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遅れる学校法人のペーパーレス化。1年半で2,500件の電子化に成功した帝京大学の先進的な取り組みを大公開

2020年12月8日、株式会社エイトレッドはオンライン説明会を実施し、学校法人のペーパーレス改革市況と、デジタル化の推進に成功した学校法人 帝京大学の事例について紹介しました。本稿では、コロナ禍においても進んでいないと言われる大学のペーパーレス化の実情と、来年以降のデジタルシフトへの兆し、さらに1年半で2,500件もの稟議書を電子化した帝京大学の取り組みについて報告します。

遅れるペーパーレス化、稟議に紙を使う大学・専門学校は65.8%も

コロナ禍によって、公共や民間企業で働き方が変化し、テレワークが当たり前の状況になりつつあります。もちろん、この変化は学校法人でも同様でしょう。しかし校務に焦点をあてると、実はまだデジタルシフトが進んでいるとは言えない状況が浮き彫りになっています。

エイトレッドが運営するワークフロー総研の調査(2020年4月、対象者234名)によれば、「稟議の承認作業で紙を使っている大学・専門学校は65.8%にも上っていた」とのこと。そのため、わざわざ学校に行き、稟議書に承認印を押す作業が発生していることが分かりました。

また同じ調査によると、紙で承認業務を行った場合に、承認までのスピードが遅くなると感じている関係者は80%を占めました。どこで承認が止まったのかを把握できないだけでなく、書き間違えれば再度やり直してプリントする必要があるなど、多くの課題が挙げられています。
大学・専門学校職員向け稟議申請・承認業務に関するアンケートその1

大学・専門学校職員向け稟議申請・承認業務に関するアンケートその1

出典元:ワークフロー総研「大学職員・専門学校職員のワークフローに関するアンケート調査」(2020年4月)
大学で稟議申請を行う具体的なシーンといえば、PC・ITシステム、文房具などの物品購入・管理や、出張の申請が半数以上で、そのほか出退勤管理、研究費預り金の管理など、学校ならではの校務も多くあります。

そのような状況で、稟議申請や承認業務の電子化・システム化を望む声は85.6%と大多数を占めており、「ワークフローシステムで30%以上の業務削減の可能性があること」も示されました。
大学・専門学校職員向け稟議申請・承認業務に関するアンケートその2

大学・専門学校職員向け稟議申請・承認業務に関するアンケートその2

出典元:ワークフロー総研「大学職員・専門学校職員のワークフローに関するアンケート調査」(2020年4月)

ようやく動き出した大学のデジタルシフト!? 承認・稟議のデジタル化に関する来年度予算を40%の学校が確保

ところが、大学のペーパーレス化が遅れている状況は現在も続いているようです。直近12月の調査結果(対象者249名)でも「デジタル化のスピードに満足していない」という回答が68.7%という結果でした。

一方、新政権のもとでデジタル庁が発足することで、政府によるデジタルガバメントの施策が進むことが予想されます。「行政が動けば、必然的に学校も紙文化からペーパーレス化へ向かう」と期待する関係者が多く、今年はデジタルシフトが加速しそうだという声もあります。

実際のところ、承認・稟議業務デジタル化の予算をすでに確保している学校は40%に上り、ようやく本格的に動き出しそうな明るい兆しが見えてきているとのことです。
大学・専門学校職員向け稟議申請・承認業務に関するアンケートその3

大学・専門学校職員向け稟議申請・承認業務に関するアンケートその3

出典元:ワークフロー総研「学校現場における稟議や申請・承認業務の実態及びデジタル化への関心の実態把握に関するアンケート調査」(2020年12月)

稟議申請用紙のデジタル化と、時間がかかる承認業務の改善に着手

そんな中、エイトレッドの説明会でデジタルシフトの好例として紹介されたのが、ペーパーレス化を成功させた帝京大学の事例です。

1966年に創立した帝京大学は、全国5ヵ所にキャンパスがあり、10学部32学科が設置されています。学生数22,363人、教職数1,377人、大学職員数594人と大規模な学校法人で、このほかにも短期大学、幼稚園・小・中・高校など12の教育機関、附属病院、研究所・センターを擁しています。

大所帯と言える帝京大学ですが、「歴史を凌ぐ面白い教育・研究機関」「社会的観点からの大学運営・教育研究」「病院機能の強化」という3つの観点から学内IT基盤を強化し、意思決定の迅速化と業務改革につながる電子化を進めてきたそうです。

そんな帝京大学のデジタル化にも、大きな課題が残っていました。それは各大学や研究所・センターなどに、多くの紙の稟議書が存在していることでした。

「特に本部から遠い福岡などの拠点では、稟議書の決裁に1か月以上かかってしまうことはざらでした。また対面決裁のために、行列になる光景も珍しいものではありませんでした。さらに拠点によって稟議の書式や承認ルートが統一されていないことも、事務作業を煩雑化させる原因になっていました。」と振り返るのは、帝京大学の日座 寛之氏。
帝京大学 本部情報センターAgileWorks担当 日座 寛之(ひざ ひろゆき)氏

帝京大学 本部情報センターAgileWorks担当 日座 寛之(ひざ ひろゆき)氏

経営層からは、承認業務・稟議申請のデジタル化を進めることを求められていたそうです。そんな背景から帝京大学では、ワークフローシステム導入の検討が始まりました。

3つの要件を満たすワークフローシステムとして選定された「AgileWorks」

とはいえ、闇雲にワークフローシステムを導入するわけにはいきません。選定にあたっては、以下の要件を満たす必要がありました。

・キャンパスが分かれているため、大規模組織の運用実績を持つシステムであること

・カスタマイズすると改修費がかかり、メンテナンスも大変であるため、パッケージのままで利用できること

・運用面の観点から、ノーコードで帳票や承認ルートを作成できること

これらの要件を満たすソリューションは6つに絞られたのですが、ワークフロー専業ベンダーのエイトレッドが提供する「AgileWorks」が最終的に選定されました。

同社の製品は大規模組織での運用実績も多く、すでに50以上の大学でも導入実績がありました。また、AgileWorks自体の特徴として、日本独特の商習慣に柔軟に対応できるだけでなく、既存の帳票フォームをそのままに近いイメージでWeb上でも表現できることが重要なポイントだったとのことです。
AgileWorksの画面例。既存の帳票類やExcelの書式に近いイメージで表現できるため、従来どおりの入力が可能で運用もラク。

AgileWorksの画面例。既存の帳票類やExcelの書式に近いイメージで表現できるため、従来どおりの入力が可能で運用もラク。

1年半で約2,500件の稟議書の電子化に成功! 承認時間も最短1日に

帝京大学では、運用の観点から「できるだけ帳票を紙イメージのまま使いたい」という要望がありましたが、AgileWorksはまさに、その条件に適うものでした。また当初の要件のように、現場に負担をかけず、ノーコードで電子化できることも気に入っていただけたようです。部署によっては、決裁金額で承認ルートが変わるため、複雑な条件分岐に対応できることも重要でした。

「現実的なコスト面で見たとき、ユーザー数あたりの料金がかかると、職員が多い我々のような大学は不利になります。AgileWorksは、同時接続数ライセンスによって料金が決まるソリューションで、計画的な導入が可能なことも選定の決め手になりました。」(日座氏)。

帝京大学では2019年4月からAgileWorksの本番導入を始め、2020年9月までの約1年半の間に約2,500件もの稟議書の電子化を実現。これはかなりの成果だと言えるでしょう。稟議書以外にも、事前相談書や月次報告書なども次々と電子化が進みました。
AgileWorks導入後1年半での具体的な運用状況。2,500件の稟議書のデジタル化に成功。月あたり200件以上と考えると、かなり良い成果だと言える。

AgileWorks導入後1年半での具体的な運用状況。2,500件の稟議書のデジタル化に成功。月あたり200件以上と考えると、かなり良い成果だと言える。

実際にAgileWorksを導入してみると、意思決定が非常に早くなり、案件によっては1か月以上かかっていた稟議期間も、1~10日前後に短縮されたそうです。


「稟議書の書式と承認ルートも例外がないように現場側に依頼し、標準化を進める工夫を凝らすことで、業務がいっそう効率化されました。なによりも稟議承認の時間が減り、経営層からも高く評価されました。」と日座氏。

さらなるデジタルシフトへ! 全学導入に向けた4つのプロジェクトを同時進行中

新型コロナウイルス感染症の影響で対面業務が困難な状況になる中、帝京大学では重要度が比較的低い稟議を電子化してワークフローで回し、経営層が対面での説明を求めた場合にはワークフローと対面決裁を併用する運用を行っているそうです。

ほとんどの稟議書の申請・承認業務について、自宅や移動先の空き時間を有効活用して処理ができる環境が整ったとのこと。このようなデジタルシフトの成功を受けて、「他の帳票類についても電子化を進めたい」という現場の声が高まっているそうです。

日座氏は「さらなる業務改善・効率化を目指します。いま全学導入に向けた4つのプロジェクトを同時進行しており、他キャンパスや法人内の各学校、研究所、センター組織への導入も進めていく予定です。情報系のみならず、基幹系の会計システムなどの連携も視野に入れています。」と、今後の展開について語りました。

帝京大学に限らず、学校法人にはまだ多くの紙処理業務が残されています。特に規模が大きな大学ほど、デジタル化による伸びしろがあり、大きな成果を得られる可能性が十分にあるのではないでしょうか。

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