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温室効果ガスの排出量を可視化するCO2算出ツール「商品炭素簿」が提供開始

株式会社テックシンカーは、2022年8月3日、CO2eq算出ツール「商品炭素簿」の提供を開始すると発表した。

■開発背景

近年の資本主義は、異常気象・海面上昇による土地の喪失や漁業・農業への悪影響、さらには水不足といった現象を世界へもたらすようになった。「行き過ぎた資本主義」の弊害とも言えるこうした現象について、国連環境計画(UNEP)はその経済的損害を試算し、損害額は年間で約35兆円以上に達すると発表しているという。日本政府も環境破壊による経済的損失を危惧し、サステイナブルな経済社会を実現すべく温室効果ガス削減に向けた取り組みを開始した。目標として、2030年度の46%削減と、2050年度のカーボンニュートラル実現を、それぞれ宣言している。さらに経済産業省は2021年12月、「GXリーグ」の基本構想案を発表した。同案では、経済と環境の好循環を生み出すためには、国を挙げてのGX(グリーントランスフォーメーション)推進が必須であると明言。「GXリーグ」の参画企業に対しては、製品・サービスを通じて消費市場をグリーン化する取り組みの実施を、参画要件として求めている。具体的には、
1. 生活者、教育機関、NGO等の市民社会と気候変動の取組みに対する対話を行い、ここでの気づきを、自らの経営に生かす。
2. 自ら革新的なイノベーション創出に取り組み、またイノベーションに取り組むプレイヤーと協同して、新たな製品・サービスを通じた削減貢献を行う。また、オフセット製品の市場投入により、グリーン市場の拡大を図る。
3. 自らが、グリーン製品の調達・購入により、需要を創出し、消費市場のグリーン化を図る。

消費市場のグリーン化は、一般的には「難しいこと」と考えられがちだ。しかし同社は、企業と市場が共に取り組みを進めることで、消費市場のグリーン化は実現できると考えるという。グリーン化にあたり企業側に求められるのは、脱炭素の取り組みや消費者との対話だという。そして市場側に必要なのは、グリーン商品を積極的/優先的に購入するという意識と取り組みとのことだ。企業が、自社製品において実施した脱炭素や削減貢献の取り組みを効率的に発信する際には、温室効果ガス排出量の可視化が欠かせない。排出量を明確かつ定量的に発信すると、消費者の購買意欲向上も期待できるという。このグリーン化を推進するツールとして、「商品炭素簿」を開発するに至ったとのことだ。
出典元:プレスリリース
昨今の消費者は、企業に対して透明性を強く望んでいる。これまでの企業は、自社商品の環境負荷などに関する情報を、意図的に隠すことができたという。しかし現在は、自社に不利な情報も含めた形でいかに「先出し」するかが重要視されているとのことだ。また、商品選択のプロセスにも変化があらわれ始めた。従来は値段の安さばかりが求められたが、昨今は選択に際して明確な理由を求めるなど「意味消費」を望む消費者が増えている。「自らの幸福や世界への貢献のためであれば、適切な対価を払うべき」と考える消費者も、増え始めたという。こうした状況では、消費者を「顧客」として認識すること自体が、既に古い発想であるとのことだ。現代の企業にとって消費者は、いわばサステイナブル社会の促進を共に目指すパートナーだという。対等な仲間として迎え入れるべき存在であり、だからこそ情報開示を積極的に進めて透明性を高める必要があるとのことだ。
出典元:プレスリリース
CO2eq情報が明示的に提供されると、消費者は適切な対価を払って「環境貢献」という大きな付加価値を得ることができる。また企業は、脱炭素施策のアピールを通じて既存の自社製品や同機能を持つ他社製品との差別化を図ることができる。このCO2eq情報の明示を支援すべく、「商品炭素簿」はCO2eq排出量をラベル表示できるツールとして開発されたとのことだ。
出典元:プレスリリース

■「商品炭素簿」概要

出典元:プレスリリース
「商品炭素簿」は、商品のライフサイクルにおいて排出されるg-CO2eq(二酸化炭素換算量)を算出できるツールだ。算出は、二酸化炭素の排出量だけでなく、メタンなどの他の温室効果ガスの排出量も含めた形で実施。表示は、各温室効果ガスの温暖化係数を用いてCO2相当量に換算した値(排出原単位)で行う。

温室効果ガス排出量の算出は、「原材料調達」「生産」「物流・販売」「使用・維持管理」「廃棄・リサイクル」の5段階で行う。いわば「ゆりかごから墓場まで」のスパンで、商品ライフサイクルのアセスメントを通じた算出が可能だ。計算は、「原材料の質量」「生産時に用いた電気・水道の量」「輸送や利用者における電気・水道利用量」「廃棄・リサイクルの質量」といったデータを入力することで、実施できる。
出典元:プレスリリース
本ツールの開発は、ライフサイクルアセスメントの基準として国際的に活用されている規格に準じる形で、行われた。
ISO 14067:2018 温室効果ガス — 製品のカーボンフットプリント — 定量化の要件とガイドライン
ISO 14040:2006 環境管理 ー 生涯にわたる評価 ー 原則とフレームワーク
ISO 14044:2006 環境管理 ー 生涯評価 ー 要件とガイダンス

開発に際しては、国内の排出原単位や海外データベースを引用/加工したものを、基礎として活用している。特に温室効果ガス排出量の算出には、環境省が公表した排出原単位データベースおよび海外の排出原単位データベースを使用した。基準が明確であるため本ツールは、サステナビリティ/商品企画/設計/開発/調達/マーケティングなど多様な領域の担当者が利用できる。商品単位での脱炭素の促進や、脱炭素に関する取り組みの社内外に向けた発信などにも、活用が可能だ。
出典元:プレスリリース
「自主的に情報を開示するため、CO2eq排出量を算定したい」というニーズを持つ企業を想定して開発された点も、「商品炭素簿」の特徴だという。開発に際しては、透明性も重視。利用者は、計算の過程を見ることができるため、CO2eq排出量を明快に理解することができる。

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