野菜の仕入れ価格予測サービスをリリース! 生産現場の衛星データのモニタリングや市場価格の機械学習を活用
2020/4/3
JAXAベンチャーのデータサイエンス・スタートアップスタジオの株式会社DATAFLUCTは、生産現場の衛星データのモニタリングや市場価格の機械学習により、野菜の収穫時期や仕入れ価格を予測する「DATAFLUCT agri.」β版をリリースした。
■「DATAFLUCT agri.」サービス概要
ユーザー(実需者)が指定した圃場を撮影した高解像度マルチスペクトル衛星データを、DATAFLUCT agri.が解析。栽培期間中に衛星画像を連続的に撮影し、植生指数(※)をトラッキングすることで、契約農家が栽培する野菜の「収穫日予測」と「生育状況モニタリング」が可能になる。さらに、寒波や長雨、台風通過後、病虫害発生等により生育に遅れが出る可能性を自動で検知することができる。異常が発生した時は、アラートで知らせる。また、現地の農家と直接コミュニケーションをとらずに、遠隔地からでも現地の生産情報を把握することも可能だ。
(※)植物による光の反射の特徴を生かし、衛星データを使って簡易な計算式で植生の状況を把握することを目的として考案された指標。植物の量や活力を示す。(引用:国土地理院)
<主な機能>
・収穫日予測:対象圃場で栽培されている農産物の収穫日を衛星データから予測する。
・生育状況モニタリング:衛星画像データ解析により、「良好」「遅れ」「不良」の3段階で対象圃場の農産物の生育状況を評価。以下の画像は圃場の生育状況を表したヒートマップになる。
・異常検知:対象圃場に生育の遅れや自然災害による甚大な被害が発生する場合、アラートで知らせる。
過去の市場価格、気象データ(温度・日照時間・積算温度など)、および対応する市場価格データを学習させた独自開発のアルゴリズムで、1週間後と1ヶ月後の大田市場における市場価格を予測する。市場価格が高騰することが従来より早い段階でわかるため、原料調達先を再検討できるので、仕入れコスト削減にもつながる。また、市場価格が大幅に高騰しそうな場合も自動検知し、アラートで知らせる。
以下の画像は2020年3月22日時点のDATAFLUCT agri.の価格予測画面。1週間後・1ヶ月後の価格予測が表示されている。例えば、漬物にする白菜を市場から調達しようと検討していた場合、DATAFLUCT agri.を使えば1週間後・1ヶ月後の価格予測をしているので、そのタイミングでの原価が大まかにわかり、場合によっては調達を早めたり遅めたりといった意思決定が可能だ。