キャディ、製造業のデータ活用を推進する図面データ活用クラウド「CADDi DRAWER」を提供開始
2022/6/23
キャディ株式会社は、新サービスとして、製造業における最重要データである図面の活用を軸にデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する クラウドシステム「CADDi DRAWER(キャディドロワー)」を2022年6月22日より正式に提供開始すると発表した。
■開発の背景
なかでも図面は、製品設計・仕様伝達・原価計算・部品製造などで利用される、製造業のサプライチェーンのハブとなる最も重要なデータだ。調達や製造、品質保証といった業務で取り扱われる図面は多くの場合、PDF形式などの2Dの画像データで取り扱われており、製造する製品や部材の形状的特徴に加えて、テキストや記号で材質・加工指示、管理番号などの情報が記載されている。これまでは技術的に画像で保存されている2Dの図面データからテキスト情報を抜き出す・他のデータベースと紐づけるといった活用が難しく、実態として、製造業では図面データを保有していても、過去の発注実績をもとに調達価格を最適化する、類似の部品を標準化するといった付加価値創出につながるデータ活用が殆どできなかったという。多くの企業で、膨大な量の図面が保管・管理されているものの、過去の図面やそこに紐づくデータへのアクセシビリティが低く、データ活用が難しい状況にあることが分かっているとのことだ。
同社はこれまで製造業の受発注プラットフォーム「CADDi」を通じて製造業の調達の支援を行うなかで、図面データの取り扱いの煩雑さを課題として痛感してきたという。また実際に、取引のある多くのメーカー、サプライヤーからも、図面を扱うことに対する業務負荷や、極めて類似性の高い図面が過去にあるとしても、その図面に効果的に辿り着けないことによって過去よりも高い価格で発注してしまう・毎回の発注価格にバラつきが生まれやすいなどの課題があると悩みの声を多く聞いたとのことだ。
■サービス概要
概要:
製造業のDX実現を支援する、図面データ活用クラウド。
最重要データである図面を軸に、製造業のサプライチェーンDXの実現を支援するクラウドシステム。
画像解析などの独自アルゴリズムで実現した「類似図面検索」機能などにより、図面データを資産として活用可能に。
担当者を非生産的な業務から解放。判断業務等を支援し、調達原価をはじめとした直接・間接コストの削減やナレッジ共有等の効果を期待できる。
・「CADDi DRAWER」の特徴
画像データを独自のアルゴリズムを用いて自動で解析し、図面上の形状的特徴やテキストデータを構造化して、「資産」として活用可能なデータにする。また、取引の実績など周辺データと自動的に関連付けることで、どの図面をいつ、いくらで、どこに発注したかが一目で確認可能。更に、人工知能を含む独自の画像解析アルゴリズムで図面同士の類似性を自動解析し、各図面に対する類似図面を瞬時に探し出すことができる「類似図面検索」機能を搭載。これらにより、調達原価の削減やコストプランニングをはじめとして、発注先選定の最適化、標準・流用設計といった課題に対して、過去図面データおよび関連データを活用した判断・意思決定をサポートする。また、企業ごとに図面データ活用の取り組み範囲とゴールを設定し、業務プロセスの明確化や実務における活用定着までサポート。企業のサプライチェーンを通してのQCDの改善をはかり、中長期的に経営のDXの実現を支援する。
<図面の自動解析>
図面をアップロードするだけで図面内のテキスト情報を自動で解析。データ化し、すぐに検索できる。また、図番/品番/材質/表面処理といった付帯情報を自動で構造化してデータ化する。
<発注実績情報の紐づけ>
図面の属性値をキーとして、発注実績情報と図面を自動で紐づける。発注価格・発注サプライヤーなどの情報が図面データと併せて参照可能になる。表示する項目や紐づけに使用する情報は企業ごとに設定可能だ。
<類似図面検索機能>
独自の画像解析アルゴリズムによる、形状が類似する図面を検索する機能。形状の特徴から類似図面を登録図面全体から検出し表示する。また、材質や価格、サプライヤーなどの情報からフィルタリングすることも可能。
<クラウドでの提供>
製造業では、オンプレミスの業務管理システムが多数導入されている。一方で、オンプレミス型のシステムでは、保守・維持費用が継続的にかかる、最新の機能的なアップデートやセキュリティ対策に追従し続けることが難しい、個社独自の運用に取り残されやすいといった側面が存在する。「CADDi DRAWER」は人工知能や画像認識などの最新の技術を最大限に活用し、図面データの構造化・高いアクセシビリティを実現する類似図面検索などの機能を搭載する。そのために、クラウドで提供することで、サーバーサイドでの大規模かつ柔軟な計算リソースを活用できる環境を構築。高度化するセキュリティリスクへの対策や図面データのバックアップを行うほか、今後もプロダクトを継続的に改善し顧客体験価値を向上させる。