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変革を求められる小売業界。「スーパーを超えていく」ベイシアの小売DX戦略とは。ベイシア新社長 相木孝仁氏×立教大学ビジネススクール田中道昭教授【後編】

ホームセンターのカインズにワークマン、東急ハンズなどをグループ会社に持つベイシアグループ。その中核をなすのが東日本をメインに展開する食品スーパー大手のベイシアです。広大なワンフロアの店舗で地域住民のニーズに応える圧倒的品揃えと価格を実現し、その動向は常に業界内での注目を集めています。今回の対談では、立教大学ビジネススクールの田中道昭教授と、今年7月にベイシアの新社長に就任された相木孝仁氏の二人が、新体制となったベイシアの独自戦略について意見を交わします。

後編は相木社長が抱く野望と「メガSPA & DX小売」の概要、ベイシアが従業員に求めるオーナーシップのあり方、そして小売DXの中核を占めるネットスーパーとeコマース戦略についてお話をうかがいます。

ベイシアを業界随一の「メガSPA & DX小売」にするという野望

田中:小売業界を数十年単位で見てみると、総合スーパーでも食料品はある程度堅調または横ばいであることに対して、非食料品は下がってきています。その一方で専門店が伸びています。専門性が最大のポイントの一つですよね。

相木:そうですね。

田中:このあたりで相木社長の野望をぜひおうかがいしたいと思います。密かな野望をどこまでお話しいただけるかは分かりませんが、ベイシアをどういうところまで成長させていく野望をお持ちでしょうか?

相木:まだなにも成し遂げていないので、ビッグマウスになってはいけないと思いますが……。

田中:ソフトバンクグループの孫さんも「日本に不足しているのはビッグマウスだ」とおっしゃっていますので、ぜひ相木社長にはビッグマウスを発揮していただければと思います。

相木:私は、野望は口に出さないと絶対に叶わないと思っています。

田中:そうですよね。思っていないことは実現しないし、言わないことも実現しない。ぜひ有言実行するつもりで、野望をお話しいただければと思います。

相木:ベイシアは年商3,000億円で、パート・アルバイトを含めると20,000人近い雇用責任を持っています。これは凄いことだと思いますが、そういうスーパーは世の中にたくさんあるわけです。そんな中で、「数年かけて3,300億円を達成したい」ということならば、私は呼ばれていません。まず規模の話でいうと、これから5年、10年かけてこの業界は合従連衡が起きると思っています。そうすると5,000億や1兆円のプレイヤーにならないと、食品スーパーとして難しくなってくる。

ただ、全国チェーンのスーパーはどうしても地場に特化したスーパーに勝てなくなる傾向もありますので、スケールしたときにどうやってチェーンストアオペレーションを徹底しながらローカライズを組み合わせていくのか。このあたりが大きなポイントになると思っています。これが規模で見た側面ですね。

もう一つはやはり食品というお客様の口に入るもの、医療、健康につながる商品を取り扱っていますので、今のお求めやすい価格優位性や品揃えを維持しながら、圧倒的においしい、圧倒的に鮮度が高い状態をつくりたいと思っています。これが食品スーパーの基本の「き」だと思います。加えると、これからはお客様が食品を買うという行動や購買体験が変わっていくでしょう。すでにネットスーパーにより変わりつつありますので、しっかりキャッチアップし、フロントランナーになりたいと思っています。

現状はeコマースも十分ではありませんが、まずはネットスーパーを始めました。これからはお店でピックアップする時代になっていきますので、お客様のニーズの半歩先を行きながら、5年後にはベイシアが圧倒的に進んだ「メガSPA & DX小売」といった存在になりたいと考えています。

田中:野望についてきちんとお答えいただいてすごく嬉しいです。

相木:まだなにも成し遂げていないからいえることかもしれませんが(笑)。

一人ひとりがオーナーシップを持つことで、大企業病を防ぎながら成長を遂げる

田中:先ほど、規模が大きくなってくるといろいろ問題が生じるということでしたが、都心で展開するとなると固定費の割合も高まりますし、なによりも組織として規模が大きくなると大企業病が出てくる。成長しながら競争力を高めていく過程で生まれる最大のハードルはなんだと思いますか?

相木:いろいろありますが、やはり従業員、パートも含めてお客様に接する一人ひとりが強いオーナーシップを持つことだと私は信じています。そのためには「コミュニケーション」と「情報共有」が必須です。知れば改善したくなり、協力したくなります。そこをもう少しやっていきたい。ひょっとすると、これまでのベイシアグループの経営スタイルとは異なるかもしれません。ただ、バージョンアップが必要な時期なのではないかと。ベイシアグループは土屋嘉雄名誉会長、土屋裕雅会長のもの凄い先見性とカリスマ性により、ビジネスをドライブして1兆円企業になりました。ここから先は一人ひとりが強いオーナーシップを持って自分で考えて行動するようにならないと、これ以上大きくなったときに大企業病になるリスクがあると思います。

田中:オーナーシップという言葉が出ましたが、日本語の「責任感」という言葉が「センス・オブ・オーナーシップ」に当たりますね。一人ひとりが会社や店舗、商品など、英語では「in」の後に来る単語に責任を持つというイメージの言葉ですが、現状は一人ひとりがどのぐらいベイシアにオーナーシップを持っているのか? そして、どのあたりが課題だと思われますか?

相木:「より良いものをより安く」など、「For the Customers」という経営理念はしっかり根付いています。しかし、これだけの強い経営者が引っ張ってきた企業グループですから、最近はなくなってきたものの、まだ「答えが降ってくる」という感覚は若干あると思います。私が日々伝えているのは「答えは降ってこない」ということです。あなたが考えるのだよと。

結局はトップダウンで方向性を示す局面もありますが、日々の業務においては言われたことをやればいいのではなくて、お客様に向き合って自分で改善していくことが必要です。それがバラバラになってしまうとチェーンにならないので、トライすることはみんなで共有していくことが必要だと思っています。

田中:まだ着任して間もないですが、意思決定のあり方や物事の決め方などは社内で変わってきていますか?

相木:そうですね。今は経営会議に出ているメンバー、本部長や部長レイヤーから始めていますが、現在の橋本副会長とこの半年は二人三脚でやり方の変更を進めています。新たなやり方にトライしてみたり、少しずつチューニングしているので、あまり皆さんは変わったなという実感はないと思いますが、半年前、1年前と比べるとけっこうやり方を変えています。

ベイシアが進めるDXの中核を担う、ネットスーパーおよびeコマース戦略

田中:先ほど、大きな野望のキーワードとして「メガSPA & DX小売」というお話が出ました。ネットスーパーでは楽天と提携していますが、北関東だけではなくて全国展開する大きな切り口の一つとしてネットスーパーも考えているということでしょうか?

相木:ネットスーパーとeコマースの両建てで検討しており、ネットスーパーは主に今の地域のお客様を対象に考えています。どうしても子育てや介護、働き方の変化の中でお店になかなか来られないけれど買い物はしたいという方はたくさんいらっしゃいます。スマホで注文したいというお客様に対して、お店から新鮮な商品をお届けしたいと思っています。これは私が参画する前からの話ですが、自分たちで一から作るのではなくて、プラットフォームを活用しようということで楽天と組むことにしました。

どの企業も悩みながら進めていると思いますが、配送効率の問題はどうしても出てきます。いきなり全店を対象にするわけにはいかないので、私たちの店舗が多くある群馬・埼玉・千葉の9店舗から進めていますが、もう少し加速しようと考えています。

ベイシアでは一日あたりの注文件数をトラッキングしていて、これが最高になることを「ギネス」と呼んでいます。昨日まさにギネスを更新しまして、数字がどんどん増えています。一度使ったお客様はもう一回使ってくださるので、もう少しアクセルを踏んでいこうと、チームが頑張ってくれています。ネットスーパーではeコマースでは扱えない生鮮食品も扱いますので、時間はかかると思いますが、少しずつ伸ばしていきます。

田中:店舗を中心に展開していくのですね。

相木:今のところはそう考えています。もう一つ力を入れているのがeコマースですね。自社サイトではなく楽天とYahoo!に出店しています。こちらも相当なポテンシャルがあると思っていて、商品は優れていますし、eコマースによってベイシアが出店している1都14県以外にもお届けできます。私たちの商品はどれもユニークで、品質やボリュームにこだわっていますし、いろいろな会社と共同で商品をつくったりもしています。これを1都14県、141店舗にしかお届けできないのはもったいないと。

eコマースによって北海道でも沖縄でもベイシアの商品を買うことができる状態をつくります。これまではナショナルブランド寄りの品揃えでしたが、オリジナル商品や冷凍食品だけではなく、八天堂とコラボして開発したくりーむパンも売らせていただいています。これがけっこうな勢いで伸び始めていますから、eコマースはもっと伸ばせると思います。

田中:eコマースは楽天とYahoo!に出店していますが、自社独自の展開も検討しているのですか?

相木:可能性はあるとは思います。ただ、自分たちで手がけることが目的ではありませんので、効率が良ければ二社以外にもアマゾンなどに出店することも考えています。

カインズ、ワークマンで起きたことをベイシアでも。アプリを起点とした、ベイシアの店舗DX

田中:先ほどDXという言葉が出ましたが、DXについてはベイシアグループ全体でDXを推進すべきところと、そうでないところが明確に峻別されています。むしろ、ここはDXを推進しないと決めている領域はありますか。それとも特にルールアウトはしないのでしょうか?

相木:優先順位はありますが、基本的にはDXを推進する方向に進んでいきます。おもてなしは引き続き強化しながら、裏側にDXを実装していきます。あまり表向きには発表していませんが、自動発注は既に完全デジタル化していますし、店舗の商品のアドレス(棚)はすべて管理されています。これはすべてのスーパーができていることではないと思います。そういったところは進んでいますが、機械学習の導入はこれからですし、やらなければいけないことがたくさんあり、本丸はここだと考えています。

ネットスーパーもアプリもまずまず成功していると思いますし、デジタルチームには素晴らしいメンバーが揃っていますが、これからの本丸は店舗内のDXです。生鮮のように単品管理が難しく、産地も違えば形も違う、それぞれユニークな商品のデータ管理を実現しているスーパーは日本には存在しません。ここにチャレンジしていきます。デジタル領域を統括する亀山(博史)という本部長がおりますが、彼のリソースを店舗DXにシフトしようと考えています。

田中:中国のアリババがリアル店舗を展開したときに真っ先に手をつけたのが商品管理です。ブロックチェーンで商品管理をして、機械学習で解析しています。ベイシアにおける店舗のDXと機械学習についてはいかがお考えでしょうか?

相木:アプリの会員基盤がベースになると思います。私たちはお客様との第二の接点を、アプリと位置づけています。ベイシアのアプリは2020年にリリースしていて後発ではありますが、今ではかなりのお客様に使っていただいていますし、利用頻度は非常に高いです。もちろん情報管理は徹底しながら、お客様がさらに良い買い物体験ができるようなパーソナライゼーションを進めていきます。お客様が来店したときに店舗が広いと、どこになにがあるのかわからないといったことが必ずあります。そこで買い物のエージェントとして個人の嗜好と購買履歴に合わせて、お客様が欲しいであろうものをお勧めする。

それだけでなく、買いまわりを提案したり、ナショナルブランドを買おうとしている方にはプライベートブランドにするとこれだけお得になるといった提案も考えています。買い物をした後の満足度はすごく重要ですから、購買体験を豊かにするデータ分析とお客様のサポートが実現できれば面白いと思っています。

田中:ベイシアのアプリはスーパーマーケット業界の中でもダウンロード数が多く、かなり利活用されていることで有名ですが、その理由を分析して分かったのは、当たり前のことをきちんとやっているということです。アプリを使えば会員価格で買えるなど、当たり前のことをやっているスーパーは意外と少ないのですが、それはこだわりでしょうか?

相木:そうですね。これもメンバーたちが本当に頑張ってくれていまして、お客様目線でいろいろ考えてくれています。今後はメーカーさんとのタイアップもできると思っています。もちろん無理な誘導をするつもりはありませんが、新商品が出たときに試して欲しいお客様に、こちらの商品はいかがでしょうかとブランドスイッチの提案をすることもできます。

これはメーカーさんがなかなかやれないことですから、私たちがリーダーシップをとってやらなければいけないと思います。その先に販促ビジネスや広告ビジネスが広がっていくと思っています。

田中:先ほど亀山さんのお話が出ましたが、亀山さんの前職はアマゾンということで、描かれるビジネスモデルもアマゾンに近いと思います。こだわりを持ってされている事業をどのように強化していく予定でしょうか?

相木:亀山の「ぐるぐる図(下図)」もまだ全てが実現していませんので、やるべきことはたくさんあります。デジタルの施策について亀山にすべてを任せるのではなく、彼にリーダーシップとってもらいつつ、もっと中の人材を育てていく。かつ、外部からも人材を採用していきます。私はこの半年間、採用活動に多くの時間を割いています。いろいろな方にお会いして「ベイシアは本当に面白いよ。カインズやワークマンで起きたことは次にベイシアで起きるから」という口利き文句で多くの人に参画してもらっています。
ベイシアのぐるぐる図

ベイシアのぐるぐる図

田中:ぐるぐる図についてはどのあたりが課題だと思いますか?

相木:コンセプトは極めて正しいと思いますが、実現するためのリソースが十分ではなかったり、データプラットフォームが整備されていないなど、分析・解析ツールを使いこなせる人材が少ないのが現状です。ここを克服すればお客様への提案、メーカーへの提案もどんどんできるようになるでしょう。ベースとなるデータ分析力をつけることが次の飛躍につながると考えています。

変革する小売業界。デジタルを活用し、スーパーを超える存在へ

田中:ウォルマートはコロナ禍で一気にデジタル化が進み、スマホで顧客とつながることで膨大なデータを入手して、今までは取れていなかったデータが入手できるようになり、それを顧客体験価値の向上と広告事業に活かしています。ベイシアではまず、アプリとスマホで顧客とつながることが入り口でしょうか?

相木:そうですね。さらにデータ分析で高度化していきたいと思っています。同時に忘れてはいけないのは、お客様の購買行動を邪魔するような提案をしてはいけないということです。うっとうしいと思われるような提案は避け、普通に買い物に来られた方も楽しめるようなデジタル体験をつくれるかが大事です。

田中:そういう意味ではアマゾンは参考になりますね。BtoCの消費者の利益とBtoBの事業者の顧客の利益が対立したときは、BtoCを優先している。アマゾンの広告事業も、消費者を優先しているからこそ伸びていると思います。デジタル化を推進する上で意識してベンチマークしている会社はありますか?

相木:業界の中で私たちより進んでいる企業はベンチマークしています。もっと力を入れたいのは海外の企業の視察です。私が参画した1月以降は海外に行けていませんので、アメリカはもちろん、中国の「フーマー(※1)」は自分の目で見たいですね。いつになったら行けるのかなという感じですが、海外の勉強もしていきたいです。
(※1)アリババグループが「ニューリテール(新小売)」のコンセプトで運営する中国のスーパー。

田中:私もコロナ禍で中国に行けなくなりましたが、日本からリサーチしているとフーマーも常にアップデートをしています。どんどん新しい業態が生まれていますが、日本から新しい業態は生まれていません。例えばフーマーだと、都心部ではスマホで注文すると店頭で商品をピックアップし、配送するようなものも出てきたり、新業態が現れているので、アメリカ以上に中国をベンチマークするべきですね。

相木:そのあたりも田中先生にご指導いただきたいと思っていますが、必ずしもフーマーがやっていることはテック企業の領域だけではないと思っています。店舗に生け簀があってその場で食べられるというライブ感もありますし、買いたいけれど重くて運ぶのが手間になる商品をデリバリーもしてくれます。フーマーから学ぶことはたくさんあると思います。

田中:今日はデジタルシフトタイムズの取材でおうかがいしていますので、デジタル化についてのお考えをぜひ教えてください。

相木:商品の磨き込みですね。生鮮も一般食品も同じですが、もっともっと磨けるところがあると思います。ここが弱いといくらデジタルでがんばっても勝てません。

田中:ネットスーパーでは三重県にあるスーパーサンシがいち早く収益化に成功されて、最近ではシステムを他社に提供する試みも始めています。相木社長もベイシアで培ったビッグデータ× AIの仕組みを他社に提供する予定はあるのでしょうか?

相木:本当にまだなにもできていないのでおこがましいのですが、同様の企業は今後も出てくると思います。それも含めて土屋の危機感だと思いますが、今までスーパーがやっていたことを超えて、デジタルの仕組みを他社に外販していく動きは出てくるでしょう。

そして、これからは小売業が製造業になっていくと予想します。小売の業界では他業界で起きていることが十分に徹底されていないので、自分たちが生産者と深い関係を結び、ものづくりまでやっていく。そういうところにまでチャレンジしたい思いはあります。ただそこまで簡単ではないから他社も実現できていないわけですから、慎重に考えて進めていきます。

田中:まずは自社からだと思いますが、地域のスーパーでデジタルの仕組みづくりまで自社でやり切れるところは少ないでしょうね。

今日はお忙しい中、お時間をいただき1時間近くお話をうかがってきました。今回は同業他社の方もかなりご覧になっていると思いますが、ぜひ最後にメッセージをお願いします。

相木:ご覧いただきありがとうございます。この業界では新参者でございますが、精一杯努力をして業界を盛り上げていきたいと思っております。ベイシアという会社は北関東中心にビジネスをして参りましたが、これからはもっともっと大きなチャレンジをして成長させていきたいと考えています。原点となるのは「For the Customers」の理念だと思っていますので、そこからブレることなく新しいリスクのある試みにどんどんチャレンジしていきます。

そして、採用の観点からベイシアを面白いと思ってくださる人がいれば、お会いしたく思いますので、ぜひご連絡ください。本日はどうもありがとうございました。

田中:相木社長、本日はどうもありがとうございました。

ワンフロアで衣食住の全てが揃う、国内最大級のスーパーセンター「ベイシア前橋みなみモール店」レポート

ベイシアの前橋みなみモール店は、1階建てのワンフロアで衣食住のすべてがそろう「スーパーセンター」として国内最大級の規模を誇る店舗であり、地域住民はもちろん、遠方からも日々多くの買い物客が訪れています。今回はデジタルシフトタイムズの編集長を務める北浦が、ベイシア広報の松田様とともに店内の様子および商品をレポートします。

生鮮品は当日中に売り切る「品質保証宣言」

北浦:デジタルシフトタイムズ編集長の北浦です。今回は特別対談に続き、実際の店舗をご紹介いただけるとのことで、ベイシア前橋みなみモール店におうかがいしています。ご説明をしていただくのが、株式会社ベイシア マーケティング部広報室マネジャー松田様です。今日はよろしくお願いいたします。

松田:よろしくお願いします。

北浦:それにしても本当に広い敷地ですね。ベイシアだけではなくてカインズやベイシア電器など、一つの敷地内に複数の店舗があります。ベイシアの店舗自体もものすごく広いフロアであることは一目瞭然です。

松田:こちらのベイシア前橋みなみモール店は、約1万平方メートルの面積がございます。一階建てワンフロアの中で衣料品、食料品、住関連品のすべてがそろう「スーパーセンター」という店舗形態になっています。
左:デジタルシフトタイムズ編集長 北浦 豪文 右:株式会社ベイシア マーケティング部 広報室マネジャー 松田 詩織氏

左:デジタルシフトタイムズ編集長 北浦 豪文 右:株式会社ベイシア マーケティング部 広報室マネジャー 松田 詩織氏

北浦:先ほど相木社長と田中先生の対談でも、鮮度にこだわっているというお話がありましたが、詳細を教えてください。

松田:当社では「品質保証宣言」を掲げています。お客様に、より新鮮な状態で商品を提供できるように、例えばキャベツやレタスなどの野菜、生魚の切り身などは売り場に陳列した当日に売り切るといった工夫をしています。

北浦:当日中とは凄いですね。

松田:やはり鮮度の良い状態、おいしい状態でお客様に食べていただきたいという思いがありますので、こういった取り組みを行っています。

顧客との接点を強化するため、ベイシアアプリを店舗でも有効に活用

北浦:対談の中では店舗DXのお話もありました。こちらにはベイシアアプリの情報パネルが置かれていますが、これはどのような目的のパネルでしょうか?

松田:弊社のアプリでは会員様限定のボーナスポイント企画や、会員限定価格といったサービスを提供しています。店頭のパネルからボーナスポイントでお得に購入できる商品についての情報をお伝えし、より普段のお買い物をお得に楽しめるような工夫を行っています。

北浦:ベイシアアプリについては、相木社長も「顧客の方と接点を持つ」とお話しされていましたが、パーソナライズはどの程度まで進んでいるのでしょうか?

松田:これから先、そういった工夫も積極的に行っていきたいと思っています。例えば商品Aを買ったお客様向けのおすすめ情報や季節の商品をお伝えする取り組みです。さらに、アプリではお得な情報以外にも独自の読み物を提供しています。買い物以外の時間もお楽しみいただきたいということで、生産者様の声や思いを届ける取材記事を配信しています。

北浦:店舗とお客様だけではなく、生産者の方とも繋がれるのは非常に素敵な取り組みですね。今、店舗でもおすすめの取り組みをされているということですが、詳細を教えてください。

松田:アプリを活用したキャンペーンを実施しています。夏休みの期間ですと1週間、ハートポイントウィークとして通常の3倍のポイントがもらえるキャンペーンです。こうしたベイシアアプリの会員様、ポイントカードの会員様が参加できるキャンペーンも随時展開しています。

季節の行事に合わせて顧客からのエピソードを募る、インタラクティブな取り組みも

北浦:先ほどから店内を拝見していると、いくつか気になる掲示物やポスターがあります。
こちらには「みんなのお盆」とありますが詳細を教えてください。

松田:私たちは季節の行事やイベントに合わせて、エンゲージメントを高めていけるような企画を実施しています。こちらのポスターではお盆にまつわるエピソードをかわいいイラストとともに掲示をして、お客様の買い物を盛り上げていけるような工夫をしています。さらにはベイシアアプリでもお盆にまつわるお客様のエピソードを募集するキャンペーン企画を行っています。

これまで母の日、父の日、夏休みに関するエピソードを募集してきました。エピソードを受賞された方にはポイントをプレゼントしますので、お客様としても参加したくなるような取り組みとなっています。店内のポスターで買い物を楽しめるよう盛り上げて、さらにアプリでも参加できる企画です。もっと多くのお客様に参加いただけるような仕組みも考えていきます。

北浦:店舗のポスターで季節のイベントを告知しながら、ベイシアアプリでエピソードを募集する。お客様とのインタラクティブなつながりをデジタルで実現されていますね。

松田:そうですね。お客様との接点を店舗とアプリでつくっていくことで、充実したお買い物の時間を提供できればと考えています。

大ヒット商品の牛乳から生まれた多くの派生商品。ベイシアが誇るPBの強み

北浦:前橋みなみモール店の品数はフロア全体でどのくらいになるのでしょうか?

松田:約5万アイテムで、その内プライベートブランドの商品が約2,000アイテムです。

北浦:こちらの牛乳もそのプライベートブランドの一つでしょうか?

松田:はい、こちらは大人気の「別海のおいしい牛乳」という商品です。北海道別海町という牛乳の生産量全国一の地域がありまして、そこの指定生産者からのみ仕入れた生乳を使っています。非常に濃厚で後味がすっきりとしていて飲みやすく、お客様からも大変ご好評をいただいています。なによりも凄いのは、生産者の顔が見える牛乳だということです。

生乳を仕入れるまでに、流通の仕組みについて大きな改革を行っています。そういう意味では、とてもチャレンジングな商品です。こちらの商品を使った飲むヨーグルトや、八天堂さんとコラボした冷凍のくりーむパンなどの派生商品も広がっていて、単に牛乳だけではなく、いろいろな商品の形でお楽しみいただけます。こういったプライベートブランド商品の開発にも力を入れています。

北浦:商品開発にもデジタルの力を活用されているのでしょうか?

松田:ID-POS分析(※1)や商品DNA分析(※2)などのデジタルの力を活用しながら商品開発を進めるべく取り組んでいます。商品部や企画部もデジタルを活用しながら、商品の開発や仕入れにもつなげていきたいと考えています。
(※1)IDにより、どんな人物が商品を購入したのか把握できる仕組み。
(※2)健康への意識や情報感度など、顧客の価値観を軸に商品の特徴をデータ化した手法。


北浦:こちらは相木社長もお話しされていた「ブリヒラ」ですね。

松田:ブリヒラは近畿大学が開発し共同で事業化した、ブリの旨味とヒラマサの食感を兼ね備えたハイブリッドな魚です。持続可能な養殖水産物の普及にもつながるSDGsな商品です。昨年も販売していた大人気商品で、今年も帰ってきたということでご好評いただいています。刺身や生寿司などさまざまな食べ方で美味しくいただけます。生産の段階から関わっていく商品開発は、弊社が非常に力を入れている領域です。

店舗DXの推進により、接客やクレンリネスに集中してリソースが割けるように

北浦:ここまでは店舗のご紹介をしていただきましたが、その他デジタル化に関する特徴的な取り組みがあれば教えてください。

松田:商品がそれぞれの売り場に陳列されていますが、各商品ごとに棚割のアドレスが割り振られています。どの商品がどの店舗のどの位置に並んでいるのか、すべてにアドレス(棚)があるので一つひとつの商品をシステムの中で管理することが可能です。さらには商品の自動発注システムの精度を高めることで、店舗での発注作業はほとんどなくなりました。

北浦:自動発注することで効率化以外にも生まれた変化があれば教えてください。

松田:店舗作業を効率化することで、例えばお客様への接客や店内のクレンリネスに集中することができます。それが店舗にとっての大きなメリットであり、自動発注の精度を高め効率化を図ることの大きな目的になりますので、店内でのDXはさらに加速させたいと考えています。

北浦:接客など、人がやるべき業務に従業員が集中できるようになったわけですね。素晴らしい取り組みだと思います。

松田:お客様への丁寧な接客、おもてなしといったところに注力していければと思っています。

顧客と現場の声に耳を傾け、YouTubeをマーケティングに活用する。こだわりの商品開発

北浦:ここまで食料品を中心にお話をうかがってきましたが、ワンフロアで衣食住すべてを網羅されているということで、御社ならではの取り組みがあれば教えてください。

松田:こちらは弊社で開発したストレッチプラスという機能性インナーです。実際に介護現場で働く介護士1,000人の声を集めて開発しました。特徴としては非常によく伸びます。高齢の方に洋服を着せるとなると、伸縮性に優れていた方が着せやすいという現場の声を反映し、チクチクしない肌に優しい素材も開発しています。また、YouTubeチャンネルでは、完成までのプロセスを動画で配信しています。

要望に応え、カラーバリエーションも幅広く展開しています。その他の特徴として、介護現場では洗濯物はまとめて洗うので紛失防止のための名前を書く場所を設けたり、サインペンでも滲まない素材を使ったり、内側にタグをつけると肌に触れてかゆくなるので裾に配置したり、細やかな工夫と配慮が行き届いた商品になっています。お客様の声を聞き、YouTubeのマーケティングを活用しながら、現在は同様のコンセプトの靴下なども開発しています。
北浦:広大なワンフロアで衣食住をワンストップで提供するために気をつけているポイントはありますか?

松田:お客様の導線や、お客様が買い回りしやすいレイアウトもしっかりと考えながら店舗設計をしています。例えば、前橋みなみモール店は昨年10月に住関連品の売り場をリニューアルオープンしました。その際に化粧品コーナーとドラッグコーナーをレジの近くに配置しています。ヘルス&ビューティーやドラッグコーナーを強化するべく、よりお客様が買い物しやすい場所に移動させ、丁寧にお客様の声を聞いて接客する。そのための配置です。

北浦:本日は対談取材から店舗取材まで本当にありがとうございました。デジタルシフトタイムズは多くの企業経営者、DX推進の担当者がご覧になっているメディアです。そういった方々に向けて、ベイシアの店舗DXやこれからの展開についてのメッセージをいただけますでしょうか。

松田:DXの領域には可能性が無限に広がっていると思います。まだまだ弊社としても取り組みを進めていけることがたくさんあります。これからもDXを通して、お客様の利便性の向上や、充実した買い物体験を提供していきたいと思います。さらに、DXを活用することで店舗従業員の作業効率と利便性も高めていきたいと思っています。これからの弊社の展開にもぜひ期待をしていただけたら嬉しいです。

北浦:これからが本当に楽しみですね。本日はどうもありがとうございました。

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注目を集める「ファッション×メタバース」。アンリアレイジの挑戦を追う<前編>

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2022年3月24日から27日の期間に開催された「メタバースファッションウィーク(※)」に、日本のファッションブランドとして唯一の参加を果たした「アンリアレイジ」。昨年公開された映画『竜とそばかすの姫』では主人公すずのアバター「ベル」の衣装をデザインしたことで大きな話題を呼びました。さらに同年に開催された2022年春夏のパリコレクションでは、その手がけた衣装をリアルとバーチャルの世界で作品として発表するなど、既存のファッションの枠組みにとらわれない活動で業界に新たな風を吹き込んでいます。前編では、ファッション産業とメタバースの関係を軸に、バーチャル上での服づくりの難しさや、NFTが持つ価値の源泉についてなど、デザイナー 森永 邦彦氏のファッション観に着目して多方面からお話を伺いました。 ※ メタバースファッションウィーク:VRプラットフォーム「ディセントラランド」を舞台に開催されたファッションイベント。「ドルチェ&ガッバーナ」、「エトロ」、「トミー ヒルフィガー」など人気の50ブランドが参加した。

クリエイター支援プラットフォーム「Patreon(パトレオン)」〜海外ユニコーンウォッチ #9〜

クリエイター支援プラットフォーム「Patreon(パトレオン)」〜海外ユニコーンウォッチ #9〜

「ユニコーン企業」ーー企業価値の評価額が10億ドル以上で設立10年以内の非上場企業を、伝説の一角獣になぞらえてそう呼ぶ。該当する企業は、ユニコーンほどに珍しいという意味だ。かつてはFacebookやTwitterも、そう称されていた。この連載では、そんな海外のユニコーン企業の動向をお届けする。今回はクリエイターを支援するプラットフォームサービスを提供する「Patreon(パトレオン)」を紹介する。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

「ユニコーン企業」ーー企業価値の評価額が10億ドル以上で設立10年以内の非上場企業を、伝説の一角獣になぞらえてそう呼ぶ。該当する企業は、ユニコーンほどに珍しいという意味だ。かつてのfacebookやTwitter、現在ではUberがその代表と言われている。この連載では、そんな海外のユニコーン企業の動向をお届けする。今回は欧米を中心に注目されている「代替肉」を扱う「インポッシブル・フーズ」を紹介する。

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国企業の最新動向から、DXのヒントを探っていく本連載。今回は、ガソリン車に代わるモビリティとして期待が高まるEV(Electric Vehicle=電気自動車)と、その核とも言える自動運転技術で世界をリードする中国の強さに迫ります。前編では「EV先進国」の名を欲しいままにしているその理由を、国の政策や技術の面から探ってきました。後編となる今回は、自動車産業に参入してきた新興メーカー3社を紹介するとともに、日本の立ち位置の考察、中国が抱える課題を話題に進めていきます。

Facebookも注目の「メタバース」とは何か? スマホ向けメタバース「REALITY」のDJ RIO氏に聞く

Facebookも注目の「メタバース」とは何か? スマホ向けメタバース「REALITY」のDJ RIO氏に聞く

Facebookが社名を変更し、中核事業に据えるほど力を入れる「メタバース」。2021年8月にはグリー株式会社が、今後2~3年で100億円規模の事業投資を行い、グローバルで数億ユーザーを目指すと発表しましたが、その中核を担うのが、グリー株式会社の子会社であり、これまでバーチャルライブ配信アプリを手がけてきたREALITY株式会社です。今回は、そんな同社の代表を務めるDJ RIO氏にインタビュー。そもそもメタバースとは何なのか。なぜこんなにも注目が集まっているのか。メタバースは、世界のあり方をどのように変えるのか。メタバース初心者のビジネスパーソンには必読のインタビューです。

デジタル戦略で生まれ変わるカインズ。ホームセンターからIT小売企業への変遷の軌跡【前編】

デジタル戦略で生まれ変わるカインズ。ホームセンターからIT小売企業への変遷の軌跡【前編】

生産労働人口の減少を受け、日本企業はいよいよ生き残りをかけたデジタル化に取り組まなければいけないと言われるフェーズに入ってきました。とはいえ、それができている企業とそうでない企業との差が激しくなっているのも現状です。 そんななか、ホームセンター大手カインズでは、40年かけて積み重ねてきたホームセンターとしてのあり方を見直し、IT小売企業として生まれ変わろうとしています。カインズでデジタル戦略本部長を務め、戦略の指揮をとる池照 直樹氏に、同社のデジタル戦略についてお話を伺いました。 前編は、カインズがどのようにしてデジタル化を実現させていったのか、具体的な取り組みを交えてお届けします。