DX戦略

【Society5.0】注目サービス Vol.5 物流

センサーやIoT、AIといったテクノロジーを活用し、データを蓄積した仮想空間から高付加価値を現実空間にフィードバックすることで、さまざまな社会的課題解決を図る「Society5.0」。その取り組みを業界別に紹介する連載シリーズ。第5回目となる本記事では、「物流」におけるDX事例をご紹介します。

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物流の生産性向上推進に向けた国家予算は前年比2.64倍(補正予算含む)に!

2020年12月に閣議決定された2021年度予算では、物流における生産性向上の推進に7,400万円、補正予算と合わせ1億3,300万円が計上されています。さらにエネルギー対策特別会計からはドローンや省エネ型自然冷媒機器の導入に関して別予算が組まれており、物流現場における効率化や環境対策に力点がおかれていることが分かります。

振り返ると、2018年には経団連から「Society 5.0時代の物流-先端技術による変革とさらなる国際化への挑戦-」と題した提言が発表されており、2030年に向けた具体的な目標などが掲げられていました。
その提言によると、物流は「経済の血流」として経済成長に欠かせない要素であるだけでなく、人々の社会インフラとして重要な役割を果たすものとして、さらなる多様化・高度化が求められるとされています。例えばIoTの実装を推進し、サプライチェーンやユーザーの情報をリアルタイムに共有しながら、さまざまな輸送機関や公共交通などのネットワークを効率的につなぐといった取り組みがあげられますが、テクノロジー活用におけるメリットと変革は以下の五つであると提唱されています。


●つながる物流
RFID等のIoT技術によって物流を可視化し、リアルタイム情報を共有してサプライチェーン全体を調整・最適化する。

●共同する物流
荷主の輸送ニーズと物流事業者のリソースのマッチングや、パレット・コンテナ・通い箱の共有化・共同利用によって効率化を図る。

●人手を解放する物流
自動走行車・自動運航船・ロボット等を活用し、物流の省人化・省力化を図る。

●創造する物流
顧客の潜在的ニーズの掘り起こしや、生産・販売の連携を深めることで新たな価値を創出する。

●社会に貢献する物流
次世代自動車(EV・FCVなど)やLNG燃料船による環境負荷低減を実現。またIoT・ドローンを活用し、災害情報を素早く把握・周知することにつなげる。


これら五つのポイントを実現することで、2030年の物流業は
①労働環境の改善を通じた魅力ある産業への転換
②物流業の大規模装置産業への変貌
③シームレスなグローバルサプライチェーンの構築
 
が可能になるとされています。

ではこれらの提言に対し、業界ではどのような取り組みがなされているのでしょうか。分野別に分けてご紹介します。

物流リソースのシェアリング (輸送マッチングプラットフォームの構築・活用、パレット・通い箱等の共同利用推進や宅配ロッカーの共用化)

ハコベル(ラクスル株式会社)
ユーザーと印刷会社をマッチングするプラットフォームとして急成長を続けるラクスルが手がける、物流プラットフォーム。荷物を送りたい企業と配送業者・ドライバーなどをマッチングさせることで、従来の枠組みに縛られない効率的な配送システムを構築。荷物一つからでも受発注が可能で、軽貨物・一般貨物ともに対応することで、さまざまな輸送ニーズに応えています。

宅配便ロッカー PUDOステーション(ヤマト運輸株式会社)
ヤマト運輸が手がける共用型宅配便ロッカーで、駅やスーパー、コンビニなどに設置されています。24時間都合の良いタイミングで「受け取り」と「発送」ができる上、配送員に会わずに完結することから新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに利用意向が急速に高まりました。類似サービスに、Amazonが運営する「Amazon Hub」などがあります。

道路・まちの物流イノベーション (高速道路の隊列走行実現に向けた実験・開発、自動走行・隊列走行に必要な制度・インフラ整備)

物流・公共交通ネットワーク「秩父モデル」の構築(秩父市生活交通・物流融合推進協議会)
ゼンリン、秩父市、三菱総合研究所、楽天、西武ホールディングス、西武鉄道、西武観光バス、アズコムデータセキュリティ、早稲田大学の9者によって設立された協議会が主体となり、山間地域の少子高齢化によるヒトとモノの移動困難という課題解決を目指す、物流・公共交通ネットワークを構築しようというもの。ドローン配送による高齢者への買い物支援や、そのために必要となる荷渡しや給電拠点整備、さらには災害発生時に配送ルートを変更できるシステム導入などを通じ、住民と観光客いずれもが快適に過ごすことができる、まちづくりを目指しています。

エアロネクスト(株式会社エアロネクスト)
産業用ドローンの機体設計や構造技術の研究開発などを手がけるほか、物流用ドローン実用化に向け、ANAホールディングス、セイノーホールディングスといった企業との業務提携も活発に行っています。市街地用物流ドローンの活用により、無在庫・無人化した物流システムや輸送インフラの構築・社会的普及の実現を目指しています。

特殊車両の通行許可手続きの短縮化など(国土交通省)
現在主流となっている大型トラック(10tトラック)をダブル連結することで、1台で2台分の輸送量を可能にする省人化が期待されています。実現のために国土交通省では、特殊車両許可基準の最大車両長の緩和を決定したり、現在は約1ヶ月程度必要とする特殊車両の通行許可手続きを2022年から即時処理できるようにしたり、道路占用許可や特定車両停留施設の停留許可手続きのデジタル化・スマート化を推進するといったことを発表しています。

港湾・鉄道・空港の物流イノベーション

Cyber Port(国土交通省港湾局)
港湾を利用する民間事業者間のさまざまな手続き・事務処理を電子化することで、業務効率化と生産性向上を図る連携基盤が、2021年4月から第一次運用スタート。それにさきがけ、公式ポータルサイトがオープンし、利用申請や各種資料などが閲覧できるようになりました。現時点の利用予定企業は、石川組、井本商運、エムエスシージャパン、オーシャンネットワークエクスプレスジャパン、Orient Overseas Container Line Limited.、クボタ、山九、鈴与海運、双日、内外日東、日産自動車、日本通運、三井倉庫、ユニエツクスNCTとなっており、各社がAPI接続するための仕様も公開されています。

物流グローバリゼーションの推進

DNPとGlobal Mobility Serviceが取り組む物流配送マッチングサービス(大日本印刷)
大日本印刷とGlobal Mobility Serviceが手がける、東南アジア向けの物流配送マッチングサービス。ウェブやスマードフォンのアプリを通じて、荷主とトラックドライバーをマッチングし、最適な配送ルートや運行履歴等の管理、デジタル配送証明の発行などを一気通貫で行う仕組みです。急速な成長を続ける東南アジアの物流課題を解決するビジネスモデルとして、モビリティのFinTechサービスとしては初めて「MaaS & Innovative Business Model AWARD 2020」ビジネスモデル部門で優秀賞を受賞しています。

物流分野における働き方改革と人材育成

Yamato Digital Academy(ヤマトグループ)
ヤマト運輸を擁するヤマトグループは、経営層を含む社員のデジタルリテラシーの向上や、デジタル人材の育成を図る教育プログラム「Yamato Digital Academy」を2021年度から実施することを発表。経営層向けにはDXに必要な経営資源の分析やリスク見識を高めるプログラム、デジタル機能本部内向けにはデータサイエンスやビジネスデザインのスキル向上を目指すプログラムなどが用意されています。まずはヤマト運輸の社員からスタートし、順次グループ各社への展開を予定しているとし、グループ全体の業務効率化や高性能化を図っています。

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