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「共創パートナー」と共に「IX(産業変革)」を加速していく、新COOの挑戦。デジタルホールディングス 取締役 グループCOO 金澤大輔氏×立教大学ビジネススクール田中道昭教授対談

2020年7月にオプトホールディングから社名を変更したデジタルホールディングス。従来のインターネット広告代理事業に代わり、企業のデジタルシフトを支援する事業を中核に据え、日本社会の挑戦の先陣を切り、社会のデジタルシフトを牽引する存在となっていくことを掲げています。

企業のデジタルシフト事業を中核に据えたデジタルホールディングスはどう変化し、変革の先にどんな未来を見据えているのか。元株式会社オプトの代表取締役社長CEOにして、現在は株式会社デジタルホールディングス 取締役 グループCOOを務める金澤大輔さんをゲストに迎え、立教大学ビジネススクール田中道昭教授がお話を伺います。
後編では、デジタルホールディングスが手がける産業変革・IX(Industrial Transformation)の一例である調剤薬局のIX推進事業から、アメリカのヘルステック業界の現状、産業変革をよりスピードアップして進めていくための共創パートナー構想についてお話を伺います。

*本稿は対談の要旨であり、実際の対談内容は動画をご覧ください。

「情熱オーナー」を起点に、現場と泥臭く向き合いながら志す産業変革

田中:今、グループ全体として「産業変革」すなわち「IX(Industrial Transformation)」を掲げて、すでに調剤薬局の分野で実績を上げていらっしゃいます。マーケティングの4Pの中の「プロモーション」だけではなく、マーケティング全体、さらにはビジネス自体を支援し、「共創」という形でパートナーやクライアント企業とともに産業を変革していく。その第一弾が薬局業界のIXになるかと思いますが、まずはこれについて詳しくお聞かせください。

金澤:私たちは今、DXの先に産業変革・IX(Industrial Transformation)を起こしていくという新たな構想を打ち出しています。我々が目指すのは、「新しい価値創造を通じて産業変革を起こし、社会課題を解決する。」ことであり、その第一弾が薬局業界のIXです。現在、薬剤師の方は「今やりたいこと」よりも「やるべきこと」に追われていて、本来あるべき価値を十分に発揮できているとは言えません。これらの課題をデジタルシフトの推進で解決し、働いている人たちの価値を最大化できるのではないか?と考え、事業を進めています。当社はLINEさんとも広告事業を通じて信頼関係を築いており、事業開発をともに進めることができる強固な関係があります。そこで多くの方が利用するLINEを活用して薬局のDXを進め、かかりつけの薬局での処方箋・問診票の送信や服薬の管理、薬に関する相談など、日々のコミュニケーションを非対面のLINE上で行えるようにする。そのようなサポートを通じて、薬剤師の働く価値をもっと素晴らしいものにできるのではないか、というコンセプトで、薬局業界のIX「Pharmacy X」に挑戦し始めています。

田中:調剤薬局といえば、私が12月に発売する新刊はヘルスケアをテーマにしています。モデルナなどの企業を中核に執筆していますが、その中でアメリカに行くとよく見かける「CVSヘルス」という米国最大のドラッグストアチェーンについても詳しく紹介しています。CVSヘルスは非常に面白い会社で、9900ほどの店舗を構える米国最大のドラッグストアチェーンであると同時に、米国最大のPBM(ファーマシーベネフィットマネージメント)として大企業の健康保険組合や保険会社の支払人の代理人として製薬会社と交渉をして薬価を下げる、両方の仲介役としての役割も兼ねています。米国最大の9900店舗を持つドラッグストアチェーンでありながら、米国最大のPBMであるという両輪を有するビジネスモデルなのです。もうひとつ、今回CVSヘルスを深くリサーチして非常に面白いと思ったのは、2018年11月にエトナという1億人ほどの会員を持つ健康保険サービスの会社を買収したことです。CVSヘルスはドラックストアの店舗に併設の形で約1100の簡易医療施設(ウォークイン・メディカル・クリニック)を持っています。エトナを買収することで1億人以上の健康保険サービスの会員が、CVSヘルスに併設されている1100のクリニックも利用することができるなど、非常に面白いツー・サイド・プラットフォームを提供しています。当然、店舗自体もDX化されており、アプリでもいろいろな商品やサービスを提供していますし、コロナ禍でオンライン診療も提供しています。規制の問題もありますが、CVSヘルス一社だけを見ても日本の調剤薬局とはあまりにも違います。日本はまず規制の壁を突破しなければならない。そこも含めてチャレンジしていただきたいと思います。改めて、薬局業界は非常にチャンスの大きい業界ですよね。

金澤:そうですね。医療関連を含めたヘルステック業界にはポテンシャルがあると感じているので、そういったグローバルな事例は参考になります。特にデジタルを基点にして、どうやってリアルに活かしているかという方法は、日本だとまだあまり見ることができず、非常に参考になります。

その上で、我々が今、事業を推進していく中で重要だと思っているのは「情熱オーナー(事業に対し情熱を持つ事業責任者)」が頻繁に現場に通うということです。事業責任者が薬局に足繁く通い、皆さんの困りごとや接客のプロセスとリアルに対峙して、そこで初めて自分たちの仮説が合っていたのかどうかが分かる。特に日本の場合は、泥臭くやるのが重要だと考えています。例えばデジタルシフトをやりましょうと言うと、特に産業に従事している現場の方からは「わかるけれども、そうは言っても……」というような声が挙がることが多いです。ボタンのズレが起きる中で、そのズレを埋めるために、現場の方をリスペクトしながら、どうやったらお手伝いできるかを考える。ここが、我々が産業変革・IX(Industrial Transformation)をやっていく際に重要だと思っているポイントです。ここはオプト時代に広告産業と向き合う中でも学んできたことなので、このスタンスは変えずにデジタルシフトにトライしていきたいと思っています。

田中:そうですよね、そこがまさに旧オプトの強みですよね。

金澤:ありがたいことに当社グループの社員は、世の中を変えたいという思いはもちろんですが、自分の成長と関わる皆様に貢献したいという貢献欲求の強い社員が非常に多いです。今でも社内でイベントをやると、クライアント様やパートナー様から頂いた手紙を見て泣きながら、みんなで称え合ったりします。このエネルギーが最大の強みだと思っています。業界をディスラプトして破壊するというよりは、そこに従事する産業の方が作った歴史を踏まえて伴走し、デジタルシフトで産業をありたい姿に変えていく。それが結果として産業全体の仕組みを変えることにつながり、働く人たちがハッピーになれる。そこでまた社員たちが貢献実感を得られる、このようなサイクルを回すことで社会に貢献していきたいと考えています。

田中:ウォルマートしかりCVSヘルスしかり、もともとデジタルネイティブ企業ではない、リアルな小売の非デジタルネイティブ企業です。アメリカも含めてそちら側にDXがシフトしてきており、産業側のDXに中核が移りつつあります。その中で旧オプトの強みはやはり人とのつながりでしょう。GAFAの方と話していると、「自分たちは顧客と会えないからこそデータドリブンなんだ」という話をよく聞きます。当然これからはデジタルホールディングス社も、よりデータドリブンを進めてGAFAのようにデータへのこだわりも持たなければいけない。一方で、自らが現場に出かけてデータ以外の要素、職人の勘みたいなものも活かす。そこがあってこそのグループの強みですよね。

金澤:おっしゃるとおりです。将来的にはデータを意思決定するツールとして活用していきたいと考えています。そのプロセスとしてまずは現場を知る、お客さまを知る、産業、業界を知ることが非常に重要だと思います。両輪をきちんと回せるようにしていきたいですね。

組織の掲げるパーパスと自己実現を重ね合わせることの重要性

田中:次に、金澤さんご自身の話に移りたいと思います。グループの中核会社だったオプトの社長から、4月にグループ全体の取締役COOに就任されました。自分自身の仕事のあり方や目標、リーダーシップ、マネジメントなど、オプト社長からグループ全体のCOOになられたことで、ご自身にはどのような変化がありましたか?

金澤:今までは個社最適、オプトという会社を、自分の求心力とリーダーシップを発揮して動かしていくという考えが基点にありました。今年の4月にCOOに就任し、4ヶ月ほどが経ちますが、今は各事業会社がどうやったらリーダーシップを発揮できるのか、各事業会社のみんなが目指すべき方向性、パーパスにどうアジャストしていくのかを今まで以上に考えるようになりました。

田中:先日、野内(野内敦 デジタルホールディングス代表取締役社長 グループCEO)さんと話していたら、COOとしての金澤さんをすごく褒めていらっしゃいました。事業会社のオプトの社長からCOOになられ、その実行力をすごく評価されていました。事業会社であったオプトの社長であった経験は、グループCOOの業務にどのように活かされていますか?

金澤:そうですね、今までも経営メッセージやグループ全体のベクトル、方向性などはありましたが、そこに現場の声や思いがどれだけ反映されていたのかというと、疑問に思っていました。おそらく鉢嶺(デジタルホールディングス代表取締役会長)や野内も課題視していたと思います。私は比較的オプト時代から現場と距離が近くてダイレクトに声を聞きながら動いていたので、経営が向かうべき方向性、向かいたい方向性と現場の思いをつなげて事業として形を作っていくことに、その経験が活きていると思います。

田中:まさにチーフ・オペレーティング・オフィサーですね。COOという役職自体にかける思いやこだわりはありますか?

金澤:もともとデジタルホールディングスに社名が変わったタイミングで、COOという役職はありませんでした。そこから半年~9ヶ月くらい経ち、変革スピードを上げなければいけないという覚悟のもとに設置されたのがCOOであり、私のミッションだと思っています。変革スピード、解像度を上げてどんどん事業を進めていくために、あえて空気を読まずに現場の声を聞きながらやんちゃに実行まで進めていこうと思っています。

田中:まさに金澤さんは、デジタルを推進する一方で、人ならではのよさを一番体現されていらっしゃいますので、そこは期待が大きいと思います。

金澤:改めて田中先生に伺いたいのですが、当社グループの戦略アドバイザーとして毎日のように伴走していただいて3年ほどになりますよね。

田中:そうですね、この夏で丸3年経ちました。

金澤:いつもありがとうございます。先生から見て、DXの状況も含めて当社グループが3年前と比べてどう変わってきたのか、ぜひお伺いしたいです。

田中:それは面白い質問ですね(笑)。ちょうど3年前の夏に鉢嶺さんからお声がけいただいて意気投合し、それ以来グループ全体の戦略アドバイザーをさせてもらっています。3年前の夏から2021年の夏にかけてグループ全体を見てきた印象として、お世辞抜きで見事に生まれ変わったと思いますね。当時から鉢嶺さんは熱くデジタルシフト・DXについて語っていましたし、それをやらなければ日本は立ち行かないと非常に高い使命感を持っていました。鉢嶺さんはグループ自体をこうしていきたいという思いも強いですが、同時に日本をこう変えたいという使命感も強い人ですよね。3年経ってみてDXについては、冷めるどころか日本全体で機運が高まっていますし、その中でメディアとしてのデジタルシフトタイムズも、立ち上げて2年ほどになりますが、アクセス数も増えています。3年前と比べると日本の取り組みも、会社自体の取り組みも進んできました。もちろんアドバイザーとしては、いろいろな課題を指摘させてもらっていますが、あらためて3年前と比較すると目標としていたところには来ていると思います。一方で、今回ホールディングス全体のパーパスを「新しい価値創造を通じて産業変革を起こし、社会課題を解決する。」と掲げ、ミッションやビジョン自体もかなり変化していますよね。私は各社のメンバーと一緒にプロジェクトを進めていますが、最近強く感じるのは、求められていることが変化している中で、自ら率先してリードしている人もいれば、それらの価値観をあまり共有できていない人もいる。そのあたりが大きな課題かなと思っています。この3年間の変化をこのように感じておりますが、いかがでしょうか。

金澤:日々、田中先生からアドバイスとしていただくことはまさにそのとおりですね。今回、特に野内がこだわりを持ってリーダーシップを発揮しているのは、パーパスそのものであり、まさに田中先生との会話の中で生まれたことも多くあります。今まではよくも悪くも人を基点にして求心力で引っ張ってきました。あえて今、人の求心力だけではなく、目指したい状態、向かう先を明確にして、そこを目指す上での言行一致、我々は「経営コンテキスト」と呼んでいますが、この言行一致した経営コンテキストを磨き上げることにトップの野内が強いこだわりを持っています。こだわりを持つようになったきっかけは田中先生に伴走いただいて、ああでもない、こうでもないと何度も議論する中で出てきたものです。これを大切に育てていき、社員が自分事にできるようになるにはどうすればいいか、様々なトライをしていきたいと思います。

田中:金澤さんもご存じの通り、旧オプトから200人の社員が異動して200数十人になった株式会社デジタルシフト社の社員の皆さんに、8月から四回にわたって社内向けの研修をさせていただいていて、先週ちょうど一回目が終わりました。そこで私がお話ししたのは、グループ全体としての目標があり、デジタルシフト社にもそれを踏まえた会社のミッションやビジョン、バリューがありますが、これをいかに全員が共有していくのかということです。その上で、二回目の研修の課題は「会社全体のミッション・ビジョン・バリューを、それぞれの個人的な自己実現上の目標に置き替えたらどうなりますか?」というものにしています。グループ全体のパーパスやミッション、ビジョン、バリューについて、私は二つのことが重要だと思っています。一つ目はお題目ではなくて、本当に顧客に提供する商品やサービスにそれらが練り込まれているか。もう一つは社員一人ひとりが会社の目標を、自分自身の自己実現上の目標にまで高めていけるかどうかです。そこが全体としては課題ですよね。

金澤:そうですね。最近では「情熱オーナー」というキーワードを野内が改めて打ち出し、これを我々として大切にしたいコンセプト、経営コンテキストのひとつにしています。従来は会社が「こっちに行くぞ」と言い、それについていくだけでしたが、社会はこれから多様性が求められる時代になり、「一人ひとりがどうありたいか?」が重要になる。「会社がこうだからやる」ではなく、一人ひとりが情熱を持ったオーナーとして「自分がこうありたい」というものがあって初めて事業もサービスも生み出される。「情熱オーナー」だからこそ、お客様に「ありがとう」と満足してもらえて、期待を超えるようなことができるだろうと。最近、社員の中でも「この情熱オーナーは誰だっけ?」「人にやらされていると言っていない?」といった会話が交わされるようになってきました。これもまさに田中先生がおっしゃっていた、「自分がどうありたいか」というパーパスにチェックインできるかどうかだと思います。ここが少しずつではありますが、浸透してきているなという実感があります。

同じ志を持った「共創パートナー」とともに産業変革を進める

田中:グループ全体、そして各社のバリューにもよく出てくる「共創」、「共に創る」という言葉について伺います。産業変革をスピーディに実現していくためにも、「共創パートナー」はこれからさらに増えていくと思いますが、まずは共創パートナーについて詳しく教えてください。

金澤:「新しい価値創造を通じて産業変革を起こし、社会課題を解決する。」という新たなパーパスはとても壮大であり、自分たちの力だけではとてつもなく時間がかかってしまいます。スピードアップしてことを進めるには自分たちだけではなく、いろいろな力を持っており、目指す方向に共感していただけるパートナー様と共に歩むことが必要です。この産業ならこの人たち、この産業ならこのインサイダーと組む、といった仕組みを構築することで、日本の社会がデジタル化も含めて、より前に進んでいけるだろうと思い、今回このコンセプトを発表しました。その中でも、大々的に打ち出したのが経済学者の皆さんとのコラボレーションです。エコノミクスデザイン社という経済学者の方が中心に立ち上げた会社がありまして、この方々と経済学をどうビジネスに活用していくかということに挑戦しています。GAFAを含めてグローバルでは経済学者が台頭して、プライシングや行動心理学、レーティングなどをビジネスに転用しています。日本でも間違いなく、データ活用が盛んになっていく中で、そういった流れが必要になるだろうと。産業変革に向け、新しい指標を作るためにエコノミクスデザイン社といっしょに事業展開をしていきます。もう一つ新しいトライとして、様々な産業で働く人たちの働きがい、やりがいを可視化して指標化することに挑戦しています。

田中:やはりパートナー、クライアントとともに創る共創は非常に重要な概念ですね。

金澤:そうですね。田中先生におっしゃっていただいて、私もあらためてハッとしたことがありました。当社グループの社風は、自分たちが喜べばいいというよりは、まわりの方が喜んで初めてそれがエンジンになるというものです。社員に根付いているこの考え方を「それがエンジンでもあるので、大切にした方がいい」と先生におっしゃっていただいて、そのとおりだと思いました。変革を進めるときにそういったことを無視すると、社員のみんなが手応えややりがいを感じなかったり、自分のありたい姿とズレてきて、ことが進まなくなることがあると思います。社員みんなが貢献している、役立っている、喜んでもらえている、といったことの総和を求めるスタンスが、共創パートナーがたくさん生まれるきっかけにもなっていると思います。

田中:そうですよね。ウォルマートもしかりですが、非デジタルネイティブ企業でDXを成功させている会社は、秘訣としてAmazonのようなデジタルネイティブ企業を徹底的にベンチマークしています。しかし、ただベンチマークするのではなくて、自分たちの強みを活かした事業展開、DXの使い方をしています。デジタルホールディングスが絶対忘れてはいけないのは旧来から持つオプトらしさです。オプトの強みはなんだったのか。それをきちんと把握した上で、さらにDXで強化していく。そこがあるからこそ、共創パートナーとして組んでいっしょにやっていこうという話が出てくるわけですよね。

金澤:私は共創パートナーを探すことをここ3~4ヶ月のメインミッションとして動いていますが、びっくりするほど皆さんからいい反応をいただいています。皆さん、いろいろな企業と組む中でどうしてもマウントを取られたり、利益分配の話で上手くいかなかったりする中で、当社の進め方が非常に共創パートナーの皆さんからすると心地よくて、伴走したいと思っていただけているようです。そこは、我々が変えてはいけないことです。田中先生のアドバイスや、共創パートナーの方から「手を組みたい」と言っていただく中であらためて気づかせてもらいました。変えることだけでなく、変えないことも明確にすることが大切だなと、この一連のプロセスで感じました。

田中:中国の四書五経と呼ばれる儒教の経典の一つ『易経』にも、「変わるもの」と「変わらないもの」についての記述があります。会社自体、グループ自体で変えていくべきもの、変えてはいけないものをきちんと峻別することは重要ですよね。

金澤:まさにそれは痛感しましたし、壁打ちさせていただけたことも非常に助かっています。

オプト入社時の自分に恥じないよう、実行にこだわり産業変革をやり切る

田中:最後に伺いたいのは、金澤さんご自身のことについてです。金澤さんのプロフィールを拝見させていただいて特徴的だと思うのは、2005年にオプトにアルバイト入社したとあえて書いていることです。これはやはり、アルバイトで入社したことにいろいろな思いがあるからだと思いますが、そこにはどのような原点があるのでしょうか?

金澤:アルバイトの話はよく聞かれますね(笑)。私は学生時代もいろいろなことに挑戦していましたが、なかなか上手く行かず、大学卒業後はテレビの制作会社にADとして入社しました。志を高く仕事をしたいと思っていましたが、業界のルールや作法に難しさを感じて、テレビ業界から逃げてしまったのです。そんなときに拾ってくれたのがオプトです。夢や目標を熱く語る私の話を真摯に聞いてくれて、若造の夢物語と切り捨てるのではなく、「いっしょにやってみよう」と応援してくれたのです。面接で「アルバイトから挑戦してみてはどうか」と言ってもらい、道が開けたと感じました。社会とは怖くて厳しいものではなくて、夢や可能性がある場所だと思わせてくれたのがオプトです。私にとっての「Day1」ですね。

田中:やはりそうですよね、アルバイトとして入社した、その日が「Day1」ということですね。では、「Day1」である2005年当時の金澤大輔さんから、2021年8月グループ取締役COOであるご自身にどんなことを伝えてあげたいですか?

金澤:そうですね。ひとつは「もっと痩せた方がいいんじゃないか?」という(笑)。テレビのADで飲まず、食わず、寝ずという環境で仕事をしていたので、栄養失調のようにガリガリでした。写真を見たらびっくりされると思います。

田中:それが「Day1」の金澤さんから真っ先にでるメッセージなのですね。その他に、「Day1」の金澤さんからのメッセージは何かあるでしょうか。

金澤:そうですね。私の時間軸のスピードでは、ぜんぜん満足していません。本来なら、もっとドラスティックに大きいことにチャレンジできているはずでしたし、40歳になる頃には、もっと社会にインパクトを与えるようなことを残せていると思っていました。計画通りかというと、全くそうではないという健全な危機感が強いです。

田中:では最後の質問として、2021年8月時点で取締役COOである金澤大輔さんからアルバイト入社した「Day1」のご自身にメッセージをお願いします。

金澤:ひとことで言えば、あらためて実行力が大切だと痛感した20年でした。とにかく自分が掲げたことと、やりたいと思ったことを言行一致させるために、どれだけ実行にこだわれるかに尽きると思っています。「やりきれ」と言いたいです。

田中:まさに実行力ですね。チーフ・オペレーティング・オフィサーということでオペレーションを担っていくのですね。最後にご覧いただいている方、今回はグループの社員、業界の方、クライアントの方など様々な方にご覧いただいていると思いますが、それぞれ内部と外部に分けてメッセージをお願いします。

金澤:まず、グループ全社会議でも毎月メッセージを出したり、全社員向けに週報を出していますが、この変革期に間違いなく我々の強みであり、基点になるものは一人ひとりの意志の強さ、まわりに対して貢献したいという貢献欲でしょう。ここが重要だと思っています。健全な危機感を持って、グループのミッション実現に向けてリードしていって欲しいですし、その中で自分自身の人生もハッピーになれるような、自分の未来と我々の目指す未来が重なるような、そんなチャレンジは大歓迎です。ぜひこれからも一緒にやっていきたいと思います。

もうひとつ、外部の方に対してのメッセージですが、あらためて我々デジタルホールディングスは産業変革に挑戦していきます。そのプロセスでたくさん失敗をするかもしれませんが、産業変革という挑戦は我々だけの力ではなかなか難しいと思っています。ぜひ共創パートナーとしてトライしたいことがある、または我々の目指すところに共感いただける方がいらっしゃれば、どこにでもお伺いしますので、一緒にいろいろな挑戦をしていきたいと思っています。ぜひ、応援、伴走させていただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

田中:金澤さん、今日は本当にありがとうございました。引き続き、よろしくお願いいたします。

金澤:ありがとうございました。引き続き、よろしくお願いいたします。

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Facebookも注目の「メタバース」とは何か? スマホ向けメタバース「REALITY」のDJ RIO氏に聞く

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Facebookが社名を変更し、中核事業に据えるほど力を入れる「メタバース」。2021年8月にはグリー株式会社が、今後2~3年で100億円規模の事業投資を行い、グローバルで数億ユーザーを目指すと発表しましたが、その中核を担うのが、グリー株式会社の子会社であり、これまでバーチャルライブ配信アプリを手がけてきたREALITY株式会社です。今回は、そんな同社の代表を務めるDJ RIO氏にインタビュー。そもそもメタバースとは何なのか。なぜこんなにも注目が集まっているのか。メタバースは、世界のあり方をどのように変えるのか。メタバース初心者のビジネスパーソンには必読のインタビューです。

デジタル戦略で生まれ変わるカインズ。ホームセンターからIT小売企業への変遷の軌跡【前編】

デジタル戦略で生まれ変わるカインズ。ホームセンターからIT小売企業への変遷の軌跡【前編】

生産労働人口の減少を受け、日本企業はいよいよ生き残りをかけたデジタル化に取り組まなければいけないと言われるフェーズに入ってきました。とはいえ、それができている企業とそうでない企業との差が激しくなっているのも現状です。 そんななか、ホームセンター大手カインズでは、40年かけて積み重ねてきたホームセンターとしてのあり方を見直し、IT小売企業として生まれ変わろうとしています。カインズでデジタル戦略本部長を務め、戦略の指揮をとる池照 直樹氏に、同社のデジタル戦略についてお話を伺いました。 前編は、カインズがどのようにしてデジタル化を実現させていったのか、具体的な取り組みを交えてお届けします。