デジタル都市、中国・深センで話題の「無人ホテル」 スマホとロボットで完結する未来
2019/6/4
話題の無人ホテル「楽易住智慧(LeYeJu Smart Hotel)」が深セン市で店舗数を増やしている。
深セン市では毎年のように登録人口も訪問客も増えており、不動産やホテルの値段も上がっているが、このホテルは新しいイノベーションを感じさせる。
今回は深セン市の東門駅から徒歩5分ほどの場所で予約を入れた。行ってみると古めのオフィスビル6階の全フロアがホテルになっていた。
さっそくSNSで教えてもらったパスワードでエントランスに入る。
そこには2台の受付パネルがあり、そこでチェックインを済ませるようだ。
チェックインが完了しSNSが届いたら、今度は入り口で待っていたロボットが部屋の前まで案内してくれる。
このロボットも自社開発で作られているようだ。
とにかく安いので、部屋の清潔さや利便性については、正直言って不安でしかない。
追加でタオルやスリッパなどが必要になった場合は電話一本でロボットが部屋の前まで持ってくるそうだ。
もちろんドライヤーも置いてあった。
最終日のチェックアウト時にはカギを返すこともなく、何の手続きも必要ない。ただ出ていくだけである。
おそらく、万が一盗難などがあってもWeChatアカウントに紐づいていて、個人の評価に影響が出るため自然とマナーが良くなっているのだと思った。
そして、中国は電気製品や日用品が安いので、「備え付けの品を盗難されても大した損失ではない」という理由もあるのだろう。
このホテルを運営するベンチャー企業は、2016年に設立され、現在シリーズAのフェーズまで来ている。
顧客の行動をロボットやセンサーでビッグデータ化しているところが、通常のホテル業とは違い、ベンチャー企業のイノベーティブなところである。
とにかく人件費がかからない運営をしているが、清掃スタッフについてはアプリでの登録制になっており、審査に受かると仕事ができる。
しかもシェアリングの仕組みを取り入れ、社員を抱えないというところがポイントである。
既に約2,000人が清掃員として登録しているそうだ。
極限までに最適化されたこのスマートホテル、ぜひ体験してほしいところだが、現状は中国人の身分証がないと予約ができないようで、外国人が泊まりたい場合は中国国籍の人に代わりに予約してもらうしかない。
それにしても安くてキレイだったので、毎回泊まって利用者としての評価を上げてみることにしよう!
記者;Murra(株式会社ホワイトホール)