マーケティング

デジタルシフトの要はマーケティング業務の“見える化”にある

近年、小売業界ではデータを活用したPDCAサイクルの高速化など、マーケティングのデジタルシフトが進んでいる。しかし一方で、いざ推進しようとしても、デジタル領域に精通した人材が社内にいないという悩みを抱えている企業も少なくない。では、どうすればデジタルを効果的に活用できる組織を作ることができるのだろうか。
今回は、現在「デジタルを活用したマーケティング構造改革」が進行中の株式会社カネボウ化粧品を取材。その取り組みについて、マーケティング部門 コミュニケーション企画グループ 部長加藤義久氏に、同社のデジタルシフトを支援するオプトの石橋 優氏も交えてお話を聞いた。

■「マーケティングのデジタルシフトは早急に取り組むべき課題」というトップの危機感

――日本の小売業界ではいたるところでマーケティングのデジタルシフトが重要だと言われていますが、カネボウが「デジタルを活用したマーケティングの構造改革」に本格的に注力することになった理由とは?

加藤:その大きなきっかけは2018年1月から弊社の社長に就任した村上が、特に重視している課題がデジタルシフトで、就任早々にそれを推進すべく大号令をかけたことにあります。

私自身もブランドのコミュニケーションに携わっている中で、デジタルシフトの重要性についてはコミュケーション効率の点で常に考えていたところで、ある意味渡りに船でした。ただ、いきなり方針をシフトするにも、デジタルに関する知識もナレッジもまだまだ足りていないため、環境だけを整備しても実現はできないと考えました。

ですので、まずはそれぞれのブランド(マーケター)が抱えている課題感と、デジタルを活用することでその課題を解決し、自身の業務がさらにブラッシュアップされるということを理解してもらうことが先だと考えました。

――デジタルマーケティングの発想とは、どういったものでしょうか?

加藤:デジタルマーケティングの長所はコミュニケーションターゲットを見極めて深掘りできることだと思っています。カネボウはマス広告を主流としたコミュニケーションの展開期間が長く、世の中に対して大きなPR施策を行い、そこからシャワー効果で認知を広げていくという手法がコミュニケーションの王道になっていました。

しかし、ソーシャルメディアがワン・トゥ・ワンのコミュニケーションを加速化したように、デジタルの環境が生活者にとって当たり前になった昨今では、企業とお客様のコミュニケーションも大きく変化しました。私はこの変化の一番大きなポイントは、インタラクティブなコミュニケーションと、より具体的なフィードバックにあると思っています。デジタルマーケティングでは、この発想を取り込むことが重要で、こうした考え方を社内に浸透させるには、まず全社的な構造改革が必要だと考えたのです。

■最大のボトルネックはPDCAが回っていないこと

――そこからなぜオプトがデジタルシフトの支援をすることに?
石橋:最初は勉強会のご依頼でした。デジタルマーケティングに力を入れたいけれど、その領域に詳しいメンバーがいないということでしたね。
加藤:オプトさんとは10年以上前から広告出稿でお取り引きさせていただいていましたが、今回の取り組みの直接的なきっかけは、「メディアプランニングの担当者にデジタルのスキルを身につけさせたいから、社内勉強会のプログラムを考えてほしい」という社内の要望があったことです。でも、最先端のデジタルスキル習得云々の前に、その基本となる発想を身につけることに優先順位をおきました。

また、PDCAのサイクルが正常に回っていなかったこともボトルネックでした。コミュニケーション施策のゴール設定から進捗の適切な管理、施策実施後は効果検証から次のプランニングへのフィードバック。そういうマーケティングの基本をまずは整理する必要がありました。

だから、うちのメディア企画担当者にはまず、デジタル時代のマーケティングに対する発想というものを把握してもらう必要がありました。それでウェブ系の総合広告代理店であるオプトさんに、デジタルマーケティングのワークショップを行ってもらうことにしたんです。

実際、3日間のワークショップでは参加した全員が目からウロコでした。じゃあ、ここで得た学びを社内に浸透させるにはどうしたらいいか。ということで、その方法を各ブランドの担当者と一緒に考えてもらい、その過程を私たちの学びとするために、オプトさんのコンサルサービスを導入することになったんです。

――具体的な提案ありきではなく、一緒に考えるパートナーとしてオプトを選んだということだったんですね。そこから石橋さんがカネボウに常駐することになったわけですが、実際に取り組みを始めてみて、どのような課題が見えてきましたか。

石橋:カネボウさんは「PDCAサイクルがきちんと回せていないのではないか」というはっきりした課題意識を持たれていましたから、まず私たちはその原因を探していきました。その結果、各担当者のみなさんがあまりにも日々の業務で忙しく、マーケティングのPDCAを回す余裕がないという状況が見えてきたんです。

そこで限られた時間の中でもPDCA業務をスムーズに回せるようにするため、誰でもPDCAが正常に回っているかチェックできる“標準の型”をフォーマットとして作ることになりました。

■マーケティング業務をデジタル化によって徹底的に“見える化”する

――その“標準の型“とはどういうものでしょう?
加藤:各ブランドの担当者はみんな非常にタイトなスケジュールで仕事をしています。ただ残念なことに、それだけ一生懸命にやっていることに対する適切なフィードバックができていないという状況になっていました。自分たちが必死にやっている業務が何につながっているのか。設定したゴールに正常に向かっているのか。プロジェクトの全体を見渡して振り返る機会が作れていなかったんです。

だから、この業務はプロジェクトの中のどういう位置にあって、どういう目的のためにやっているのか。それを常に振り返ることで、迷子にならないようにする“地図”を作りたいと思いました。これも、デジタルツールを活用すれば、上司部下も含め、いつでも関係者の全員が状況を共有して把握できるようになる。つまり、マーケティング業務をデジタルによって徹底して“見える化”する。それがPDCAの正常化に直結すると思っています。

石橋:フォーマットを作る一番の目的は、役員の方から現場のマーケターの方まで、全員が同じ言語でマーケティングを語れるようにするところにあります。だから最初はPDCAサイクルをチェックするフォーマットも10個くらい作ったのですが、そこから本当に必要で、かつみなさんが共通して使えるものにするため必要な要素を絞り込んでいきました。

加藤:その結果、コミュニケーション施策の最終的なゴール(KGI)をプランニングするための設計フォーマット、進捗がリアルタイムで確認できるモニタリングダッシュボード、施策の効果を検証するレビューフォーマットの3つにブラッシュアップしていただきました。

この3種類のフォーマットを使えば、施策のひとつひとつのフェーズでやるべきことが明確になり、プロジェクトのボトルネックがどこにあるのかも一目瞭然でわかります。このレポートは使えば使うほどデータベースにナレッジとして蓄積されていくので、「前回はここがダメだったから、こう変えてみよう」というように、バナー広告の運用状況レベルから振り返ることができます。実践ベースでPDCAサイクルを正常化できると期待しています。

■プロダクトが売れても、マーケティングの成功とは言えない理由

――まさにマーケティング業務の“見える化”がPDCAサイクルを回すためのカギだった。
加藤:弊社に限らずだと思いますが、従来のマーケティングの効果測定というのは、「商品やサービスが売れたかどうか」という判断になりがちだったと思います。それは確かに正論ではあるのですが、この考え方を突き詰めると、最後は精神論になってしまうというケースも多々あります。

マーケティングで重要なのは「なぜ売れたのか。なぜ売れなかったのか」という要因を明確にし、ナレッジとして蓄積して会社の力に変換することです。このプロセスを踏まないと本当の意味でのマーケターも育ちません。

石橋:そこには単に売れたといっても、“狙った通りの売れ方”だったのかという問題があります。例えば、若年層に向けてコミュニケーションをプランニングしたのに、蓋を開けてみたら30代、40代が主な購入層だった。結果だけを見ればヒットですが、それはプロダクトの成功であって、マーケティングの成功ではないんですよね。

――なるほど。つまり、本来狙っていた対象に売れなかったのであれば、そのヒットには再現性がないということですね。

加藤:だから、最初に設定したKGIがちゃんと達成できているかチェックできる仕組みが必要なんです。「売れたのだから正しかった」では、それがたまたまなのかどうかわからない。私たちが考えるデジタルシフトとは、「デジタルでどんな施策をするか」にあるのではなく、デジタルツールを活用することで、社員全員にマーケティングの基本的な発想を身につけてもらうことだと思っています。

■きちんとした効果測定がデジタルマーケティングの精度を上げる

――コミュニケーション施策の最終的なゴール(KGI)をプランニングするためのフォーマットを作成する際、化粧品会社だからと特に重視して入れた項目はありましたか?

石橋:やはり見るべき指標としてソーシャルメディアでの口コミが大切になる業界ですので、その目標値をどのように設定して、どのように計測するかという項目は意識しました。ただ、最近の小売業界ではどの企業も口コミを重視されていますから、特別に「化粧品会社だから」入れたというわけではありませんね。

――口コミの目標設定と効果測定は、どのように行うのでしょう?

加藤:エモーショナルなところで攻める業界でもあるので、なかなか具体的に言語化することが難しいところでもあるのですが、まず仮説として、販売に直結しそうな露出の仕方を考え、それがこう口コミされることが理想であるというゴールをブランドごとに設定します。

ここで気をつけないといけないのは、アウトプットのイメージを抽象的にしすぎないことです。たとえば、「#潤ってハリ肌」というハッシュタグが露出してほしいと考えても、そんな言葉を一般の消費者は誰もSNSに書かないじゃないですか。シンプルに「#すごく潤う」というように、マーケターの狙いを消費者目線の言葉に翻訳しないといけません。

――しかし、ブランドを担当するマーケターの商品に対するこだわりが強いほど、消費者目線を身につけるのは大変になるのでは?

加藤:だから、売り上げとは別に、きちんと口コミを効果測定できるフォーマットがあることが大切なんです。自分たちが無茶苦茶なハッシュタグの露出を考えたとしても、実際にお客様が使っている言葉はまったく別だったとわかれば、それが学びになって次から改善される。ウェブ広告運用も含め、基本はトライアル&エラー&フィードバックを繰り返し、蓄積をすることでしかデジタルマーケティングの精度は上がらないと思います。

■イメージしたのは「社内限定のソーシャルメディア」

――このフォーマットは6月から本格的に導入したとのことですが、社内にスムーズに浸透していきそうですか?

加藤:このフォーマットを導入する目的はマーケティング業務を見える化して、PDCAサイクルを正常に回していくことにあります。ただ、私たちが考える“見える化”とは、単に日々の業務を効率化するためだけのものではないんです。

マーケティング業務を見える化することでわかるのは、お客様のニーズだけではありません。自分たちが日々やっている業務のひとつひとつも、全体の中でどういう役割を担っているのか見えるようになる。誰だって苦労してやった仕事は、誰かに見ていてほしいと思うし、適切に評価してほしいと思うじゃないですか。そういう承認欲求をベースに広まったのがソーシャルメディアですよね。

今回、オプトさんにもっとも労力をかけてもらったのが、進捗をリアルタイムで確認できるモニタリングダッシュボードです。これをお願いする際に私がイメージしたのが、まさに弊社オリジナルのソーシャルメディアだったんですよ。パソコンを経由して関係者の全員が常時アクセスできる場所。楽しかったことも、苦労したことも、すべてを仲間と共有できる場所です。

私自身、これまでは自分たちの業務が全体の中でどんな位置にあるのか、それが売り上げにどうつながるのかも明確に把握できないまま何カ月もプロジェクトに関わり、「終わったら次」というサイクルを繰り返してきました。だから、個々の業務が適切に評価される場所を作ることができれば、これまでデジタルツールに疎かった社員でも、進んで活用してくれるようになると考えています。

■デジタルシフトが自然と終わるとき

――業務を改善させるツールが、社内を活性化させることにも役立つわけですね。
加藤:究極的にはものが売れることが大切なのですが、自分たちが世に出した商品やコンテンツに対して、「素敵ですね」と言ってもらえることは、何よりも仕事の活力になるじゃないですか。そういう声が現場の人間にもきちんとフィードバックされる環境ができれば、マーケターの業務も活性化されるし、商品開発も活性化される。

今回のオプトさんとの取り組みがそのきっかけになるのは間違いないですし、それが実現できたときにはじめて、「デジタルを活用したマーケティング構造改革」の第1フェーズが達成できたと自信を持って言えるようになると思っています。

――では、その先に見据える第2、第3フェーズの展望とは?

加藤:まずは社員のひとりひとりがツールをしっかり使いこなし、自分のやっている業務が全体の中でどんな位置にあるのか、いつ聞かれても理路整然と答えられるようになることですね。

石橋:ご担当者様が、お客様とのコミュニケーションのチャネル選択について、はっきりと自分の言葉で語れるようになるまでサポートしていきたいと思っています。たとえば、インスタグラムで広告を打つにしても、ぼんやりと若年層が主に使っているからという理由になりがちです。

こういうターゲットに対して、こういうコミュニケーションを行っていきたいから、インスタグラムにこういうコンテンツを展開すると効果的なのではないか。そういうふうにチャネルごとの特性を踏まえた説明ができるようになるためのツールとしても、このフォーマットを役立てていただきたいです。

加藤:目標に向かってブレずにコミットできる人材を育成するために、デジタルの便利な機能を駆使していくということが、デジタルシフトの本来の意味だと思います。そういう意味では、こうしたツールを活用することで、社内全体でデジタルマーケティング的視点を身につけ、デジタルマーケティングを特に意識せずとも駆使できるようにしていきたいですね。その結果、デジタルシフトのための取り組みを自然に終わらせていくことが理想です。

プロフィール

加藤 義久(Yoshihisa Kato)
株式会社カネボウ化粧品 
マーケティング部門 コミュニケーション企画グループ 部長

2005年カネボウ化粧品中途入社。広告制作、商品PR、媒体企画を経て、2015年にWeb・SNS業務を取りまとめる専門チームを社内で立ち上げる。現在は各ブランドの、Web・SNSを中心としたコミュニケーションPDCAのサポートおよびマーケティング部門のデジタル業務のフレームワークづくりに従事。
石橋 優(Yu Ishibashi)
株式会社オプト マーケティングプランナー

2007年オプト入社。営業、プランナーを経験し、2017年よりマーケティングプランナーに。化粧品業界、小売業界を中心に、企業のデジタルシフトをサポートするコンサルティングに従事。

人気記事

新社長はベイシアをどう「尖らせる」のか。ベイシア社長 相木孝仁氏に立教大学ビジネススクール田中道昭教授が迫る【前編】

新社長はベイシアをどう「尖らせる」のか。ベイシア社長 相木孝仁氏に立教大学ビジネススクール田中道昭教授が迫る【前編】

ホームセンターのカインズにワークマン、東急ハンズなどをグループ会社に持つベイシアグループ。その中核をなすのが東日本をメインに展開する食品スーパー大手のベイシアです。広大なワンフロアの店舗で地域住民のニーズに応える圧倒的品揃えと価格を実現し、その動向は常に業界内での注目を集めています。今回の対談では、立教大学ビジネススクールの田中道昭教授と、今年7月にベイシアの新社長に就任された相木孝仁氏の二人が、新体制となったベイシアの独自戦略について意見を交わします。 前編は相木社長の経歴と社長就任までの経緯、ベイシアグループが標榜する「ハリネズミ経営」、高品質なプライベートブランド(PB)の開発および販売戦略、今後の出店戦略などについてお話をうかがいます。

【徹底解説】「X to Earn」とは何か。誰もがゲームや遊びで稼げる時代は来る!? DEA創業者に聞く<前編>

【徹底解説】「X to Earn」とは何か。誰もがゲームや遊びで稼げる時代は来る!? DEA創業者に聞く<前編>

YouTubeに代表される動画投稿サイトなど、個人が発信することのできるツールの出現により、好きなことをして稼ぐための選択肢は増えています。そして現在、ゲームや徒歩、勉強さらには睡眠をするだけで稼ぐことのできる「X to Earn」というムーブメントが生まれつつあります。「ゲームで遊んで稼ぐ」なんてことが本当に可能なのか? 多くの人が抱える疑問について今回お答えいただくのは、Digital Entertainment Asset Pte.Ltd.(以下、DEA)のFounder & Co-CEOの山田 耕三氏。インタビュー前編では「X to Earn」の仕組みと種類、今後の可能性など、未だ発展途上の新しい経済圏について根ほり葉ほりお話を伺いました。

変革を求められる小売業界。「スーパーを超えていく」ベイシアの小売DX戦略とは。ベイシア新社長 相木孝仁氏×立教大学ビジネススクール田中道昭教授【後編】

変革を求められる小売業界。「スーパーを超えていく」ベイシアの小売DX戦略とは。ベイシア新社長 相木孝仁氏×立教大学ビジネススクール田中道昭教授【後編】

ホームセンターのカインズにワークマン、東急ハンズなどをグループ会社に持つベイシアグループ。その中核をなすのが東日本をメインに展開する食品スーパー大手のベイシアです。広大なワンフロアの店舗で地域住民のニーズに応える圧倒的品揃えと価格を実現し、その動向は常に業界内での注目を集めています。今回の対談では、立教大学ビジネススクールの田中道昭教授と、今年7月にベイシアの新社長に就任された相木孝仁氏の二人が、新体制となったベイシアの独自戦略について意見を交わします。 後編は相木社長が抱く野望と「メガSPA & DX小売」の概要、ベイシアが従業員に求めるオーナーシップのあり方、そして小売DXの中核を占めるネットスーパーとeコマース戦略についてお話をうかがいます。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国企業の最新動向から、DXのヒントを探っていく本連載。今回は、ガソリン車に代わるモビリティとして期待が高まるEV(Electric Vehicle=電気自動車)と、その核とも言える自動運転技術で世界をリードする中国の強さに迫ります。前編では「EV先進国」の名を欲しいままにしているその理由を、国の政策や技術の面から探ってきました。後編となる今回は、自動車産業に参入してきた新興メーカー3社を紹介するとともに、日本の立ち位置の考察、中国が抱える課題を話題に進めていきます。

日本5社目のユニコーンと報じられた「Opn」。世界を舞台に急成長を遂げるフィンテック企業の展望とは

日本5社目のユニコーンと報じられた「Opn」。世界を舞台に急成長を遂げるフィンテック企業の展望とは

伝説の幻獣である「ユニコーン」になぞらえて、企業価値評価額の高いスタートアップを評する言葉、「ユニコーン企業」。アメリカや中国でその数が増え続けている一方で、日本では未だ、少ない状況にあります。そんななか、2022年5月にシリーズC+ラウンドで1億2,000万ドルを調達し、日本5社目のユニコーンと報じられた企業があります。それが創業からグローバルを視野に事業を営み、東京やバンコクなどアジア6カ国を拠点とするフィンテック企業、Opn株式会社です。 さらに資金調達と同時に、ビジョンと戦略を刷新。無駄を削ぎ落し、鋭さの増した同社の成功を支える組織とプロダクトの強み、次に目指す世界について、創業者であり、代表取締役CEOを務める長谷川 潤氏にお話を伺いました。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。

【記憶力は才能でも努力でもない】AIで記憶の定着を助けるアプリ「Monoxer」で日本の教育が変わる

【記憶力は才能でも努力でもない】AIで記憶の定着を助けるアプリ「Monoxer」で日本の教育が変わる

問題を解くことで記憶の定着化を図るアプリ「Monoxer(モノグサ)」。これまで必死に書いたり読んだりすることで闇雲に覚えていた学習を、よりスマートに記憶化させるということで、小中学校から高校、大学、専門学校、さらには塾、社会人教育など幅広い場に導入されています。AIがその人のレベルに合った問題とヒントを出してくれて、定着した後も定期的な反復練習で忘れることを防いでくれます。Monoxerを導入することで学習のスタイルはどう変わるのか? モノグサ株式会社の代表取締役 CEOを務める竹内 孝太朗氏に、記憶と学習の関係についてさまざまな視点からお話を伺いました。

NFTゲームが富の再配分に寄与する事例も。DEA創業者に聞く、「X to Earn」の可能性<後編>

NFTゲームが富の再配分に寄与する事例も。DEA創業者に聞く、「X to Earn」の可能性<後編>

YouTubeに代表される動画投稿サイトなど、個人が発信することのできるツールの出現により、好きなことをして稼ぐための選択肢は増えています。そして現在、ゲームや徒歩、勉強さらには睡眠をするだけで稼ぐことのできる「X to Earn」というムーブメントが生まれつつあります。「ゲームで遊んで稼ぐ」なんてことが本当に可能なのか? 多くの人が抱える疑問について今回お答えいただくのは、Digital Entertainment Asset Pte.Ltd.(以下、DEA)のFounder & Co-CEOの山田 耕三氏。インタビュー後編では、ゲームと金融の融合で生まれたGameFiの歴史、そのGameFiが実際に解決したフィリピンの貧困問題、Web3時代のゲームと社会の関係などについてお話を伺いました。

マンガアプリ世界NO.1。急成長市場の覇権を握る「ピッコマ」の戦略

マンガアプリ世界NO.1。急成長市場の覇権を握る「ピッコマ」の戦略

8万以上タイトルの人気マンガやノベルを取り扱い、累計ダウンロード数は3,000万を超える電子マンガ・ノベルサービスの「ピッコマ」。サービス開始は2016年4月という後発ながら、23時間待てば一話を無料で読める「待てば¥0」サービスを他社に先駆けて導入するなど、新しい試みを積極的に取り入れ業界トップに君臨しています。短期間でピッコマが躍進を遂げた理由から、従来のマンガに代わる新しい表現形式である「SMARTOON」の魅力、今後のグローバル展開について、株式会社カカオピッコマ常務執行役員の熊澤 森郎氏にお話を伺いました。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

「ユニコーン企業」ーー企業価値の評価額が10億ドル以上で設立10年以内の非上場企業を、伝説の一角獣になぞらえてそう呼ぶ。該当する企業は、ユニコーンほどに珍しいという意味だ。かつてのfacebookやTwitter、現在ではUberがその代表と言われている。この連載では、そんな海外のユニコーン企業の動向をお届けする。今回は欧米を中心に注目されている「代替肉」を扱う「インポッシブル・フーズ」を紹介する。

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国企業の最新動向から、DXのヒントを探っていく本連載。今回は、ガソリン車に代わるモビリティとして期待が高まるEV(Electric Vehicle=電気自動車)と、その核とも言える自動運転技術で世界をリードする中国の強さに迫ります。前編では「EV先進国」の名を欲しいままにしているその理由を、国の政策や技術の面から探ってきました。後編となる今回は、自動車産業に参入してきた新興メーカー3社を紹介するとともに、日本の立ち位置の考察、中国が抱える課題を話題に進めていきます。

Facebookも注目の「メタバース」とは何か? スマホ向けメタバース「REALITY」のDJ RIO氏に聞く

Facebookも注目の「メタバース」とは何か? スマホ向けメタバース「REALITY」のDJ RIO氏に聞く

Facebookが社名を変更し、中核事業に据えるほど力を入れる「メタバース」。2021年8月にはグリー株式会社が、今後2~3年で100億円規模の事業投資を行い、グローバルで数億ユーザーを目指すと発表しましたが、その中核を担うのが、グリー株式会社の子会社であり、これまでバーチャルライブ配信アプリを手がけてきたREALITY株式会社です。今回は、そんな同社の代表を務めるDJ RIO氏にインタビュー。そもそもメタバースとは何なのか。なぜこんなにも注目が集まっているのか。メタバースは、世界のあり方をどのように変えるのか。メタバース初心者のビジネスパーソンには必読のインタビューです。

デジタル戦略で生まれ変わるカインズ。ホームセンターからIT小売企業への変遷の軌跡【前編】

デジタル戦略で生まれ変わるカインズ。ホームセンターからIT小売企業への変遷の軌跡【前編】

生産労働人口の減少を受け、日本企業はいよいよ生き残りをかけたデジタル化に取り組まなければいけないと言われるフェーズに入ってきました。とはいえ、それができている企業とそうでない企業との差が激しくなっているのも現状です。 そんななか、ホームセンター大手カインズでは、40年かけて積み重ねてきたホームセンターとしてのあり方を見直し、IT小売企業として生まれ変わろうとしています。カインズでデジタル戦略本部長を務め、戦略の指揮をとる池照 直樹氏に、同社のデジタル戦略についてお話を伺いました。 前編は、カインズがどのようにしてデジタル化を実現させていったのか、具体的な取り組みを交えてお届けします。