ENEOSとPreferred Networks、AIを活用した石油化学プラントの自動運転に成功
2021/12/3
ENEOS株式会社と株式会社Preferred Networks(以下、PFN)は、大規模かつ複雑であり、長年の経験に基づいた運転ノウハウが求められる石油精製・石油化学プラントを自動運転するAIシステムを共同で開発し、ENEOS川崎製油所石油化学プラント内のブタジエン抽出装置にて2日間にわたる自動運転に成功したと発表した。
プラント自動運転AIシステムは、過去の運転データやシミュレーターデータから複数のセンサー値とバルブ操作間の複雑な相関関係を学習することで、長年の経験に基づいた運転ノウハウであるセンサー値の予測とバルブ操作判断の自動化を可能にした。今回のブタジエン抽出装置では、AIシステムによってプラント内の温度、圧力、流量および製品性状などの25個の運転重要因子の常時監視と12個のバルブ同時操作をおこない、原料処理量の変更などに伴う装置変動を安定化させ、2日間にわたる連続自動運転に成功した。なお、本システムの開発においては、経済産業省が実施する令和2年度補正予算「産業保安高度化推進事業費補助金」などを活用しているという。
本開発では、実運用に向けて今後ともブタジエン抽出装置での試験運転を重ね、人の技量に左右されないプラント安定運転を確立したうえで、常圧蒸留装置などの主要プラントおよび他製油所への展開を図る。また、生産効率化・省エネ運転に貢献する新たなプラント自動運転AIモデルの導入も目指すとのことだ。
<プラント自動運転AIシステムのイメージ>