量子乱数を活用した「量子コンピュータ耐性AIプラットフォーム」が構築

EAGLYS株式会社は、三井物産株式会社、Quantinuumとの3社が、量子乱数を活用した「量子コンピュータ耐性AIプラットフォーム」を構築したと発表した。

EAGLYSと三井物産は、2022年より、異なる事業者間で安全性を維持したまま機密データとAIモデルを共有・連携することが可能な秘密計算プラットフォームの構築と社会実装に取組んできた。今回、Quantinuumが参画することで、今後懸念される量子コンピュータを悪用した攻撃に対してもより高度なセキュリティ環境を実現する、「量子コンピュータ耐性AIプラットフォーム」の共同提案を加速するという。具体的には、EAGLYSの秘密計算プラットフォーム「DataArmor」にQuantinuumの量子サイバーセキュリティ製品 「Quantum Origin」が生成する量子乱数を統合し、量子コンピュータによる将来の解読リスクに備えながら、AI活用可能なサービスを提供するとのことだ。

■背景

量子コンピュータは、2035年には約100兆円規模の価値創出が予測されており、実用化に向けて急速に技術開発が進められているが、同時に量子コンピュータによる暗号アルゴリズムに対する新たな脅威が予想されているという。このような脅威への対策として、量子コンピュータ時代を見据えた暗号アルゴリズムや暗号鍵を利用したデータならびにAIの保護は、産業界にとって喫緊の課題となっているとのことだ。

化学素材開発や創薬、金融、リテール等の産業領域では、異なる事業者間での安全性を維持したまま機密データとAIモデルを共有・活用するニーズが高まっているという。今回、量子コンピュータに対し数学的安全性を有する格子暗号をベースとした完全準同型暗号と、Quantum Originの量子乱数を組み合わせ、「秘密計算x量子技術」による量子コンピュータ耐性AIプラットフォームを構築したとのことだ。

量子コンピュータ耐性AIプラットフォームイメージ
出典元:プレスリリース

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