感性AIとDIC、AIを活用した「素材の感性価値定量化による新しい開発手法の研究」を開始

DIC株式会社と感性AI株式会社は、国立大学法人電気通信大学の坂本真樹研究室が保有する感性(触感、質感)と人工知能(AI)に関する特許技術・知財を活用し、新素材開発システムの構築に向けた共同研究を2022年6月より開始すると発表した。

本共同研究では、素材の触感や質感がもたらす感性価値を数値化して客観的に提示する定量化技術の活用による、緻密かつスピーディな新しい素材開発イノベーションの創出を目指す。

自動車業界や住宅業界、化粧品や食品業界などでは、製品の高級感や快適性など素材の感性価値へのニーズが高まっている。これまでの素材開発では、主観的で曖昧な顧客の感性ニーズの理解や把握が困難であることにより、顧客ニーズに対応するには開発者の経験と勘による試作開発を繰り返し、多大な時間を要するという課題があったという。また、触感が重要な製品においては、複数の開発担当者が実際に試作品に触れ、求められるイメージを共有しながら試作を繰り返すという開発スタイルのため、コロナ禍によるリモートワークでの開発を困難にしているとのことだ。

DICは、時代の変化を見据えた新素材を創出するため、2013年より感性ニーズを発現させる素材の研究開発を継続的に進めている。製品開発の一例として、フィルム自体に意匠性を持たせ、和紙のような風合いの外見と表面に梨皮のような独特な触感を持たせ、高級感を付与した梨地フィルムがある。

電気通信大学発ベンチャーである感性AIでは、同大学坂本研究室が保有する「音韻から感じる印象を複数尺度で数値化する」特許技術のモノづくり分野への応用を事業テーマの一つとしていた。

両者は感性価値に着目して社会的な課題解決をするといったビジョンが合致したため、感性を活用した共同研究を開始することになったとのことだ。

彩りと快適を提供し、人と地球の未来をより良いものにすることを経営ビジョンに掲げ、AI・MIを駆使した新技術・新製品の創出を目指すDICと、対象物の感性(触感等)を言語情報から定量評価するサービスを提供している感性AIの協働により、日本が強みとする細やかな「感性」を尊重した高品質なモノづくりの市場投下スピードの向上を目指す。
出典元:プレスリリース

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