「デジタルツイン 業界カオスマップ」の2021年8月版が公開

Symmetry Dimensions Inc.(以下、シンメトリー)は、「デジタルツイン 業界カオスマップ」の2021年8月版を発表した。

出典元:プレスリリース
デジタルツインとは、物理空間に存在する場所や事象を、IoTデバイスなどを用いてデータ化し、デジタル空間上に再現することで、分析・予測等を可能にする技術。データを活用した業務の最適化を行う方法として、製造業や建設業、スマートシティなど様々な分野での活用に注目が集まっている。以下に、デジタルツインの市場動向及びテクノロジーのうち、特にトレンドとなっている注目すべき重要なキーワードを取り上げている。

・オープンデータ化の加速
デジタルツインやスマートシティを構築する基盤として、世界中の国や自治体でオープンデータ化の取り組みが加速している。米国政府機関や州・都市などが保有する公共データを一元的に管理提供する「Data.gov」では、2009年の発足当初47件だったデータが、現在では6,570倍の約31万件に増大している。日本国内では、2021年3月に公開され話題を集めた国土交通省による3D都市モデルの「Project PLATEAU」や、静岡県による「Virtual Shizuoka」など、3Dデータを中心としてオープンデータ化が進んでいる。

・先行する製造・建設業界のデジタルツイン
従来から3Dデータを利用していた製造・建設業界では、デジタルツイン化への対応も早く、これらのニーズに応じたデジタルツイン構築やサービス提供を行うSolution Providerが増加している。また、製造業界では自社開発でシステム化を進める企業が多く見られる一方、建設業界では外部テクノロジー企業との協業によるシステム化が多く進められている。建設業界においては、今後もスタートアップをはじめとした様々な企業からデジタルツイン開発への参入が活発になるという。

・汎用型デジタルツインプラットフォーム ( Cross-Industry )
スマートシティに代表される都市型デジタルツイン領域では、業界を横断した汎用型のデジタルツインプラットフォームが登場している。これは、IoTのセンサーの普及による現実空間のデータの収集が増大したこと、iPhoneのような身近なプロダクトにLiDARセンサーが取り付られるなど現実世界をデータ化する流れが加速していることで、従来は3Dデータを使用していなかった企業においてもデジタルツインの構築・利用が可能になってきたためだ。

・マルチエクスペリエンス
デジタルツインの活用では、企業や組織のあらゆる関係者が、場所を問わず、より迅速に現在の状況を把握・共有し、次の行動に繋がる意思決定を行う必要があるため、Webブラウザ/スマートフォン/ XR(拡張現実、複合現実)を組み合わせたマルチエクスぺリンス化が加速するという。Webブラウザを基点としたクラウドベースのデジタルツインプロダクトは今後ますます増大するとのことだ。

・デジタルとフィジカルの双方向での共有・連携
現実空間の位置情報に基づき、永続的に情報を保存し、ユーザー間での共有を可能にする技術である「AR Cloud」の進化と、新型コロナウイルスのパンデミックにより、あらゆる業務の「デジタルファースト」のプロセスが加速し、デジタルツインと物理空間の双方向でのデータ共有・連携が進む。これによりデジタルツイン上で行われた意思決定の迅速な現場への反映と、最適化された従業員エクスペリエンスを提供をするようになるという。

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