DX戦略

「肌に触れられない」コロナ時代、美容接客はどう変わっているのか。ポーラがオンラインカウンセリングの先に見据えるデジタルシフトとは

首都圏を中心とするポーラショップでは、6月からZoomを活用したオンラインカウンセリングを開始しています。創業以来「人と人とのつながり」を重視し、対面販売を通じて美容のアドバイスやサービスを提供してきた同社が、オンラインカウンセリング導入に踏み切った背景にはどのような思いがあったのでしょうか。

導入してみて分かったメリットや課題、今後のデジタル活用の展望について、国内事業のデジタルシフトを推進する小池章仁氏と、導入店舗のひとつ「ポーラ ザ ビューティー中目黒店」のマネージャー・新井里美氏にお話をうかがいました。

ざっくりまとめ

- コロナ以前からデジタル活用を模索してきたが、本社だけでなく支店からもオンラインカウンセリングの要望があり、導入を開始
- オンラインカウンセリングの導入目的を経営トップからメッセージとして発信
- オンラインカウンセリング導入は想定以上のペースで進み、現在1,200以上の店舗でオンラインカウンセリング実施中
-お客様のお肌に触れられない、化粧品のテクスチャを試せない難しさもあるが、ご予約時にサンプル送付するなど工夫している
- オンラインカウンセリングを利用するのは20〜40代が中心
- 新規顧客の獲得に課題も、さまざまな打ち手の組み合わせで克服を目指す
-コロナ後に向け、コミュニケーションだけでなく販売チャネルを融合させていく必要性も

かねてより検討のオンラインカウンセリング。コロナ禍で支店からの要望が加速、実施へ

―ポーラというブランドは、人が介在して商品を販売することを大切にしてきたと思います。人と距離をとらなくてはならなくなった新型コロナウイルスの影響をどう捉えましたか。

小池:今のような社会状況になるずっと前から、「事業全体の中でデジタルをいかに活用していくか」を模索してきました。これはコミュニケーションのデジタル化に限らず、営業支援やバックヤードも含め、事業全般におけるデジタル活用です。

一方で、TB(トータルビューティー)事業部は、以前は訪問販売を主たる営業手法にしてきたこともあり、お客様とお話して肌に触れ、一人ひとりと向き合うことを非常に大事にしてきました。ポーラからの一方的な発信ではなく、販売員(ビューティーディレクター)が介在する双方向のコミュニケーションこそが、ポーラの強みです。

したがって、お客様と直接対面できないとなった時に、双方向でやりとりできるWeb会議ツールの活用は必然的に視野に入りました。

それと同時に、世の中が「新しい生活様式」へ移行しようとする中、私たち本社だけでなく、首都圏のショップを統括する支店からもオンラインカウンセリングを始めたいという案が出てきました。それならば「ぜひやろう」と、詳細の検討を始めました。

―導入はどのようなプロセスで行われたのでしょうか。

小池:4月下旬頃に社内でトレーニングをし、5月に緊急事態宣言が解除された後に、店舗でテストを実施しました。

正式リリースは6月です。当初は、首都圏を中心とする250のポーラショップでの導入を皮切りに、9月までに1,000店舗への導入を目標に始めました。しかし蓋を開けてみれば、10月1日現在で全国約4,000店舗のうち1,227店舗にまで増え、予想を上回るペースで拡大しています。

目的はお客様と新たなコミュニケーションを構築すること。まず経営トップがメッセージを発信

―ビューティーアドバイザーの方々には、どのように展開していったのですか。

小池:まず、前提となる「考え方」を伝えました。コロナがきっかけではあるけれども、コロナ対応のために仕方なく取り入れるのではないこと。導入の目的は、お客様との関係性を高めるためであり、お客様との新しいコミュニケーションを構築すること。コロナ収束後も引き続き活用していく予定であること。これらを経営トップからのメッセージとして発信しました。

―具体的なノウハウについてはいかがですか。

小池:オンラインカウンセリングで行うのは、1対1のカウンセリングや、複数名のお客様に対してのレッスンなどです。これらは、いつもはリアルでやっていることですから、素地はすでにあります。したがって、オンラインならではの留意点や細かい工夫を、まずは動画で展開して学んでもらいました。

新井:私たちの店が所属するグループのオーナーの掛け声で、自主的な研修会を行いました。新しい試みをするに当たり、始めたばかりの新人さんなど不安に思う人もいますから、そうした方たちも含めて毎日必ず誰かとオンラインでつながり、取り残される人をつくらないことを目的に、皆でカリキュラムを作成して研修会を実施しました。

講師は、必ずしもベテランが務めるわけではなく、経験が浅い人が講師になることもありました。毎日Zoomでつながって教え合う中で、カウンセリングを「受ける」立場を体験し、オンライン特有の「伝え方」を学べたことは大きかったと思います。

難しいこともあるが、オンラインだからこそのメリットも

―オンラインカウンセリングでは、具体的にはどのようなことをするのでしょうか。

小池:今回始めたのは、1回30分、事前予約制のカウンセリングです。内容はお客様の要望がベースになります。例えば、季節に合わせた肌のお手入れの方法や、お肌の悩み、商品の使用方法についての相談などです。

―始めてみて、お客様からの反応はいかがですか。

小池:やはり今はお客様となかなか直接お会いできないので、オンラインであっても「久しぶりに顔を見られた」といって喜んでくださるお客様は多いと聞いています。

新井:あとは、「さすがポーラ、最先端を取り入れているんですね」とか「環境に応じて変化できるのはすごい」と仰ってくださるお客様がとても多いですね。他には、やはり皆さんが自宅で過ごされる中で、「セルフマッサージの仕方を教われてよかった」「一人で肌の悩みを抱えていたけど、プロのお話を聞けてよかった」というお声を頂いています。

―オンラインカウンセリングをしている中で、難しいと感じる場面はありますか。

新井やはり私たちがお客様のお肌に触れられない、お客様が化粧品のテクスチャを試せない難しさはあります。そこに対しては、ご予約時にサンプルを送付するなどの工夫をしています。カウンセリングの際に、そのサンプルを実際に使用してもらうことで、対面でのカウンセリングに近づけることができます。

他にも細かい問題がないわけではありません。お客様のご自宅に十分なインターネット環境が整っているとは限りませんし、スマートフォンしかお持ちでない場合は画面が小さいので、商品をお見せしようにも十分に伝わらないこともあります。

「オンラインとかそういうのは面倒だからいいです」と言われてしまうこともありました。そんな時は、電話やお手紙でもいいですよ、お客様に合った環境をつくりますよ、と、私たちがオンラインだけにこだわっているわけではないことをお伝えしています。

―そのような中で、顧客と上手くコミュニケーションをとるコツはありますか。

新井:私が意識しているのは「自分はお客様の鏡だ」ということ。例えばお客様が「頬のシミが気になる」と言われたら、自分の顔を指してみせて「ここですか?」というふうに確認していく。不安を口にされた時は、私も「不安ですよね」と言ってお客様に似せた表情をつくる。そうするとお客様は私の顔や仕草を見て、「ちゃんと伝わっているな」と実感できるんですよね。

あとは、直に触れられない分、言葉をすごく大事にして、感触やニュアンスをお客様とすり合わせるようにしています。

―逆にオンラインだからこそ得られるメリットはありますか。

新井:オンラインだと、例えばお客様のご希望によってはご自宅のお手入れ用品を置いてある場所を見せてもらうといったことができるんですよね。お客様のご自宅・お部屋に訪問している感覚でカウンセリングができるので、実店舗ではない気付きが得られるのは、オンラインならではの良さだと思います。

―オンラインカウンセリングを利用する顧客層と、実店舗の顧客層に違いはありますか。

新井:やはりオンラインは、20代から40代くらいまでの方が入りやすいようです。今はお仕事でツールを使われている方も多いので、その年代の方が慣れているということもあると思います。

小池:新規顧客と既存顧客という切り口で見た場合、既存のお客様のフォロー活動として始めた側面が大きいので、やはり割合は高いですね。ただ、新規のお客様と「出会う」という意味でも、オンラインにはプラスの面があると思っています。初めてのお店に入る際に気が引けてしまうこともありますが、「まずはオンラインで相談を」ということなら心理的なハードルが下がります。

新井:街で配布されている『HOT PEPPER Beauty』に出す広告に、オンラインカウンセリングのクーポンも付けているので、そこから新規のお客様が申し込みされることが多いですね。初めてのお店がどんな感じかを知る上で、入りやすいのだと思います。そこから、店舗でのエステやお肌プランニングという診断のコースをご案内することも少なくありません。

コロナ後を見据え、コミュニケーションだけでなく販売チャネルを融合させていく必要性も

―テスト導入から半年以上経ちましたが、見えてきた課題はありますか。

小池:新規顧客の獲得にプラスの面があると申しましたが、それでもコロナ以前のようにはいかず、そこが1つの課題ではあります。

現在、その対策の主軸に置いているのは、オンラインで1対複数名のレッスンやワークショップなどを行っていくことです。また、ポーラでは従来から多いのですが、既存のお客様にご家族やお知り合いをご紹介いただくケースも多くあります。それ以外にも、企業様からのご依頼で、その企業のお客様向けにサービスを提供してほしいという引き合いがあります。

何か1つの施策でどうにかなるものではなく、いろいろな手段の組み合わせで解決していくものだと考えています。今後はその組み合わせのパターンも増やしていきたい考えです。

―オンラインになると場所が限定されない分、遠くの店舗のカウンセリングに申し込まれる、あるいはECに顧客が流れてしまうということはないのでしょうか。

小池:オンラインカウンセリングを実施したことで生じるということではありませんが、デジタルシフトをしていく上で、そこを整理していく必要性は認識しています。

中長期的には、コロナが収束して以前のように対面での接客が可能になった時に、いかにオンラインとオフラインを融合していくかという課題があります。いわゆるOMO(Online Merges with Offline)の世界観です。そこを目指す上では、単純にコミュニケーションを融合させていくだけでなく、販売チャネルも融合し、事業全体として最適化を図る必要があります。

そのために、まずはシステムインフラも含めた環境整備を進めなければなりません。それから、内部で方針ないし、ルールを設けて調整していくことも必要です。

オンラインカウンセリングを導入するとなった時、「来店されず、ECサイトへ流れてしまうのでは」という懸念は皆無ではなかっただろうと思います。ただ、顧客が知らぬ間にECサイトへ流れていくのと違い、オンラインカウンセリングの場合はお客様と直接コミュニケーションがとれます。目標を上回るペースでオンラインカウンセリング導入店舗が増えている事実は、懸念以上にお客様の喜ばれる様子に接したり、好事例が生まれたりしていることの証左だと思います。

今後販売チャネルを融合し、OMOの世界観を形作っていく上で、人と人のつながりを大切にするポーラらしさは、絶対に必要だと考えています。現在、ポーラのオンラインストアでは「STAFF START」という、人気店のビューティーディレクターが発信するコンテンツを展開しており、店の個性や販売員の個性を前面に出したコミュニケーションを試行しているところです。

今回始めたオンラインカウンセリングも、最終的にはその世界観に融合していく施策だと確信できたからこそ始められた部分が大きいです。その意味で、さまざまなハードルはあったかもしれませんが、やってよかったと思っています。今後、デジタルシフトを進める中でも、ポーラらしさを強みに変えられる仕組みづくりを引き続き進めていきたいですね。
小池 章仁
株式会社ポーラ TB市場企画部 顧客戦略チーム リーダー

2004年に株式会社ポーラ入社。トータルビューティー事業の代理店営業・企画部門、EC事業を経て、2019年より現職。現在は顧客コミュニケーションに関する企画・推進業務を主に担当。
新井 里美
ポーラ ザ ビューティー 中目黒店 マネージャー

ホテル業界にて接客業務、その後派遣社員として接客、管理業務、営業事務を経験。2015年7月ポーラ登録。2017年マネージャーへ昇格。2019年1月ショップオーナーとともに「ポーラ ザ ビューティー 中目黒店」をオープン。エステ、接客カウンセリング、マネージャーとして店舗運営、スタッフ育成に携わる。

人気記事

「組織としての自己変革にかける想いに共感し、みずほへ入社」。みずほFG執行役員 秋田夏実氏×立教大学ビジネススクール田中道昭教授【前編】

「組織としての自己変革にかける想いに共感し、みずほへ入社」。みずほFG執行役員 秋田夏実氏×立教大学ビジネススクール田中道昭教授【前編】

国内外の金融機関と前職のアドビを含め、主にマーケティングや広報領域で手腕を発揮してきた秋田夏実氏。2022年5月に入社したみずほフィナンシャルグループでは、これまでのキャリアから一新して、グループCPO(Chief People Officer)とグループCCuO(Chief Culture Officer)を務め、組織開発・D&I推進等と企業文化の改革に挑戦をしています。立教大学ビジネススクールの田中道昭教授とともに、これからの時代のキャリアと学びについて意見を交わしました。 前半は秋田氏のこれまでの経歴、アメリカのビジネススクールでのエピソード、みずほに入社を決めた理由などをうかがいます。

香りを言語化するAI。KAORIUMが切り拓くビジネスチャンス

香りを言語化するAI。KAORIUMが切り拓くビジネスチャンス

イメージする香りはあるけれど、その通りの香水をなかなか見つけられない。「甘口」「辛口」だけでは、自分好みの日本酒を選べない。セントマティック社が開発する「KAORIUM(カオリウム)」は、香りや風味を言語化することで、そんな悩みを解消してくれる最先端のAIシステムです。今回お話を伺ったのは、同社の代表取締役である栗栖俊治氏。なぜ香りの分野に注目したのか。ビジネスとしての香り市場の秘めたるポテンシャルとは。KAORIUMの活用で広がる可能性とは何か。世界も注目するその取り組みに迫ります。

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国企業の最新動向から、DXのヒントを探っていく本連載。今回は、ガソリン車に代わるモビリティとして期待が高まるEV(Electric Vehicle=電気自動車)と、その核とも言える自動運転技術で世界をリードする中国の強さに迫ります。前編では「EV先進国」の名を欲しいままにしているその理由を、国の政策や技術の面から探ってきました。後編となる今回は、自動車産業に参入してきた新興メーカー3社を紹介するとともに、日本の立ち位置の考察、中国が抱える課題を話題に進めていきます。

AIの思考を人間が助ける。AI領域で人気の職種「プロンプトエンジニア」とは何か

AIの思考を人間が助ける。AI領域で人気の職種「プロンプトエンジニア」とは何か

プロンプトエンジニアという言葉をご存知でしょうか。英語圏では2021年頃から盛り上がりを見せている職種の一つで、中国でも2022年の夏頃からプロンプトエンジニアの講座が人気を呼んでいます。今回は、プロンプトエンジニアとは何か、どうトレーニングすればよいのかについて、日本国内でプロンプトエンジニアの採用と教育を実施している株式会社デジタルレシピ 代表取締役の伊藤 新之介氏に解説していただきました。

企業文化の変革から始まる「みずほの挑戦」。みずほFG執行役員 秋田夏実氏×立教大学ビジネススクール田中道昭教授【後編】

企業文化の変革から始まる「みずほの挑戦」。みずほFG執行役員 秋田夏実氏×立教大学ビジネススクール田中道昭教授【後編】

国内外の金融機関と前職のアドビを含め、主にマーケティングや広報領域で手腕を発揮してきた秋田夏実氏。2022年5月に入社したみずほフィナンシャルグループでは、これまでのキャリアから一新して、グループCPO(Chief People Officer)とグループCCuO(Chief Culture Officer)を務め、組織と企業文化の改革に挑戦をしています。立教大学ビジネススクールの田中道昭教授とともに、企業に求められるダイバーシティとエクイティ、ジェンダー問題について意見を交わしました。 後編は秋田氏がグループCPOとして手がけてきた施策、みずほフィナンシャルグループが考えるダイバーシティとエクイティ、これからの企業と従業員の関係性についてお話をうかがいます。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。

創業3ヶ月で22億円超を調達。Relux創業者が背水の陣で挑む、海外旅行DX

創業3ヶ月で22億円超を調達。Relux創業者が背水の陣で挑む、海外旅行DX

コロナ禍で我々の生活は大きく変わりました。人とのコミュニケーション、働き方やライフスタイル、人生の価値観。これまで当たり前のように可能であった旅行もまた、さまざまな制限のなかで行われ、今後もこうした生活スタイルがしばらく続くことが予想されます。 そんななか、旅行・観光業界の多くの課題をデジタルの力を活用して解決し、これまでのスタイルを根底から変えていく「あたらしい旅行代理店」が誕生しました。その名も「令和トラベル」。そして創業したのは、宿泊予約サービス「Relux」を創業した篠塚 孝哉氏。この会社、創業3ヶ月でありながら22億円超を調達し、話題を集めています。なぜ今、海外旅行事業で起業するのか、目指していく「海外旅行業界のDX」とは何か、「あたらしい旅行代理店」が誕生することで生活者の旅行体験はどう変わるのか、篠塚氏にお話を伺いました。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

日本5社目のユニコーンと報じられた「Opn」。世界を舞台に急成長を遂げるフィンテック企業の展望とは

日本5社目のユニコーンと報じられた「Opn」。世界を舞台に急成長を遂げるフィンテック企業の展望とは

伝説の幻獣である「ユニコーン」になぞらえて、企業価値評価額の高いスタートアップを評する言葉、「ユニコーン企業」。アメリカや中国でその数が増え続けている一方で、日本では未だ、少ない状況にあります。そんななか、2022年5月にシリーズC+ラウンドで1億2,000万ドルを調達し、日本5社目のユニコーンと報じられた企業があります。それが創業からグローバルを視野に事業を営み、東京やバンコクなどアジア6カ国を拠点とするフィンテック企業、Opn株式会社です。 さらに資金調達と同時に、ビジョンと戦略を刷新。無駄を削ぎ落し、鋭さの増した同社の成功を支える組織とプロダクトの強み、次に目指す世界について、創業者であり、代表取締役CEOを務める長谷川 潤氏にお話を伺いました。

【Netflix徹底解剖】Netflix4.0、世界最先端のDX戦略を追う

【Netflix徹底解剖】Netflix4.0、世界最先端のDX戦略を追う

全世界での有料会員数が2億人を突破。飛ぶ鳥を落とす勢いで快進撃を続ける企業、Netflix。現在の利用者の中には、彼らの事業が店舗を持たないDVDオンライン郵送サービスからスタートしたことを知らない人もいるかもしれません。1997年、小さなスタートアップ企業として創業したNetflixはその後、DVDレンタルのサブスクリプション、動画ストリーミング配信のサブスクリプション、そして動画オリジナルコンテンツの配信と、デジタルを基盤に着実にビジネスを変革し、今や皆さんご存知の通り、デジタルコンテンツプラットフォームの王者へと成長を遂げています。今回の「世界最先端のデジタルシフト戦略」vol.4では、そのビジネストランスフォーメーションの変遷を立教大学ビジネススクール 田中道昭教授に徹底解剖していただきます。小さなスタートアップ企業であったNetflixがいかに王者となれたのか。その変革の奥にある秘訣とは。DXに取り組む日本企業も見習うべき一貫した姿勢に迫ります。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国企業の最新動向から、DXのヒントを探っていく本連載。今回は、ガソリン車に代わるモビリティとして期待が高まるEV(Electric Vehicle=電気自動車)と、その核とも言える自動運転技術で世界をリードする中国の強さに迫ります。前編では「EV先進国」の名を欲しいままにしているその理由を、国の政策や技術の面から探ってきました。後編となる今回は、自動車産業に参入してきた新興メーカー3社を紹介するとともに、日本の立ち位置の考察、中国が抱える課題を話題に進めていきます。

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

「ユニコーン企業」ーー企業価値の評価額が10億ドル以上で設立10年以内の非上場企業を、伝説の一角獣になぞらえてそう呼ぶ。該当する企業は、ユニコーンほどに珍しいという意味だ。かつてのfacebookやTwitter、現在ではUberがその代表と言われている。この連載では、そんな海外のユニコーン企業の動向をお届けする。今回は欧米を中心に注目されている「代替肉」を扱う「インポッシブル・フーズ」を紹介する。

デジタル戦略で生まれ変わるカインズ。ホームセンターからIT小売企業への変遷の軌跡【前編】

デジタル戦略で生まれ変わるカインズ。ホームセンターからIT小売企業への変遷の軌跡【前編】

生産労働人口の減少を受け、日本企業はいよいよ生き残りをかけたデジタル化に取り組まなければいけないと言われるフェーズに入ってきました。とはいえ、それができている企業とそうでない企業との差が激しくなっているのも現状です。 そんななか、ホームセンター大手カインズでは、40年かけて積み重ねてきたホームセンターとしてのあり方を見直し、IT小売企業として生まれ変わろうとしています。カインズでデジタル戦略本部長を務め、戦略の指揮をとる池照 直樹氏に、同社のデジタル戦略についてお話を伺いました。 前編は、カインズがどのようにしてデジタル化を実現させていったのか、具体的な取り組みを交えてお届けします。

コロナ禍でラジオが復権!? 民放ラジオ業界70年の歴史を塗り替えたradiko(ラジコ)の「共存共栄型 DX」とは

コロナ禍でラジオが復権!? 民放ラジオ業界70年の歴史を塗り替えたradiko(ラジコ)の「共存共栄型 DX」とは

Clubhouseをはじめ、新勢力が次々と参入し、拡大を見せる音声コンテンツ市場。その中で、民放開始から70年の歴史に「大変革」を巻き起こしているのが“ラジオ”です。放送エリアの壁を取り払う、リアルタイムでなくても番組を聴けるようにするといった機能で、ラジオをデジタル時代に即したサービスに生まれ変わらせたのは、PCやスマートフォンなどで番組を配信する『radiko(ラジコ)』。今回は、株式会社radiko 代表取締役社長の青木 貴博氏に、現在までのデジタルシフトの歩みと将来の展望について、お話を伺いました。