DX戦略

採用活動に最新VR技術を駆使!ベクトルグループが実施したオンライン採用イベント「バーチャル新卒採用EXPO」の舞台裏に迫る。

新型コロナウイルス感染症の影響で企業の採用活動がオンライン化するなか、PRを主体としながらグループに40以上の事業会社を抱える株式会社ベクトルが、最新のVR技術を駆使したオンライン採用イベント「バーチャル新卒採用EXPO」を開催しました。これによって就職活動生は、仮想空間上でリアルな合同説明会と同様に、気になるブースを見て回ったり担当者と話したりして、以前から知っていた会社だけでなく、グループ各社の理解を深めることができたようです。

世の中的にも新しい取り組みだと言える「バーチャル新卒採用EXPO」はどのように実現したのか。キーとなったテクノロジーの開発を行っているSoVeC株式会社(※)取締役の重松 俊範氏と、イベント責任者を務めた株式会社ベクトル人事本部長の吉野 翔氏にお話を伺いました。

※2019年にソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社と株式会社ベクトルが51:49の出資比率で設立した合弁会社

ざっくりまとめ

- 「バーチャル新卒採用EXPO」とはベクトルグループの各社が、それぞれの自社事業について学生に知ってもらうために開催されたオンライン採用イベント
- ベクトルグループの幅広い事業を知ってもらい、入社後のミスマッチを防ぐ狙いの他、国内初の取り組みに対して「ここでなら新しいことに挑戦できそう」と考える学生たちからのエントリーを増やす狙いも
- 大変だったのは前例のないイベントを万全に開催するため、出展各社の素材を開催日の数ヶ月前に集めなければいけなかったこと。イベントの意義や目的をしっかり伝え、各社に協力してもらった
- イベントに参加した学生の熱量が高く、グループの幅広い事業を伝えるという本来の目的を達成できた
- VRを活用したイベントの良さは、参加者が能動的に参加してくれることに加え、オンラインにもかかわらずエモーショナルな部分を感じられるところ

VR空間で合同説明会。参加者は気になるブースへとマウス操作やタップで移動、ブース内では動画とチャットで説明

ー「バーチャル新卒採用EXPO」について教えてください。

重松:ベクトルグループに興味のある学生を対象にしたオンライン採用イベントです。弊社、SoVeC株式会社が提供するバーチャル展示会プラットフォーム「そのまま展示会ウェブブラウザ版」を活用し、3DCGで通常の合同企業説明会と同じような空間をネット上に再現し、そこにベクトルグループの企業20社が出展する形で実現しました。各ブースは、実際のモニターやパネルなど細かいところまで忠実に再現することにこだわりました。

参加者はオンライン会場をPCのマウス操作やスマホ画面のタップで自由に移動でき、気になることや聞きたいことがあれば、企業担当者へチャットで気軽に質問することが可能です。もっと深く企業のことを知りたい場合には、ビデオ機能で企業担当者と話すこともできます。会社説明資料のダウンロードや会社紹介動画の視聴も簡単にできますし、セミナー会場では、出展企業各社の責任者によるプレゼン動画をいつでも視聴可能です。

入社後のミスマッチは入社前から防ぐ。新しい試みで、これまでリーチできなかった層にもアプローチ

ーイベント開催の背景を教えてください。

重松:イベント開催のきっかけは、我々が開発を進めていた「そのまま展示会」というサービスに、ベクトル代表の長谷川や人事の吉野が着目し「採用イベントで活用したら良いのでは?」という話になったことです。

吉野:夏頃に新規事業の責任者が集まる打ち合わせがあり、そこで「そのまま展示会」を活用したデモサイトを見ました。以前に他社が開催していたグループ内のさまざまな子会社や事業部を合同説明会風に紹介するイベントを思い出し、それをベクトルグループで、しかもVRを使ってオンライン上の仮想空間でやれると面白いのではと思い付いたんです。すぐに相談に行きましたね。
重松:最初は成立するのかなと不安でした。ただ、ベクトルグループが行っている幅広い事業をアピールできますし、新しいチャレンジによって候補者も増えるかもしれないと思いました。

また、入社後のミスマッチも防げるだろうとも考えました。実際に今年の新入社員の中でも、どこに配属されるのだろうと不安を感じていた人も多かったようです。彼らに配属後のイメージを持ってもらうためにも、予めいろんな事業の紹介をしておくことが重要だと思いましたね。

吉野:ベクトルグループではこれまで、新卒で採用した新入社員の多くはPR事業に配属してきました。しかし、ここ数年はPR事業以外への配属も行われており、今後の事業展開次第ではその傾向が強まる可能性もあります。

そういった背景もあり、今よりもっとそれぞれの事業の詳細や、グループの各事業会社がどんなサービスやプロダクトを展開しているのかを伝えなければという課題がありました。

重松:最終的にこの採用イベントは、最初からベクトルに興味のある学生だけではなく、「何か新しいことをやっていて面白そうだ」と考える学生たちもターゲットに設定しました。「いろんな会社があるグループなんだ」と思ってもらえれば、これまで我々に興味を持たなかった学生も、取り込めるかもしれないと考えたからです。

通常イベントよりも2ヶ月前倒しの資料準備が必要。「なんのために」をしっかり伝え、グループ内の各事業会社を巻き込む工夫を

ー企画から実施まで4ヶ月くらいだったとのことですが、どのように準備を進めていったのでしょうか?

重松:だいたい20社ほどが出展することになりそうだとわかったので、まずはどうやって会場をCGでつくるのか考えるところからスタートしました。CGはリアルな会場とは違い、いかようにでもつくれるため、逆に悩みましたね。最終的には、現実離れした会場ではなく、ベクトルらしい洗練された雰囲気に仕上げられてとても良かったと思います。

準備を進める中で大変だったのは、かなり前段階から出展する各事業会社にそれぞれのブースの中で流す映像や、配布する資料を用意してもらうことでした。

吉野:リアルな説明会とは異なり、回収した素材を仮想空間に実装するのに時間がかかる、かつ初めての取り組みだったため、11月半ばのイベントにも関わらず、素材の回収期限が9月に設定されていて、「なんでそんなに早く出さないといけないの?」と聞かれることも多かったです。

なぜそこまでしてグループ各社を巻き込み全社横断でこのイベントを開催するのか、その意義や目的をしっかりと説明し、各社に協力してもらいました。

あっという間の4時間。参加学生の熱量は想定以上で、グループ全体に対する理解度が上がった

ーイベント当日は狙い通り、うまくいったのでしょうか?

吉野:1,000名弱の申し込みがあって、そのうち参加したのは800名程度でした。参加理由としては、やはりPR事業に興味がある学生が多かったです。入り口はPR事業でも、イベントを通じて各社の事業内容や、プロダクトのラインナップをお伝えできたので、当初の目的はある程度達成できたのかなと考えています。

13時から始まって18時閉会だったのですが、アンケートでは「気がつくと4時間経っていました」といった声もありました。

重松:他にもアンケートには「地方に住んでいると、なかなかリアルイベントには参加できないので、オンラインで開催してくれて助かりました」「ベクトルってグループ会社がいっぱいあって、各事業会社が何をしているかわからなかったけど、全体感がつかめてよかった」といった声もありました。なかには、「一度インターンに応募して落ちているのですが、もう一度インターンに応募させてもらえないでしょうか」とメールが来たりもしました。参加学生の熱量は相当高かったように感じています。

ーイベントをVRにしたことにより、従来と変わった点があれば教えて下さい。

吉野:今はコロナの影響で、学生にとってオンラインで授業やセミナーに参加することが当たり前になっています。ただ、「Zoom疲れ」という言葉もあるように画面上に共有された資料を見ながら説明を聞くというシーンには飽きている状態でした。今回のイベントではVR技術を使って仮想空間を構築することで、通常のオンラインセミナーとは異なり、学生自身が動いたり、何かを動かしたりと新しい体験ができて、好印象だったのかなと思っています。

重松:一方で、あまり学生がブースに来てくれなかった会社の担当者からは「寂しかった」という意見も上がりました。PR事業のブースには必然的に参加者が多くなりますが、ニッチな事業には人が集まりにくく、その傾向はリアルと近かったなとも思います。ただ、VR空間にすることで、「こんな事業もあるんだ」と理解してもらうことには繋がったと思います。

日常的になったビデオ通話より、VRには人の感情を動かす力がある

ー同じようなイベントの開催を考えている会社さまにアドバイスはありますか?

吉野:出展する会社の人たちや協力者を巻き込むところが最大のポイントだと思います。これは採用イベントではありますが人事だけでは開催することができません。そのためにも、人事主導で、どれだけこのプロジェクトに関わるメンバーでワンチームをつくれるかが重要です。

重松:確かにそれは一番頑張らないといけないところですね。我々はVR空間をつくることしかできず、中身のコンテンツは各社員に協力してもらう必要があります。だからこそ、成功させる上で、協力体制をつくることが非常に重要です。

私は今回のイベントを通して、採用だけでなく他の社内コミュニケーションの場にもVRは活用できそうだと感じました。例えば、全国に複数の子会社があるような企業の場合、コロナの影響でなかなか会うことができないので、例えば「日本酒好き」などテーマを決めて集まる社内の懇親会を開くのも良いと思います。

吉野:確かに、インナーコミュニケーションでも使えそうですね。

重松VRを活用したイベントの良さは、参加者が能動的に参加してくれることに加え、エモーショナルな部分を感じられるところだと思っています。Zoomなどのウェブ会議ツールでは打ち合わせ、オンラインセミナー、飲み会など、全て同じようなインターフェイスで実施されるので、エモーショナルなところまで伝えることに限界があります。どれくらいそこに差があるのかを数字で説明することは難しいですが、VRの方が確実に人の感情を動かすことができると思っています。
吉野:同感です。毎日オンラインで会議をしている人にとっては、VR空間があるだけで、琴線に触れるものがあるのかなと思います。

重松:そうですよね。これからも、新しいテクノロジーを活用しつつ、今の時代に求められるソリューションを提供していければと思います。
重松 俊範
SoVeC株式会社 取締役

中央大学法学部卒業。2001年読売広告社入社。
2005〜2017年上海や台北に駐在し支社長を歴任。
日本帰国後、電通の国際部門などを経て、SoVeCに取締役として参画。
現在、そのまま展示会の事業責任者、SoVeC Smart VideoのCRO(チーフレベニューオフィサー)。
VRやAR、ドローンなど新しいものが好き。
吉野 翔
株式会社ベクトル 人事本部 本部長

1984年生まれ、大阪府出身。
大学卒業後、2008年にAIG損害保険入社。
その後WEB業界に移り、マイクロアドのHRディレクターやDeNAのHRBPを経て、2020年にベクトル入社。
現在はベクトルグループ全体の人事及び組織開発に携わる。

人気記事

「組織としての自己変革にかける想いに共感し、みずほへ入社」。みずほFG執行役員 秋田夏実氏×立教大学ビジネススクール田中道昭教授【前編】

「組織としての自己変革にかける想いに共感し、みずほへ入社」。みずほFG執行役員 秋田夏実氏×立教大学ビジネススクール田中道昭教授【前編】

国内外の金融機関と前職のアドビを含め、主にマーケティングや広報領域で手腕を発揮してきた秋田夏実氏。2022年5月に入社したみずほフィナンシャルグループでは、これまでのキャリアから一新して、グループCPO(Chief People Officer)とグループCCuO(Chief Culture Officer)を務め、組織開発・D&I推進等と企業文化の改革に挑戦をしています。立教大学ビジネススクールの田中道昭教授とともに、これからの時代のキャリアと学びについて意見を交わしました。 前半は秋田氏のこれまでの経歴、アメリカのビジネススクールでのエピソード、みずほに入社を決めた理由などをうかがいます。

AIの思考を人間が助ける。AI領域で人気の職種「プロンプトエンジニア」とは何か

AIの思考を人間が助ける。AI領域で人気の職種「プロンプトエンジニア」とは何か

プロンプトエンジニアという言葉をご存知でしょうか。英語圏では2021年頃から盛り上がりを見せている職種の一つで、中国でも2022年の夏頃からプロンプトエンジニアの講座が人気を呼んでいます。今回は、プロンプトエンジニアとは何か、どうトレーニングすればよいのかについて、日本国内でプロンプトエンジニアの採用と教育を実施している株式会社デジタルレシピ 代表取締役の伊藤 新之介氏に解説していただきました。

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国企業の最新動向から、DXのヒントを探っていく本連載。今回は、ガソリン車に代わるモビリティとして期待が高まるEV(Electric Vehicle=電気自動車)と、その核とも言える自動運転技術で世界をリードする中国の強さに迫ります。前編では「EV先進国」の名を欲しいままにしているその理由を、国の政策や技術の面から探ってきました。後編となる今回は、自動車産業に参入してきた新興メーカー3社を紹介するとともに、日本の立ち位置の考察、中国が抱える課題を話題に進めていきます。

香りを言語化するAI。KAORIUMが切り拓くビジネスチャンス

香りを言語化するAI。KAORIUMが切り拓くビジネスチャンス

イメージする香りはあるけれど、その通りの香水をなかなか見つけられない。「甘口」「辛口」だけでは、自分好みの日本酒を選べない。セントマティック社が開発する「KAORIUM(カオリウム)」は、香りや風味を言語化することで、そんな悩みを解消してくれる最先端のAIシステムです。今回お話を伺ったのは、同社の代表取締役である栗栖俊治氏。なぜ香りの分野に注目したのか。ビジネスとしての香り市場の秘めたるポテンシャルとは。KAORIUMの活用で広がる可能性とは何か。世界も注目するその取り組みに迫ります。

企業文化の変革から始まる「みずほの挑戦」。みずほFG執行役員 秋田夏実氏×立教大学ビジネススクール田中道昭教授【後編】

企業文化の変革から始まる「みずほの挑戦」。みずほFG執行役員 秋田夏実氏×立教大学ビジネススクール田中道昭教授【後編】

国内外の金融機関と前職のアドビを含め、主にマーケティングや広報領域で手腕を発揮してきた秋田夏実氏。2022年5月に入社したみずほフィナンシャルグループでは、これまでのキャリアから一新して、グループCPO(Chief People Officer)とグループCCuO(Chief Culture Officer)を務め、組織と企業文化の改革に挑戦をしています。立教大学ビジネススクールの田中道昭教授とともに、企業に求められるダイバーシティとエクイティ、ジェンダー問題について意見を交わしました。 後編は秋田氏がグループCPOとして手がけてきた施策、みずほフィナンシャルグループが考えるダイバーシティとエクイティ、これからの企業と従業員の関係性についてお話をうかがいます。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

【AI×音楽】AI作曲が可能となっても、作曲家の仕事は残る。「FIMMIGRM」が変える音楽の未来<後編>

【AI×音楽】AI作曲が可能となっても、作曲家の仕事は残る。「FIMMIGRM」が変える音楽の未来<後編>

AIによりヒットソングの特徴をふまえたオリジナル楽曲を作成するサービス「FIMMIGRM(フィミグラム)」。AIによる作曲サービスが盛り上がりを見せつつある昨今、音楽プロデューサーとしてYUKIや中島美嘉、Aimerなどのアーティストを手がけてきた玉井健二氏が開発に携わっていることで、大きな話題を呼んでいます。 FIMMIGRMの利用方法は、大量に自動生成された曲から好みの曲をジャンルごとに選択するGENRES(ジャンル)、ワンクリックでAIが曲を生成する ONE-CLICK GENERATE(トラック生成)、ユーザーの自作曲をもとにAIが曲を生成するGENERATE(トラック生成)、AIが生成した曲にプロの編曲家が手を加えるPRO-ARRANGED(プロアレンジ)の4パターン。AIにより専門知識不要で誰もが作曲できるようになる未来が間近に迫った今、音楽業界はどのように変化するのか? 株式会社TMIKと音楽クリエイター集団agehaspringsの代表を務める玉井健二氏にお話を伺いました。

【Netflix徹底解剖】Netflix4.0、世界最先端のDX戦略を追う

【Netflix徹底解剖】Netflix4.0、世界最先端のDX戦略を追う

全世界での有料会員数が2億人を突破。飛ぶ鳥を落とす勢いで快進撃を続ける企業、Netflix。現在の利用者の中には、彼らの事業が店舗を持たないDVDオンライン郵送サービスからスタートしたことを知らない人もいるかもしれません。1997年、小さなスタートアップ企業として創業したNetflixはその後、DVDレンタルのサブスクリプション、動画ストリーミング配信のサブスクリプション、そして動画オリジナルコンテンツの配信と、デジタルを基盤に着実にビジネスを変革し、今や皆さんご存知の通り、デジタルコンテンツプラットフォームの王者へと成長を遂げています。今回の「世界最先端のデジタルシフト戦略」vol.4では、そのビジネストランスフォーメーションの変遷を立教大学ビジネススクール 田中道昭教授に徹底解剖していただきます。小さなスタートアップ企業であったNetflixがいかに王者となれたのか。その変革の奥にある秘訣とは。DXに取り組む日本企業も見習うべき一貫した姿勢に迫ります。

メンタルヘルス後進国、日本。DXはメンタルヘルスに貢献できるのか

メンタルヘルス後進国、日本。DXはメンタルヘルスに貢献できるのか

欧米に比べ大きく遅れているといわれる日本のメンタルヘルスを取り巻く環境。事実、欧米ではカウンセリングを受診した経験のある人は52%にも上りますが、日本では6%という低水準。先進国のなかで突出した自殺者数についても、厚生労働省は深刻な状況と受け止めています。 そんななか、β版での運用を終え、2022年7月5日に正式ローンチされた「mentally(メンタリー)」は、日本では敷居の高いメンタルヘルスに関する相談が気軽に行えるアプリ。株式会社Mentally 代表取締役CEOを務める西村 創一朗氏は、自身も過去に双極性障害(※)を乗り越えた経験を持っています。メンタルヘルス市場はDXによりどう変化していくのか。インタビューを通して、日本のメンタルヘルス市場の未来を紐解きます。 ※ 双極性障害:活動的な躁(そう)状態と、無気力なうつ状態を繰り返す障害。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国企業の最新動向から、DXのヒントを探っていく本連載。今回は、ガソリン車に代わるモビリティとして期待が高まるEV(Electric Vehicle=電気自動車)と、その核とも言える自動運転技術で世界をリードする中国の強さに迫ります。前編では「EV先進国」の名を欲しいままにしているその理由を、国の政策や技術の面から探ってきました。後編となる今回は、自動車産業に参入してきた新興メーカー3社を紹介するとともに、日本の立ち位置の考察、中国が抱える課題を話題に進めていきます。

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

「ユニコーン企業」ーー企業価値の評価額が10億ドル以上で設立10年以内の非上場企業を、伝説の一角獣になぞらえてそう呼ぶ。該当する企業は、ユニコーンほどに珍しいという意味だ。かつてのfacebookやTwitter、現在ではUberがその代表と言われている。この連載では、そんな海外のユニコーン企業の動向をお届けする。今回は欧米を中心に注目されている「代替肉」を扱う「インポッシブル・フーズ」を紹介する。

コロナ禍でラジオが復権!? 民放ラジオ業界70年の歴史を塗り替えたradiko(ラジコ)の「共存共栄型 DX」とは

コロナ禍でラジオが復権!? 民放ラジオ業界70年の歴史を塗り替えたradiko(ラジコ)の「共存共栄型 DX」とは

Clubhouseをはじめ、新勢力が次々と参入し、拡大を見せる音声コンテンツ市場。その中で、民放開始から70年の歴史に「大変革」を巻き起こしているのが“ラジオ”です。放送エリアの壁を取り払う、リアルタイムでなくても番組を聴けるようにするといった機能で、ラジオをデジタル時代に即したサービスに生まれ変わらせたのは、PCやスマートフォンなどで番組を配信する『radiko(ラジコ)』。今回は、株式会社radiko 代表取締役社長の青木 貴博氏に、現在までのデジタルシフトの歩みと将来の展望について、お話を伺いました。

デジタル戦略で生まれ変わるカインズ。ホームセンターからIT小売企業への変遷の軌跡【前編】

デジタル戦略で生まれ変わるカインズ。ホームセンターからIT小売企業への変遷の軌跡【前編】

生産労働人口の減少を受け、日本企業はいよいよ生き残りをかけたデジタル化に取り組まなければいけないと言われるフェーズに入ってきました。とはいえ、それができている企業とそうでない企業との差が激しくなっているのも現状です。 そんななか、ホームセンター大手カインズでは、40年かけて積み重ねてきたホームセンターとしてのあり方を見直し、IT小売企業として生まれ変わろうとしています。カインズでデジタル戦略本部長を務め、戦略の指揮をとる池照 直樹氏に、同社のデジタル戦略についてお話を伺いました。 前編は、カインズがどのようにしてデジタル化を実現させていったのか、具体的な取り組みを交えてお届けします。