウンコートなど冬物の商品の販売シーズンになっています。このように当然ながらマーケティングはすべての地域ごとにローカライズする必要があります。SHEINのようにローカライズのうまさを感じる日本ブランドは「ユニクロ」と「無印良品」です。

※2 SKU(stock keeping unit):ストック・キーピング・ユニットの略語。在庫管理における、単品単位のこと。例えば、3色、4サイズ(S、M、L、XL)を展開する商品は、SKUは12となります。

アフリカで圧倒的なシェアを有する、知られざる中国企業

もう一つの事例として、徹底したローカライズでアフリカ市場を席巻している、中国のスマートフォンメーカーを紹介します。数年前からスマートフォンのグローバル出荷台数ランキングに、SamsungやApple、HUAWEIと並んで上位にランクインする伝音科技(Transsion)という中国のメーカーがあります。中国人でもほとんど知る人がいないメーカーですが、実はアフリカのスマートフォン市場のシェアでトップを走る企業です。Counterpoint Research のレポートによると、2021年度のスマートフォンのグローバル出荷台数は1位がSamsungの2億7,200万台、2位がAppleの2億3,570万台、3位が伝音科技の1億9,700万台となっています。
出典元:https://baijiahao.baidu.com/s?id=1725995981851947276&wfr=spider&for=pc
伝音科技もSHEINと同様、競争の激しい中国市場ではなく、アフリカを主とした発展途上国市場にねらいを定めた戦略を取りました。アフリカ人のニーズを反映させたスマートフォンブランド「TECNO(テクノ)」は、以下のような特徴を持っています。

・アフリカは停電が頻発するため全機種に高速充電機能を搭載。
・黒人の皮膚に特化して美しく見せる撮影技術を搭載。
・アフリカ人は歌とダンスが好きな人が多いため、外付けスピーカーのような大音量放送が可能な内蔵スピーカーを搭載。
・ユーザー数は4,000万人以上といわれているサブスク型音楽ストリーミングサービスの「Boomplay」を開発・導入。
・アフリカ版TikTokといわれ、アフリカ全土で利用されている「Vskit」を導入。
黒人の皮膚に特化して美しく見せる撮影技術のイメージ

黒人の皮膚に特化して美しく見せる撮影技術のイメージ

Vskitの画面

Vskitの画面

出典元:https://baijiahao.baidu.com/s?id=1683575353991425873&wfr=spider&for=pc
伝音科技はスマートフォンが普及する以前のアフリカ市場に目をつけ、アフリカ市場に特化したローカライズ版スマートフォンをいち早く投入することで、「2人に1人は使っている」レベルの圧倒的な首位を独走中です。研究チームを組織し、アフリカ人に好まれる機能を開発・導入することで成功を収めています。アフリカ向けの特別なローカライズが施され、安くて性能がよいTECNOのスマートフォンは、SamsungやApple、HUAWEI でもその地位を揺るがすことは難しいでしょう。

日本企業が学ぶべき点は、その国の文化や風習を理解したローカライズの徹底

SHEINと伝音科技の2社に共通するのは、自国のマーケットを飛び越えて国外市場にフォーカスしている点です。そして、その国・地域の特徴やニーズを掴み、ローカライズを徹底することで圧倒的なシェアを占めることに成功しています。

日本企業の多くは、海外マーケットを国内市場の延長として捉えている節があります。国内市場で成功したらそのまま海外展開する、というようにビジネスのやり方を大きく変えることなく海外進出してしまい、現地の課題や悩みに適しておらず、特徴やニーズを掴みきれていない企業が多いように感じます。しかし、海外展開に必要なのは過去の成功体験を捨て自国のトレンドに固執せず、その国の文化や風習を理解する姿勢です。文化的な背景、価値観、言語、所得など、さまざまな要素が日本と異なれば、特徴やニーズも当然異なります。そのためには日本で成功を収めたとしても、まったく同じやり方が海外でも成功するとは限らないと理解し、その国や地域の課題や悩みが何かを考え、ビジネスを見つめ直すことが必要です。そうした点においてSHEINと伝音科技のローカライズ戦略には、日本企業が参考にすべき点が多くあるでしょう。
李 延光(LI YANGUANG)
株式会社デジタルホールディングス 中国事業マネージャー兼グループ経営戦略部事業開発担当
天技营销策划(深圳)有限公司 董事総経理

2004年来日、東京工科大学大学院アントレプレナー専攻修了。IT支援やコンサルティング、越境EC、M&Aなど多岐にわたって従事したのち、2011年に株式会社オプト(現デジタルホールディングス)に入社。2014年より中国事業マネージャー兼中国深圳会社董事総経理を務める。日中間の越境ECの立ち上げ、中国政府関係及びテクノロジー大手企業とのアライアンス構築、M&Aマッチング、グループDX新規事業の立ち上げなどを担当。

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