Today's PICK UP

「デジタル人材志向性調査」が発表 「デジタル人材」は全体の12.3%、さらに「潜在デジタル人材」の存在が判明

デロイト トーマツ グループは、企業におけるデジタル人材の確保に向け、既にデジタル領域で活躍するデジタル人材と、今後育成対象となる非デジタル人材の両者の特性と実態を調査した「デジタル人材志向性調査」の結果を発表。本調査は、約30,000人を対象としたスクリーニング調査と、約3,700人を対象としたアンケート調査をもとに回答を得ており、デジタル人材・非デジタル人材それぞれの特性と実態を分析し、まとめている。
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が長期化する見込みの中、あらゆる業務プロセスのデジタル化が加速することが予測される。デジタル人材のさらなる需要の高まりを見据え、企業は優秀なデジタル人材の確保や、デジタル経験を有する人材の再活用を含めた獲得・リテンション施策、加えては、非デジタル人材のうち有力候補者に対する育成・支援強化を講じる必要がある。本調査は、企業のデジタル人材の採用とリテンション、および、デジタル人材育成の施策構築に向けて有用な示唆を提供することを目的としている。

■デジタル人材の人口規模

日本の就業者人口約3千万人※1のうち、デジタル領域において業務経験のある「デジタル人材※2」は約12.3%の約367万人と推計される(図1)。年代別で見ると、20代が14.1%と相対的に高く、年代が上がるにつれ割合が低くなる傾向にある(図2)。なお、デジタル人材のうち、現在もデジタル業務に従事しているのは57.6%にとどまり、残る約156万人のデジタル人材は現在デジタル業務に関与していない。

図1 デジタル人材の人口規模
出典元:プレスリリース
図2 デジタル人材の年代別割合
出典元:プレスリリース
※1 平成27年国勢調査より、日本でフルタイムに働く男女20~50代の就業者(会社役員・正社員・業主)人口を29,848,439名と算出
※2 本調査ではデジタル領域での業務経験がある者を「デジタル人材」と定義している。

■デジタル人材の離職傾向

デジタル人材の31.1%は「3年以内の離職意向がある」と回答しており(図3)、年代別にみると、20代が48.1%と特に高い(図4)。離職意向理由としては、「報酬が低いから」(23.9%)がトップで、次いで「納得感のある評価がされないから」(20.6%)が続く。デジタル人材・非デジタル人材それぞれの報酬を見ると、現状では年収は大きく乖離せず、諸外国と比較しても、デジタル人材の報酬水準は低い。日本では職能等級をベースとした報酬設計が主流だが、日本の企業もデジタル人材獲得の上で優位性を持つためには、ジョブ別人事制度の導入が喫緊の課題である。

図3  3年以内の離職意向
出典元:プレスリリース
図4 年代別で見た3年以内の離職意向
出典元:プレスリリース

■デジタル人材の志向性とペルソナ分析

デジタル人材の志向性を見ると、非デジタル人材と比較して、不確実性が高い中でもリスクを取って新しいことに挑戦し、世の中にインパクトを創出することを志向する傾向が強いことが分かった(図5)。「魅力的な仕事」「魅力的な会社」「仕事観」といった志向性を調査するカテゴリー36項目を用いたクラスター分析を行った結果、デジタル人材は「ビジョナリー・チャレンジャー型」「成果志向チャレンジャー型」「コラボレーション重視型」「仕事推進型」「コンサバ型」の5つのペルソナタイプに分類されることがわかり、タイプにより年代、役職、担当業務などの属性が異なるほか、仕事におけるこだわりといった志向性も傾向が異なる。

図5 デジタル人材と非デジタル人材における志向性(各カテゴリーで差異上位2項目を抽出)
出典元:プレスリリース

■非デジタル人材から「潜在デジタル人材」を特定し、育成するには?

デジタル領域の経験を有さない非デジタル人材においても、当該領域に必要なコンピテンシーを持つ人材は一定数存在する。非デジタル人材にデジタル領域への関与意向を調査した結果、13.9%がデジタル領域に「関わりたい」「どちらかというと関わりたい」と回答した。さらに、非デジタル人材の志向性とコンピテンシーを分析したところ、デロイト トーマツの持つ知見・経験も踏まえると、全6タイプのうち「チャレンジ&合理バランス型」「条件付きチャレンジャー型」の2タイプが、相対的にデジタル領域への行動・意識特性の適合性が高いと考えられる。 そこで、非デジタル人材における「デジタル領域への関与意向」と「行動・意識特性の適合性」の2軸をもとに、有力な育成候補者である「潜在デジタル人材」を導いた結果、全体の19.8%が該当することがわかった(図6)。

図6 有力な育成候補者である「潜在デジタル人材」の考え方
出典元:プレスリリース

■デジタル領域に関与する機会の提供状況

上述のように「潜在デジタル人材」が一定数存在する一方で、企業はこれらの人材に対してデジタル領域に関わる機会を充分に提供できていないことも、本調査で実態として明らかとなった。非デジタル人材に対し、異動や職種変更でデジタル業務に関与する機会があるか調査した結果、85.6%が「ない」または「わからない」と回答した(図7)。また、同様に、デジタル領域のトレーニング機会や支援の有無についても、「ない」もしくは「わからない」と回答した割合は89.1%に上った(図8)。

図7 異動や職種変更でデジタル領域の業務に就く機会 (職種変更・異動かプロジェクトベースいずれか) 
出典元:プレスリリース
図8 デジタル関連の知識・スキルを習得するトレーニングやトレーニングを受けるための支援
出典元:プレスリリース
調査概要
本調査は、デジタル人材の採用・リテンションに有用な示唆を得るため、デジタル人材の志向性や職場に対する意識、今後のキャリア希望を把握すること、および、今後のデジタル人材育成のための施策構築に向けて、非デジタル人材のコンピテンシー保有状況と育成可能性を分析することを目的としています。
・調査形式: Webアンケート方式
・調査時期: 2020年2月7日~2020年2月9日
・調査対象/有効回答数: 29,164サンプル(スクリーニング調査)、3,725サンプル(本調査)

人気記事

Facebookも注目の「メタバース」とは何か? スマホ向けメタバース「REALITY」のDJ RIO氏に聞く

Facebookも注目の「メタバース」とは何か? スマホ向けメタバース「REALITY」のDJ RIO氏に聞く

Facebookが社名を変更し、中核事業に据えるほど力を入れる「メタバース」。2021年8月にはグリー株式会社が、今後2~3年で100億円規模の事業投資を行い、グローバルで数億ユーザーを目指すと発表しましたが、その中核を担うのが、グリー株式会社の子会社であり、これまでバーチャルライブ配信アプリを手がけてきたREALITY株式会社です。今回は、そんな同社の代表を務めるDJ RIO氏にインタビュー。そもそもメタバースとは何なのか。なぜこんなにも注目が集まっているのか。メタバースは、世界のあり方をどのように変えるのか。メタバース初心者のビジネスパーソンには必読のインタビューです。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

評価額4.5兆円の最強ユニコーン企業Canvaが目指す、デザインの民主化

評価額4.5兆円の最強ユニコーン企業Canvaが目指す、デザインの民主化

Webサイトやポスターの制作から、プレゼン資料やSNS投稿画像の作成まで、私たちの身の周りはさまざまなクリエイティブであふれるようになりました。デザインはもはや、クリエイターの域に留まらず、あらゆる人にとってごく日常的なものになりつつあります。 こうした世界の実現を加速させている企業が、オーストラリア発のスタートアップ「Canva(キャンバ)」。この企業がいま、 “世界でもっとも評価される未上場企業” “世界最速で成長を遂げる企業”との称号のもと、方々から熱視線を受けています。 同社は2013年の創業以来、ブラウザベースのデザインプラットフォームを運営。デバイスを選ばない簡便性、直感的な操作性、そして豊富なテンプレート数を呼び水にユーザー数を伸ばし続け、いまや月間7,500万人(2021年4月現在)のアクティブユーザーを有するまでに。なお、日本では2017年よりサービスをスタートしています。

100人100通りの働き方を実現するには「自立と議論」が必須。サイボウズ社長 青野慶久氏と立教大学ビジネススクール田中道昭教授が考える多様性の時代【前編】

100人100通りの働き方を実現するには「自立と議論」が必須。サイボウズ社長 青野慶久氏と立教大学ビジネススクール田中道昭教授が考える多様性の時代【前編】

勤務場所も労働時間もすべて社員の裁量に任せ、副業も可能。サイボウズは100人100通りの働き方を実現するべく、率先して働き方改革に取り組んでいます。コロナ前よりリモートワークを実施していたことでも知られ、現在の出社率はわずか10数%ほど。しかし、その自由な働き方は責任と表裏一体であることも事実です。サイボウズ株式会社の代表取締役社長を務める青野 慶久氏が考える多様性や自由と責任について、立教大学ビジネススクール田中道昭教授がお話を伺います。

【Netflix徹底解剖】Netflix4.0、世界最先端のDX戦略を追う

【Netflix徹底解剖】Netflix4.0、世界最先端のDX戦略を追う

全世界での有料会員数が2億人を突破。飛ぶ鳥を落とす勢いで快進撃を続ける企業、Netflix。現在の利用者の中には、彼らの事業が店舗を持たないDVDオンライン郵送サービスからスタートしたことを知らない人もいるかもしれません。1997年、小さなスタートアップ企業として創業したNetflixはその後、DVDレンタルのサブスクリプション、動画ストリーミング配信のサブスクリプション、そして動画オリジナルコンテンツの配信と、デジタルを基盤に着実にビジネスを変革し、今や皆さんご存知の通り、デジタルコンテンツプラットフォームの王者へと成長を遂げています。今回の「世界最先端のデジタルシフト戦略」vol.4では、そのビジネストランスフォーメーションの変遷を立教大学ビジネススクール 田中道昭教授に徹底解剖していただきます。小さなスタートアップ企業であったNetflixがいかに王者となれたのか。その変革の奥にある秘訣とは。DXに取り組む日本企業も見習うべき一貫した姿勢に迫ります。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。

コロナ禍でラジオが復権!? 民放ラジオ業界70年の歴史を塗り替えたradiko(ラジコ)の「共存共栄型 DX」とは

コロナ禍でラジオが復権!? 民放ラジオ業界70年の歴史を塗り替えたradiko(ラジコ)の「共存共栄型 DX」とは

Clubhouseをはじめ、新勢力が次々と参入し、拡大を見せる音声コンテンツ市場。その中で、民放開始から70年の歴史に「大変革」を巻き起こしているのが“ラジオ”です。放送エリアの壁を取り払う、リアルタイムでなくても番組を聴けるようにするといった機能で、ラジオをデジタル時代に即したサービスに生まれ変わらせたのは、PCやスマートフォンなどで番組を配信する『radiko(ラジコ)』。今回は、株式会社radiko 代表取締役社長の青木 貴博氏に、現在までのデジタルシフトの歩みと将来の展望について、お話を伺いました。

デジタル時代に銀行はどう生き残るのか【みんなの銀行 横田氏×GMOあおぞらネット銀行  金子氏】

デジタル時代に銀行はどう生き残るのか【みんなの銀行 横田氏×GMOあおぞらネット銀行 金子氏】

金融再編、異業種からの金融業参入、DX加速――。銀行を取り巻く環境は、目まぐるしさを増すばかりです。この変化の激しさは、おおよそ150年前、日本に銀行が生まれて以来の大きなうねりとも言えるでしょう。金融業界にもグローバルの視点が欠かせなくなったいま、日本の銀行がさらなる飛躍と進化を遂げていくためには、どのような心構えで臨む必要があるのでしょうか。 今回、ふくおかフィナンシャルグループ傘下であり、日本初のデジタルバンクとして2021年5月にサービスをスタートした、株式会社みんなの銀行 取締役頭取である横田 浩二氏と、「No.1テクノロジーバンク」を標ぼうし、既存銀行にはない革新的なサービスを矢継ぎ早に生み出し続けている、GMOあおぞらネット銀行株式会社 代表取締役会長 金子 岳人氏の対談が実現。長い歴史とドメスティックな環境で閉ざされてきた日本の銀行に風穴を開けようとするお二人に、未来型の銀行について語っていただきました。

デジタル敗戦国日本、復興の道しるべは組織のアップデートにあり。サイボウズ社長 青野慶久氏と立教大学ビジネススクール田中道昭教授が考える多様性の時代【後編】

デジタル敗戦国日本、復興の道しるべは組織のアップデートにあり。サイボウズ社長 青野慶久氏と立教大学ビジネススクール田中道昭教授が考える多様性の時代【後編】

勤務場所も労働時間もすべて社員の裁量に任せ、副業も可能。サイボウズは100人100通りの働き方を実現するべく、率先して働き方改革に取り組んでいます。まさに、多様性を代表するIT企業として知られていますが、その自由な働き方は責任と表裏一体であることも事実です。サイボウズ株式会社の代表取締役社長を務める青野 慶久氏が目指す理想の社会、良いチームを作るための条件、デジタル敗戦国と揶揄される日本の復興について、立教大学ビジネススクール田中道昭教授が切り込みます。

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

「ユニコーン企業」ーー企業価値の評価額が10億ドル以上で設立10年以内の非上場企業を、伝説の一角獣になぞらえてそう呼ぶ。該当する企業は、ユニコーンほどに珍しいという意味だ。かつてのfacebookやTwitter、現在ではUberがその代表と言われている。この連載では、そんな海外のユニコーン企業の動向をお届けする。今回は欧米を中心に注目されている「代替肉」を扱う「インポッシブル・フーズ」を紹介する。

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

「ユニコーン企業」ーー企業価値の評価額が10億ドル以上で設立10年以内の非上場企業を、伝説の一角獣になぞらえてそう呼ぶ。該当する企業は、ユニコーンほどに珍しいという意味だ。かつてのfacebookやTwitter、現在ではUberがその代表と言われている。この連載では、そんな海外のユニコーン企業の動向をお届けする。今回は欧米を中心に注目されている「代替肉」を扱う「インポッシブル・フーズ」を紹介する。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。

Facebookも注目の「メタバース」とは何か? スマホ向けメタバース「REALITY」のDJ RIO氏に聞く

Facebookも注目の「メタバース」とは何か? スマホ向けメタバース「REALITY」のDJ RIO氏に聞く

Facebookが社名を変更し、中核事業に据えるほど力を入れる「メタバース」。2021年8月にはグリー株式会社が、今後2~3年で100億円規模の事業投資を行い、グローバルで数億ユーザーを目指すと発表しましたが、その中核を担うのが、グリー株式会社の子会社であり、これまでバーチャルライブ配信アプリを手がけてきたREALITY株式会社です。今回は、そんな同社の代表を務めるDJ RIO氏にインタビュー。そもそもメタバースとは何なのか。なぜこんなにも注目が集まっているのか。メタバースは、世界のあり方をどのように変えるのか。メタバース初心者のビジネスパーソンには必読のインタビューです。