日立ソリューションズ西日本、医療資源が乏しい地域での遠隔服薬指導・処方薬配送サービスへ情報連携基盤を提供

株式会社日立ソリューションズ西日本は、富田薬品株式会社が着手する鹿児島県の離島を含む医療資源が乏しい地域における遠隔服薬指導・処方薬配送を行うサービス提供に関し、このしくみを実現するための情報連携基盤の設計・構築を担当すると発表した。日立ソリューションズ西日本は、富田薬品株式会社とともに、鹿児島県以外の自治体、広域医療圏サービスを運営する団体・企業などへも情報連携基盤の提供を検討するという。

この情報連携基盤は、標準機能として医療機関の保有する患者のカルテ情報・処方箋を調剤薬局に連携し、調剤薬局で服薬指導・薬の発送情報を登録することによって、薬剤師が不在の地域の住民に対する服薬指導や薬の配送管理を実現。オプションとして電子お薬手帳、服薬情報、介護情報、バイタル情報、薬剤保管の在庫情報などを管理しているシステムを接続することで、医療・介護・自治体などの関与者の情報共有をはかり、医療資源の乏しい地域における住民のQoL向上を実現する。

医療・薬剤情報は高度なセキュリティが求められることから、株式会社日立製作所が保有する公開型生体認証基盤(PBI)を活用し、患者・医療従事者の生体情報本人認証を行い、「確実な本人確認」、「なりすましの防止」、「高度な個人情報保護」、「本人情報の忘失・紛失のリスク回避」、「生体情報漏洩リスクの回避」を実現するとのことだ。

富田薬品株式会社が着手する鹿児島県の離島を含む医療資源が乏しい地域における遠隔服薬指導・処方薬配送を行うサービスは、地域住民がかかる複数の医療機関、調剤薬局と協力し遠隔医療・遠隔服薬指導を実現。処方薬の配送に関しては、処方箋原簿の薬局への配送は信書扱いのため原則一般の宅配便が使用できないことから日本郵便株式会社のネットワークを活かしたサービスを活用し、本人への手渡しが必要とされる処方薬の配送、および必要となる支払いまでを網羅する取り組みを進めている。また、合わせて、決済に関しては株式会社ゆうちょ銀行の決済サービスの活用を検討しているという。

本サービスを利用する自治体や団体は、この情報連携基盤を通じて、診療情報や電子お薬手帳、自治体の情報のやりとりを実現し、以下のようなサービスを提供することが可能となる。
① 重複投与の防止(重篤化防止)と医療費削減サービス
② 処方薬在庫の適正化による在庫の削減と医療費の低減サービス
③ 薬歴確認による緊急時の適切な医療提供サービス
④ 災害避難時の生体認証による本人確認サービス

なお、情報の連携には、医療機関を対象とした医療情報の交換・共有のための規約(SS-MIX2)や調剤システム処方IF共有仕様(NSIPS)の業界標準仕様を採用。これにより、情報連携基盤への様々なシステムの接続を容易にし、今後のシステムの拡張性を確保するとのことだ。
出典元:プレスリリース

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