リコー、現実空間に全方位映像を映し出せる投影装置を開発
2021/3/9
株式会社リコーは、新事業創出に向けたプログラム「TRIBUS 2020」において、同社の社内チームが、現実空間に全方位映像を映し出すことのできる投影装置を開発したと発表した。
本投影装置は、装置の真下から上に向けて光を投射し、独自開発の特殊な回転スクリーンに当たった光の残像で立体映像を表示させる体積走査型の投影装置。これにより、全方位から立体映像を見ることが可能だ。開発に当たっては、三次元酔いを起こさずに、現実空間に実在するような完全立体表示を実現することにこだわったという。映像は現時点で約3.7億ボクセル(三次元像を構成する画素の数)のカラー動画立体表示を実現している。
今後、2021年度中に試作機による実証実験や試験的な稼働を始め、2022年度中の実用化を目指す。さらに将来的には、働く場における立体映像によるリモート会議や立体構造物のシミュレーションやモデリング支援、教育分野における立体構造把握支援、エンターテインメント、家庭用バーチャルアシスタントなど、幅広い用途で、デジタルコンテンツを使ったコミュニケーションの高度化に貢献するとのことだ。