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東大松尾研発のAIスタートアップ「ACES」、介護者支援サービスの「aba」へ行動認識技術を提供

東大松尾研発のAIスタートアップである株式会社ACESは、介護者を支援するプロダクト開発を行う株式会社abaへ行動認識技術の提供を開始したと発表した。

■技術提供の背景

介護の現場においては、慢性的な介護人材の不足および介護未経験者の就業の増加の結果、新人教育が追いつかず介護の質の低下を招くことが課題となっている。また、介護施設においては、業務量の多さに依存して多くの人材が必要な一方で、離職者も多く人手不足が深刻化している。同時に、介護人材を補うべく介護未経験者や無資格者を雇用せざるを得ない状況であり、結果として介護の質が低下してしまうことも問題となっている。在宅介護においても、介護が必要な家族を家族内で介護する家族介護者の増加が社会問題となっている。厚生労働省によると年間約9万人が、家族の介護に専念するために自身の職を退職している一方で、自身の家族が介護を必要とするようになることは予見することが難しく、十分な介護の専門性を身に着ける機会を得ないまま、介護を実施せざるを得ない状況が発生しているという。

■技術提供によって目指すもの

こうした課題を解決すべく、abaは介護未経験者がベテランの常時指導なしに適切に介護業務を行えるようにする介護支援ツールおよび、要介護者が各自の理想の生活スケジュールに基づいて生活を送るためのアプリケーション開発を行っており、ACESは上記の開発に必要な行動認識技術を提供するとのことだ。本アプリケーションを通じて、要介護者、介護者、介護施設経営者といったステークホルダーに以下の価値を提供する。
・要介護者:介護者のスキル・経験に依存せず、安定して質の高い介護が受けられる
・介護未経験者:経験が浅くても、システムの指示に基づいて介護することで、適時適切なケアを提供できる
・介護熟練者:指導の負担が減少し、自らの専門性を生かしたケア・業務に集中して取り組める。また、自身のノウハウをシステムに蓄積し、システムを通して、介護未経験者に適切なタイミングで指導を実施することができる
・施設経営者:介護のノウハウが介護者に依存せず、施設のノウハウとして蓄積される。また、施設のサービスレベルの安定化・適正化が図れる
出典元:プレスリリース

■ACESの行動認識技術について

出典元:プレスリリース
ACESの行動認識技術を用いることで、「作業者の判別」および「作業者がいつからいつまで、何をしているのかの判別」、「作業が標準ルールに従った作業であるか否かの判定」、「他の作業者との差異の明確化」を行うことが可能になる。例えば上図で示されるように、ラジオ体操を行う作業者の動画に行動認識技術を適用することで、作業者がどのラジオ体操の動きを行っているかが分析・判別可能だ。こうした行動認識技術を、介護をはじめ様々な領域に適用することで、業務の効率化や作業場における安全の担保などが可能になるとのことだ。

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